Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

新聞記者

2022-01-27 | TVドラマ(日本)
せっかくこの題材に斬り込んだのに、感傷的な演技が多過ぎる。上からの命令に誰も逆らえず、ひたすら俳優陣の涙ぐむ演技が続く。怒りや憤りよりも悲しみを前面に出す演出では到底グローバルに訴えることはできない。新聞社も検察もできなさばかりが目立ちとても残念。

タイトル新聞記者なのだから暴き、書き、社会を動かすダイナミックなシーンがもっとあっていい。一番動きがあるのが輪転機が回るシーンとは…。改ざん資料を記者に渡す理由が同じ悲しみを知る者同士というのも頂けない。役者陣は熱演。眉毛と目を一つずつ動かせる吉岡秀隆に驚嘆。

架空OL日記

2021-10-13 | TVドラマ(日本)
もう永遠に続けばいいんじゃないの。それくらいの日常性と中毒性。最初はこのゆるさで大丈夫か?と思ったが、回を増すごとにキャラがグングン立ってくる。私の推しは小峰さま。オレも更衣室でコミネコールがしたい!コ・ミ・ネ!コ・ミ・ネ!

どこにでもいそうなOLという体を装っているけど、相手のダメなところもわかってて程よい距離を保っている5人の関係性は実は限りなくファンタジーではないか。そこが心地いい。 後、各キャラを反映した洋服のコーディネートがポイント高し!テレ東ドラマはいつもスタイリストさんが優秀。

オッドタクシー

2021-08-17 | TVドラマ(日本)
伏線回収のカタルシスのためにだけキャラクターが存在しストーリーが動く作品は好きじゃない。そんなひねくれた視聴者の存在も見透かしたかような見事なエンディング。孤独な者達が東京の夜の街で交錯する。キャラクターが動物という事が様々な想像を掻き立てる、その独創性が秀逸。

おやすみ、また向こう岸で

2021-07-02 | TVドラマ(日本)
★★★☆ 単発ドラマ

ポリアモリーに着想を得たという男女3人の不思議な関係を描く。24分の中で描かれる軽妙な台詞のやり取りと意外な展開。結末を知るとタイトルの意味も味わい深い。

男女3人の恋愛模様は数あれど、いかにも21世紀な新しさ。実に面白かった。長編で見たい。

だから私は推しました 

2020-08-21 | TVドラマ(日本)
★★★★

地下アイドルをOLが推す設定が発明。20代後半の女の自意識が露わになるのが見ていて辛いが、一方演出やカメラは実にクールで引いた視線。そのバランスが絶妙。 アイドル、宝塚、二次元…。なぜ人は誰かを推すのか。奇抜な設定だから描ける人間の根本心理。秀逸。

オリジナル脚本というのが本当にすばらしい。マウンティング合戦に疲れた女が何かをきっかけに自身を解放する話はいろいろあるがそれが地下アイドルとは。初回冒頭に主人公は逮捕されていることが明示され、時間を遡るミステリー仕立ての語りもうまい。さすが森下佳子。全部さらけだす桜井ユキも最高。

世界は3で出来ている

2020-06-24 | TVドラマ(日本)
ビジュアルを変える姑息な手は使わず、ごく普通の青年を見事に3人演じ分け。目線の位置、セリフに対するリアクション。高度なテクニックを自然にこなす。さすが我らが遣都。微妙に箸の持ち方を変えていたの湖民は気づいている。とにかくもっと三雄ください。

東京ラブストーリー2020

2020-06-24 | TVドラマ(日本)
令和だからこそ、自分に正直に自由に生きるリカを主人公にすえてリブートするべき。令和でもリカという存在はカンチが大人の階段上るための通過儀礼。これじゃあリカが浮かばれない。やたらメロウな劇伴、男女の周りをぐるぐる回るカメラ。もっと新しいものが見たかった。

さとみが相変わらず、無垢のフリをしたビッチなんだよねー。原作のさとみはもっとサバサバしてるし。こちらも令和の時代を生きる女性として新解釈を見せて欲しかった。みんなで空を見上げてリカを想う、なんてさ。リカはあんたらの思い出作りに生きとるんとちゃうで。

東京ラブストーリー2020

2020-06-18 | TVドラマ(日本)
令和だからこそ、自分に正直に自由に生きるリカを主人公にすえてリブートするべき。令和でもリカという存在はカンチが大人の階段上るための通過儀礼。これじゃあリカが浮かばれない。やたらメロウな劇伴、男女の周りをぐるぐる回るカメラ。もっと新しいものが見たかった。

さとみが相変わらず、無垢のフリをしたビッチなんだよねー。原作のさとみはもっとサバサバしてるし。こちらも令和の時代を生きる女性として新解釈を見せて欲しかった。みんなで空を見上げてリカを想う、なんてさ。リカはあんたらの思い出作りに生きとるんとちゃうで。


東京裁判

2018-03-07 | TVドラマ(日本)
★★★★☆(NHKーBS)

ずいぶん前に録画していたものを観賞。
驚くほど地味なドラマである。でも、見応えは抜群にある。
しかも、自分の知らないことばかりで本当に勉強になった。
東京裁判最大の焦点は天皇責任であるが、これだけ世界各国から判事が集められ
それぞれの立場から国際的な視点にならって正当に判決をくだそうとしていたとは。
予想以上の年月がかかり、各判事の疲労も大変なものだったろうと思う。
バラエティー豊かな判事の面々だが各国のお国柄が表われていて、
終戦後の立ち位置もよくわかる。
中でもすべての戦犯は無罪と主張したインド人判事が心に残った。

DEVILMAN crybaby

2018-02-03 | TVドラマ(日本)
第1話のサバト祭にテンションMAX。
湯浅政明のタッチ、めっちゃ私の好みやんか。
何で今まで見てないんだよ。
エログロ描写がてんこ盛りはNetflixならでは。
残虐描写も容赦がなくデビルマンが愛する人の最期もそこまでするかと驚いた。
ただ、ひたすら絶望に向かう展開は先が読めてちょっとだれた。
まあ、それはサバト祭でアガリ過ぎてしまった私のせい。
ノクターナルアニマルズの二の舞。
でも俄然湯浅政明に興味湧いてきたので「夜明け告げる」など湯浅作品見てみようと思う。

予兆 散歩する侵略者

2017-11-22 | TVドラマ(日本)
映画版のスピンオフで全5回。
映画では概念を抜かれてスッキリするような人もいたけど、
こちらは完全に人間として欠落する。
映画は舞台がもとなんで、元の要素がいじれない部分もあったと思いますが、
こちらのスピンオフはリングの高橋洋と組んで黒沢節全開なのが面白かった。
いつもの黒沢的ホラー表現もこちらに軍配。「愛」とかに寄せてないのもいいね。

また黒沢映画で開花した怖い微笑みの東出昌大が最高。
黒沢清って役者の素材をちゃんと見抜いてホラー的に使うのがほんとうまい。
「降霊」の草薙剛もすごい不気味だったし。

贖罪

2017-01-28 | TVドラマ(日本)
★★★★☆ 2016年/日本 監督/黒沢清

(WOWOW)

女性週刊誌みたいな露悪趣味で上っ面だけの湊かなえの小説は本当に嫌いなのだけど、
黒沢清が演出すると、あら不思議!作品に品格が生まれます。これは凄い。
そして、小泉今日子がすばらしい。
黒沢のカメラに収まる小泉ですでに作品が完成しています。
セブンスの前田敦子とえらい違い。

チルドレン

2009-09-05 | TVドラマ(日本)
★★★☆ 2006年/日本 監督/源孝志

「強弱のなさゆえの平面的な仕上がり」

WOWOWのオリジナルドラマ。ドラマと割り切れば、まずまずの出来映えと言ったところでしょうね。ただ、昨今の気合いの入った2時間ドラマはえてして映画と同じ土俵で見比べてしまうもので、そうした観点から見るとやや物足りません。

伊坂作品で欠かせない物は、心に刺さる印象的なセリフでしょう。暗示や教訓、人生の道しるべとなるような言葉の数々。それは、非常に詩的です。ゆえにそのセリフを発する時には、どうしてもスカしたような、気取ったようなムードが漂います。誰がどういうシチュエーションでその言葉を言うのかで、作品全体の印象を決定してしまう。本作では、無頼な先輩、陣内を演じる大森南朋にその役割が与えられているのですが、実にさらりと自然にこなして好感が持てます。

そして、伊坂作品のもうひとつの持ち味は、複数エピソードの同時進行。さて、本作はここが問題。主人公武藤の恋バナ、彼が面倒を見ているスリ常習犯の少年、そして先輩陣内との絆。どれが主旋律でどれが副旋律なのかがよくわからない。全てが同等でラストに一気に結びつくようなカタルシスがあるわけでもないし。結局、伏線がたくさんある物語というのは、完全に個々が独立しているか、または軸となる中心人物がいてその周りを各エピソードが絡み合っていくか、そのどちらかでないと全体の印象がぼんやりしてしまいます。これが、どうもどっちつかずという感じなんですよね。

主人公を演じるのが坂口憲二なんですが、正直最初の30分くらいまでは大森南朋が主人公かと思ってたくらいで。融通の利かない堅物調査官、武藤という男をもっと際立たせれば良かった。面白いんだけど、全体的にはのっぺりとした仕上がり。それは、脚本上の強弱のなさが原因のように思います。

NHKドラマスペシャル 白州次郎 第2回

2009-03-08 | TVドラマ(日本)
2009年/NHK
「8月まで待てって、それ拷問じゃない」

この1週間で3回も「NHKドラマ白州次郎 第一回」を見てしまいました。
そして、待ちに待った第2回。
もう、メロメロです。(何度言ったら気が済む!?)

今回は先週のようにタキシードがなくて、ちょっぴりがっかりですけど、
パリっとした、正当なスーツ姿が本当に素敵です。
出かける時に、さっと帽子をかぶる仕草、つばの下から覗くきりっとした顔立ちが本当にかっこよかったぁ。

それにしても、やたらめったらアップを多用したカメラです。
原田芳雄も岸辺一徳も思いっきり、「寄り」の絵ですけど、
何と言っても伊勢谷クンの寄りのショットの多いことといったら。
私のようなファンはともかく、それ以外の方は白州次郎のアップばっかりだなあ~
なんて感想を持っているかも知れません。

まあ、あまりアップが多いと、本当はイージーな演出と感じさせますけど、
このドラマでは、武相荘を始めとする田舎の田園風景、近衛首相の見事な邸宅内のセット撮影など、
アップ以外の撮影も見事なので、しっかりバランスを取っています。

白州正子が骨董に目覚めるシーンが入っていますが、
本当は彼女だけを取り上げても十分スペシャルドラマが作れるほどの人物。
もっと正子のエピソードも取り上げて欲しい。そんな物足りなさも感じます。

しかし、朝帰りの正子が「こんな家事も子育てもできない私に何の価値があるの」と
次郎に食ってかかるシーンは良かったです。
「きみにはきみだけの価値がある」
はあ、私も伊勢谷君に言って欲しいです。

白州次郎第3回が8月放映なのは、
吉田茂役の原田芳雄が病気になったため、という情報ですが、
一方、あまりに予算を使いすぎたため、という噂もあるようです。
そりゃあこれだけロケしたら予算も減りますよね。
それでも8月まで待てだなんて、完全に拷問です。



NHKドラマスペシャル 白州次郎 第1回

2009-03-02 | TVドラマ(日本)
2009年/NHK
「ステキすぎてため息」


事の発端は10日ほど前の書店にて。白州次郎を演じる伊勢谷友介のモノクロームの写真集を手にとって、あまりのカッコ良さに卒倒しそうになりました。前からいい男だとは思ってましたけど、ドラマを見てもうメロメロです。

希代のイケメンが主役のドラマですから、照明もカメラも、とにかく白州次郎を格好良く撮るということに徹底しています。濃淡のコントラストの何と強烈なこと。岸部一徳、真っ暗で顔みえん!ってくらい。 でも、伊勢谷くんの彫りの深い顔立ちのコントラストが美しいの、なんの。全編に渡って、ピシッとしたスーツ姿。こんなにタキシードが似合う日本人を私は今まで見たことがありません。

また、ロケもセットもお金がかかっています。ベントレーでイギリスの田舎道を走り回る伊勢谷君。豪華な晩餐会で流暢な英語で演説する伊勢谷君。もう、ため息しか出ません。

白州正子を演じる中谷美紀もいいですね。気位の高い良家のお嬢様がバッチリはまっています。お能の所作も様になっています。自分の写真と愛のメッセージを添えてプロポーズだなんて、本来自意識過剰もいいところですけど、このイケメンなら許せます。正子が羨ましすぎます。

ただひたすらに見た目だけで、これだけうっとりしたことって、久しぶり。「青い鳥」の白シャツをはだけて駅長さんを演じた豊川悦司。「メゾン・ド・ヒミコ」でシャツをパンツにINした美しいヒップラインのオダギリジョー。そして、今回の伊勢谷友介。タキシードもいいし、ダブルのスーツもいいし、ゴーグルと革ジャンもいいし。非の打ち所があまりになくて、土曜日から絶句状態なんです。

伊勢谷君は「ハチクロ」も見てるし「雪に願うこと」も見てるし、いろいろ映画を見ているんですけど、今回のドラマで完全にフォーリンラブです。写真集、買います。エツ様ごめんね。愛が揺らぎそう(笑)。