★★★★☆ 2007年/日本 監督/堤幸彦
「人の痛みなんてわかるわけないさ」
そんなの当たり前じゃないか。辛いことも苦しいことも他人が100%共有できるなんて、ありっこないよ。その前提を了解した上で、何とか役に立ちたい、笑わせてやりたい、って思うのが人間同士なんだよな。と、つい青臭いことを屋上で叫びたくなるようないい映画でした。これは、めっけものです。
何か吹っ切れたような柳楽優弥の怪演っぷりがとにかく最高です。変な関西弁をしゃべる自傷癖のある暴れん坊ですが、人生にやさぐれているという役どころだけでなく、こりゃもう演技がヤケクソです。どうにでもなれと言った感満々で、その開き直り具合が感動的ですらあります。
そして、手すりや鉄棒など、無機質な物体にひらひらと白い包帯が舞う。その映像がとても美しい。包帯を巻くシークエンスが、モノが感情を持ったような、命が吹き込まれたような瞬間に見えるのです。このアイデアはすばらしい。原作がすでに映像的なんでしょうか。読みたくなりました。
ネット社会の中傷などどんよりした展開になるけど、サバサバした演出で観賞後も爽やかな後口が残ります。ちょっとスネた役どころゆえ、石原さとみちゃんのタラコ唇もバッチリ合ってて、実にキュート。天然キャラの貫地谷しほりも愛らしく、若手俳優陣が生き生きとスクリーンを駆け回っているのが心地よい。初めて堤幸彦作品で面白いものに出会えました。
「人の痛みなんてわかるわけないさ」
そんなの当たり前じゃないか。辛いことも苦しいことも他人が100%共有できるなんて、ありっこないよ。その前提を了解した上で、何とか役に立ちたい、笑わせてやりたい、って思うのが人間同士なんだよな。と、つい青臭いことを屋上で叫びたくなるようないい映画でした。これは、めっけものです。
何か吹っ切れたような柳楽優弥の怪演っぷりがとにかく最高です。変な関西弁をしゃべる自傷癖のある暴れん坊ですが、人生にやさぐれているという役どころだけでなく、こりゃもう演技がヤケクソです。どうにでもなれと言った感満々で、その開き直り具合が感動的ですらあります。
そして、手すりや鉄棒など、無機質な物体にひらひらと白い包帯が舞う。その映像がとても美しい。包帯を巻くシークエンスが、モノが感情を持ったような、命が吹き込まれたような瞬間に見えるのです。このアイデアはすばらしい。原作がすでに映像的なんでしょうか。読みたくなりました。
ネット社会の中傷などどんよりした展開になるけど、サバサバした演出で観賞後も爽やかな後口が残ります。ちょっとスネた役どころゆえ、石原さとみちゃんのタラコ唇もバッチリ合ってて、実にキュート。天然キャラの貫地谷しほりも愛らしく、若手俳優陣が生き生きとスクリーンを駆け回っているのが心地よい。初めて堤幸彦作品で面白いものに出会えました。