Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

タマスダレ

2006-09-30 | 四季の草花と樹木
1ヶ月ほど前から咲き始めました。もう終わりかも知れません。
「レインリリー」の混合球ということで購入し、春先に植えました。
どんな色が咲くのかなあ~と思っていたら、黄色やピンクが咲きました。
そして、この白。白いのだけ「タマスダレ」と名がついているようです。

学名は「ゼフィランサス」。
この「ゼフィランサス」という仲間にピンクや黄色があるみたいです。
ただ白は、他の色と比べると葉のとがり具合が違います。

「レインリリー」というのは別名で、雨が降った後一斉に咲き始めるから、とのこと。
梅雨明けに咲くんだ~と思っていたらなかなか咲かなかったので
心配していたのですけど大丈夫でした。

横から見るとツンと上を向いて咲いているのが、清楚な中にも強い意志があるようで美しい。


一重でとてもきれいな花なので、たくさん増えて大きな株になってくれると嬉しいな。


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高三郎(タカサブロウ)

2006-09-29 | 四季の草花と樹木
おじいちゃんの名前みたいやんか。なんで、これだけ。

キツネとかイヌとか耳とか尾とか、
そんな引用が多い中、高三郎って…。
太郎や次郎でもなく三郎。語源は何やろ。

花はね、すごく小さい。
でもその後できてる実がね、なんか面白いんだよね。


このグリーンのべちゃ~っとしているのが実。
ボタンみたいでしょ。



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そんなとこで寝るなよ

2006-09-28 | 子育て&自然の生き物
昨日は学校が早い日で帰ってきたら、草引きしたい、と言う息子。
実は少し前に私と私の友人と3人で草引きしたら、
その日はたまたま雨上がりということで、
すぽすぽ草が抜けるのが楽しかったみたい。
おお、そうか!そうか!と一輪車と草引き道具を玄関に置き、私は家でお仕事。
「後で合流するからね~」と声をかけておく。

しばらくたって何か静かだな~と思って玄関のドアを開けると、

「寝とんのんかいっ!」。

まあ、うまいことすっぽりはまるもんやなあ~と違う意味で感心。
土が固くて全然思うように抜けず、すぐに飽きたようです…。

まあ、お昼寝したい陽気だもんね、ここんとこ。



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ハギ(萩)

2006-09-27 | 四季の草花と樹木
ご近所のお宅や林道など、あちこちで咲いています。この花の形を見ているとマメ科ってのもうなずけます。秋の七草ってありますけど、「草」じゃないよな~と思うんですけど。

紫色がきれいですね。調べてみると、挿し木で増やせそうです。林道から少し拝借してこようかな~。

さて、この写真の中に昆虫が隠れています。私も後で気づきました。


わかりましたか?中央にカマキリ君が。この季節はものすごくカマキリが多い。あっちこっちでカマキリ見かけますよ~。


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ニラ

2006-09-26 | 四季の草花と樹木
我が家の裏手の石垣に白いきれいな花。なんだこれ~っと思って、葉っぱを見るとどうも野菜のニラに似ている。

わかりますか。ニラっぽいのが下の方にひょろひょろあるの。


とりあえず、図鑑でニラから調べて探していけば見つかるだろうってことで、ニラって、野の花図鑑に載ってるのかあ、と恐る恐るページを探す。

ありました!しかもドンピシャこれがニラなんじゃん!ニラの花ってこんなにかわいいんだね。知らなかった~。

でも、何でこんなところで咲いているんだろ。なになに。「畑のふちに植えておくと花も楽しめる」なるほど~誰かが植えていたのが飛んできたのかな。それとも野生のニラだろうか。


いずれにしてもとてもキレイな花なので、観賞用も兼ねてニラを植えよう~っという気持ちになったのでした。




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エノコログサ

2006-09-25 | 四季の草花と樹木
週末は良いお天気でした。ぽかぽかして外で過ごすのが本当に気持ちいい。

我が家の敷地を埋め尽くすように生えている「エノコログサ」も草刈り機できれいに刈り取られました。その前に写真をパチリ。

本当に敷地のぐるりを取り囲むようにいっぱい生えていました。風になびいてそよそよしてる様子は、なかなかかわいらしい。

エノコログサって名前よりも「ネコジャラシ」の方がなじみ深いですよね。
この花穂のところを引っ張るとすっと抜ける。子どもが保育園に通っている頃はよくこれを持って、くすぐりに来たりしてました。

漢字で書くと狗尾草。犬の尾に似ていることから、犬っころ草(いぬっころくさ)が転じてエノコログサという呼称になったとされる…。

ええ~。
いぬっころぐさ、
えぬっころぐさ、
えぬころぐさ、
えのころぐさ…
ばんざーい!ばんざーい!

ってやつですかあ。(これ関西人にしかわからんのかな)

エノコログサの仲間の英名はFoxtail grass、つまり狐の尾というのもあるみたい。みんな想像する物は同じなんだね。


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ぼくのバラ色の人生

2006-09-23 | 外国映画(は行)
★★★★☆ 1997年/ベルギー・フランス・イギリス 監督/アラン・ベルリネール

「ぼくの夢は女の子になること」


主人公リュドヴィックは、人形遊びをしたり、お化粧したり、女の子の格好をするのが大好きな少年。将来の夢は女の人になって、隣に住む男の子と結婚すること。でも、リュドヴィックが素直な気持ちで行動すればするほど、周りの大人たちは冷ややかな反応をし始め…。

かわいらしいファンタジー映画かと思ったら大間違い。けっこう、考えさせられますよ。リュドヴィックは7歳。この年頃で女の子のワンピースを着るのが好き、なんてのは、まだまだ思春期のボーダーラインでそんなに騒ぐこともないでしょ。なんて、最初は大人たちは一応見識ある「ふり」をしてる。でも、パパの上司の息子と結婚式をあげる!と言って花嫁の格好をし始めたりして、だんだん周囲を巻き込んでのトラブルに発展してしまう。

身につまされるのは、リュドヴィックの母親の反応。始めは理解のあるふりをしているんだけども、だんだん彼に対してヒステリックになっていく。私も母親なだけに、何とか自分の子供を理解したい気持ちはよくわかる。それは、母親なら人一倍そうだから、よけいに反動も大きいんだと思う。「何でママの気持ちがわからないの!」ってことだけど、そんなの子供にとってみれば「どうして僕の気持ちがわからないの」ってことでね。

彼が憧れる、少女向けテレビ番組「パムの世界」ってのが出てくるんだけど、このシーンがまあきらびやかで、カラフルで、美しい映像なの。リュドヴィックは「パムの世界」に逃げ込んでいるわけだけども、これはね、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」みたいに痛々しくない。ほんと、おとぎの世界。美しい。

父親は会社をクビになり、リュドヴィックの一家は地域社会で村八分。ただ息子が女の子の洋服着てるからって、こんなことになるか?なんて思うけど、実社会って案外そんなものかも知れない。リュドヴィックが無理矢理髪を切られるシーンは、泣けました。リュドヴィックがね、本当に天真爛漫で素直で、家族を傷つけたくないという思いが強い子だから、なおさら心が痛くなります。

たかだか7歳の男の子の嗜好にここまで過剰に反応する大人たち。でも、我々だってこの周辺人物と同じような行動をとるかも知れない。ジェンダーという枠だけではなく、子供の個性を尊重できる大人社会って何だろうかって、考えさせられる映画。88分という短さもいいし、おすすめです。


そろそろ、冬支度

2006-09-22 | 木の家の暮らし
これから天気のいい日にやっとかないとね。原木の玉切り、そして薪割り。薪ストーブが付くのが11月上旬。残すところ、2ヶ月ほどでできる限り薪を作っておかねばなりません。

とりあえず、春先の季候の良い時期に少しやっていましたけど、真夏はとてもじゃないけど作業が進みません。今がちょうど薪作りにはぴったりの季節なのです。


春から始めて薪棚のほぼ一列は埋まっています。でも夫曰く、これでも足りないんだとか。もちろん、来年のことも見越して薪を作っておくのに越したことはありません。


原木もいっぱい切り取られました。形を変える我が家のオブジェです。

今年は夏の暑さが本当に厳しくてこりごりでした。最近はすっかり夏より冬派のワタシ。早くストーブ付けたいなあ。


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ミゾカクシ

2006-09-21 | 四季の草花と樹木
うまいこと名前付けますねえ。溝の近くに生え、溝を隠すように繁茂するから「ミゾカクシ」。別名は「アゼムシロ」。田んぼのあぜにむしろを敷いたように群生するから。

いずれにしろ、地をはって、べちゃ~っと繁殖するというのがよく伝わってきます。現在、我が家のデッキ前の砂利コーナーがこの子に乗っ取られています。

砂利ですよ、砂利。草がぼうぼう生えて面倒な草引きをしなくて済むように、砂利敷きにしているのです。なのに…。

葉っぱだけの時に頑張って抜いてましたけど、花が咲き始めるとかわいいじゃないですか。草引きもかなり難儀な奴なので、今は放っています。

でも、花の形がちょっとフシギでしょ。おじいさんのひげみたいに見えます。


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ポネット

2006-09-20 | 外国映画(は行)
★★★★ 1996年/フランス 監督/ジャック・ドワイヨン
「死を語るボキャブラリー」



事故で亡くなってしまった母親を、ひとり待ち続ける少女ポネット。そんな彼女を見た周囲の大人達は、彼女に死の意味を教えるが、ポネットは逆に自分の世界に閉じこもってしまい…。

主演はヴィクトワール・ティヴィソル。たった4歳で、この憂いの表情。ヴェネチア映画祭最優秀主演女優賞も納得です。母の死を乗り越えられない哀しさ、そして庇護してくれるものを失ったことによる不安を見事に表現しています。やたらとセリフ回しのうまい子役は鼻について嫌いですけども、この子は「目」で演技してる。しかも、すごくナチュラルで驚きです。

さて、母が亡くなったことを理解させようと周りの大人たちはポネットにいろいろと話をする。その根っこにあるのは、キリスト教的死生観。フランス映画ということもあり、その諭し方にはことごとくキリスト教の教えがベースにある。「死」を語る時、こんなにも人は宗教をよりどころにするものなんだろうか。じゃあ、信仰の薄い人はどうなるんだろうって、ちょっと考えてしまった。

私ならお星様になったとか言うんだろうか。それとも、仏教の教えを持ち出して輪廻の話でもする?ただ、4歳の女の子に周りの大人は、非常にまじめに向き合ってる。そういうところは、えらいなあと感心してしまう。そういうこと、子供だと思って適当に流しちゃう大人ってたくさんいるもの。「神様」のことを子供たちも日常会話のように話していて、日本との文化的差異を大いに感じます。

それから、沈んでるポネットを慰めようと周りの男の子が、キスしたりするんだけども。んまあ~、これが実に堂に入ってる。4歳でこれかよ!とほとほと感心致しました。抱きしめたり、チューしたりしまくりで。これが日本の保育園なら、親怒鳴り込みだね(笑)。これまた、日本との文化的差異を大いに感じたのでございます。

お母さんに会いたい一心のポネットちゃんに最後に奇跡が訪れる。このラストも良かったです。切なくて切なくて、魂までどっかにいっちゃいそうな彼女がどうしたら元に戻れるんだろうって考えたら、これしかないですもん。うまくまとめすぎ、なんて意見もあるみたいだけど、そうかな。私は非常に納得でしたよ。

ヴィクトワール・ティヴィソルちゃん、いったいこの先どんな女優になるのやらと思っていたら、「ショコラ」で発見。親の都合で旅を続けなければならない悲しさを好演していました。やはり、この子は元が泣き顔だからか、切ない表情がいいんですねえ。

レイクサイド マーダーケース

2006-09-19 | 日本映画(や・ら・わ行)
★★★★ 2005年/日本 監督/青山真治
「舞台劇の趣きを楽しむ」


原作「レイクサイド」は読んだのだけど、正直他の東野作品に比べて、サスペンスとしてのトリックも、人間描写も今ひとつだと言わざるを得ない。このオチって、結構ミステリファンには「ありがち」な設定じゃない?ところが、である。映画で見てみると、何とも言えない居心地の悪さが妙な余韻を引きずる作品である。

この作品は、キャスティングがうまい。はまるべきピースにぴったりのものが収まっている。確かに「この人がこんな役やるの?」というアンマッチな組み合わせは、成功した時に予想以上の喜びを生む。しかし、ぴったりの役をぴったりの役者が演じる場合そこに驚きはない。それでも、面白い。

まず、何考えてるかわからない家庭教師の豊川悦司。もともと色白で細面の顔が夜の湖畔で浮かび上がるとさらに不気味。(言っておきますけど、私トヨエツ大好きですから)なんか、コイツくさい!というミスリーディングをしっかりやってのけてくれます。

それから、柄本明。飄々と死体処理をするあたりが、いかにも柄本明。言ってることめちゃくちゃだけど、何だか坊主の悟りを聞いてるみたいでつい言うこと聞いちゃう。

そして、薬師丸ひろ子。この人案外、性悪女が似合う。ちょっとツンとした顔立ちで、人当たりはいいが腹の底では何考えてるかわかんない女が妙にハマる。

で、真打ち役所広司。俺のいないところで何があったんだよーっと叫び、もがき、悩み、頭をかきむしる。その暑苦しいことこの上ない。この人が焦れば焦るほど、見ているこっちもじっとり汗かいたみたいに湿っぽくなる。役所広司が狼狽し、あわてふためき、もがく。それを見るためにこの映画が存在している。そう言ってしまってもいいくらい。だんだん、その慌てている様子がコメディじゃないか、という気すらしてくる。

お受験のためにわざわざ合宿まで同行してくる両親たち。だが、最終的に誰もが「自分の子供のことがわからない」と言う。そこにあるのは、つかみどころのない親と子の距離感。こういうモチーフは、他の東野作品にもよく出てくる。親と子の間に流れる大きな川。ただね、映画ではこの話がすごく唐突に感じるんだな。いきなり、しんみりしちゃって、ちょっと残念。この気持ち悪い不気味さでラストまで突っ走れなかったかな、と思う。

ミステリーだと思って見るとたぶん物足りない。むしろ、役者の魅力を引き出した舞台劇みたいな感覚で見れば、堪能できる。原作を読んでいた私は、はなから後者の気持ちで入ったのが幸いした。

ファイト・クラブ

2006-09-18 | 外国映画(は行)
★★★★☆ 1999年/アメリカ 監督/デビット・フィンチャー
「予想外のラストまで突っ走れ」


ジャックは不眠症のヤング・エグゼクティブ。そんなある日、自宅が謎の爆発事故で全壊し、偶然知り合ったタイラーという男の家に同居することになる。宿泊の条件として自分を殴るように頼むタイラー。殴り合いを続けるうちに見物人が増え、やがてタイラーは素手でケンカすることを目的とする"ファイトクラブ"の設立を宣言する。そしてクラブは組織化され、次第に過激な方向へと進んでいく…。

ジャックは、物質社会にまみれた典型的なヤッピーだ。金はあるけど満たされない。そんなジャックをユーモアいっぱいに皮肉ってみせる。ブランドモノのバッグを買うために体を売る女子高生から、給料のほとんどをつぎ込んで外車を買うサラリーマンまで、日本人だって物欲にまみれている。ジャックはそこらじゅうにいる。だから、タイラーが熱弁をふるう物質社会批判には誰もが惹きつけられる。

また、ジャックが空虚な心を癒すために毎夜いろんな「患者の集まる会」に顔を出すというエピソードもとても興味深い。病気と向き合っている人の中にいると「生を感じる」。人はぬるま湯の中では生きる実感を味わえない。そこでジャックが目覚めたのは、殴り合いによる自己確認という方法だったのだ。

タイラーが、ファイトクラブをしきるその様は、まさに「カリスマ」。生きてる実感をストレートに伝え、体を張って男どもに証明する。演じるのは、ブラッド・ピット。カッコイイね~。最近は不良がすっかり板に付いてる。「ジョー・ブラックをよろしく」の王子様みたいなブラピも好きだったけど、もう年だから無理かな。

ファイトシーンも迫力あるし、映像のテンポもいいし、青みがかった無機質な映像トーンも映画の雰囲気にぴったり。ぐいぐい引っ張りますね。さすが、デビッド・フィンチャー。暴力がテーマでも、女子の私もすっかり楽しめましたよ。そしてラスト30分で謎の男タイラーの正体が暴かれびっくり仰天。素直に騙された私です。(大概、オチが読めずに素直に騙されるいい観客です、ワタクシ)

エンドロール、エドワート・ノートンの役名は、ジャックではなく「ナレーター」。ってことは、ジャックは存在しないの?誰かさんの頭の中の妄想を映像化したってこと?などなど、謎は深まるけど、それもまた良し。オチを頭に入れつつ、もう一回みようかな。

ゲンノショウコ

2006-09-17 | 四季の草花と樹木
我が家のあちこちに、一面鮮やかな紫色の花が敷き詰められるように咲いている。

こんなに派手ではっきりした花だから、すぐに花の名前がわかるだろうと思い、図鑑をぱらぱらめくるが、見つからない。おかしいなあ…

もう一度最初から最後のページまで見る。ない。絶対おかしい!

もう一度最初から見る。今度は葉っぱに注目してみる。ああっ!もしかして、これかも。

写真の花は真っ白だ。しかし、葉の形がそっくりだ。間違いない。関東近辺は花が白いものが多い。と書いてある。どうりでわからんはずだよ~。西日本には紅紫色の花が多いと書いてある。白と紅紫色じゃ全然印象が違う。

下痢止めなんだって。飲むとすぐに効くから「現の証拠」。へえ~。


なんかそこいらにぼうぼう生えてますよ。今度おなか痛くなったら試してみるかな。


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ほえる犬は噛まない

2006-09-16 | 外国映画(は行)
★★★☆ 2000年/韓国 監督/ポン・ジュノ
「最後までつかみどころがなかった」


いやあ、最後までピント合わなかった。面白くなるんか~っと思ったら、すーっと引いていく。個々のシーンで観れば面白いところはいくつかある。

私が一番面白かったのは、管理人がボイラー室で話す「ボイラー・キムシー」の語りのシーンだ。上司に犬鍋が見つかるのを避けるため、話題をそらそうと始めるボイラー室の幽霊話。長いんだ、ここ。どうでもいい話をえんえんやってて、しかも、ストーリーと後で絡んでくるのかと思ったらそうでもない。管理人のおっちゃんの「ウィーンウィーン、じゃなくて、イーンイーン」と何度も繰り返す、とっぽい感じが面白い。

そして、ペ・ドゥナの友人、コ・スヒが路上駐車している車のドアミラーをでぶっ壊し、そのドアミラーをペ・ドゥナが電車の中で大事そうに抱えているシーンや、主人公イ・ソンジェがコンビニまでの距離をトイレットペーパーで測るシーンなど。非常に印象に残るシーンはある。だけども、それが最終的にひとつの作品として語りかけてくるかというと、私には物足りなかった。

賄賂するお金がなくて教授になれない大学助手は犬の鳴き声にイラついている。団地の事務員として働く女の子は、自分の存在価値を確認したがっている。そこにあるのは、現状の鬱屈感なんだろうけども、それが爆発するかと言えばそうではなく、コミカルなエピソードで進行していく。その軽いタッチが私の好みじゃないんだ。見終わった後のこの煮え切らない感は何だろうなあ。たぶんね、タイトルがすごくそそるんだ。それで、すごく期待しちゃったのが失敗のもと?なんて、タイトルのせいにしたりして。

スカーレットレター

2006-09-15 | 外国映画(さ行)
★★★★ 2005年/韓国 監督/ピョン・ヒョク
「濃密」


二転三転する殺人事件の真相と、主人公ギフンを取り巻く女たちが持つ秘め事が複雑に絡まり合う、ラブサスペンス。ある殺人事件をきっかけに担当刑事の愛欲の世界に変化が現れ始める、といった最初の1時間くらいの展開に、なんだかフランス映画みたいだなと感じた。ところがどっこい。後半の30分、血みどろの世界に突入し、とんでもない狂気の世界が繰り広げられる。愛を欲するねばり強さが「韓流」だと言ってしまえば確かにこの作品も韓流なんだろう。しかしこの予想外の展開、なかなか悪くない。

「オペラを熱唱し愛車で疾走する男」「ヌードを撮らせる写真館の女」「猫を飼い瀟洒なマンションに住むジャズシンガーの愛人」そして「チェリストの貞淑な妻」。愛と性を軸に絡まり合う1人の男と3人の女なーんて、まさにヨーロッパ映画的なテイスト。一歩間違うと、どんなに気取ってもアジア人はフランス人にはなれねーよっ!って突っ込みが入るんだけども、なんとかこの作品は耐えてる。写真館の女主人に自分のヌードを現像させる男ってのもね、なかなかいい設定ですよ。

そして、何度も出てくるのが「中絶」というキーワード。女主人は何度も中絶しているという噂があるし、妻は男に黙って中絶した経験がある。そして、原題のモチーフともなっている「不倫」=「姦通」。これらのインモラルな事象が最終的にはあの「トランクの中の悲劇」として結する。最後のトランクのシーンは、本当に壮絶だしショッキング。愛人は男をどこへも逃げぬよう、自分のものにするためトランクを閉めたのかな。

さわやか男のハン・ソッキュが、今作品ではナルシストで我が侭な自己中男を見事に演じている。取り巻く女たちとのラブシーンも鍛え上げた体で堂々とこなしている。愛人役のイ・ウンジェ、ラストの悲壮な結末はやはり彼女の死と重ね合わせずにはいられない。車のトランクの中という極めて閉鎖的な空間で繰り広げられるふたりの演技には、本当に頭がおかしくなってしまいそうなほどの狂気がにじみ出ていた。そこで初めて告白される、男の愛人と妻との隠された関係。状況が状況なだけに、その告白も大きな衝撃を与える。

イ・ウンジェの遺作としてこの作品のレビューを書いたらまた違う内容になるんだけども、私はひとつの映画作品としてレビューを書いた。それだけの作品世界を持っている映画だと感じたからだ。