Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

真夏の方程式

2014-09-16 | 日本映画(ま行)
★★★★ 2013年/日本 監督/西谷弘

いやあ、カメラがいいじゃないのぉ~~。
と思ったら、カメラマンが柳島克己。北野組の人じゃんか。なるほどなるほど。道理でね。
引いたショットが多くてすごく落ち着く。
作品全体もすごく抑制がきいている。
決め台詞もなく、ドラマの音楽もなし。
前作「容疑者Xの献身」とは別物。
ガリレオ臭をことごとく排除した構成に大変好感が持てるのでした。
これは映画館で見るんだったな。

イントゥ・ザ・ストーム

2014-09-15 | 外国映画(あ行)
★★★ 2014年/アメリカ 監督/スティーヴン・クエイル

(映画館にて観賞)

いわゆるPOVってやつなんだけど、やはり私はこれは誰の目線なんだ?というのが終始気になった。
この作品の場合は、カメラを持っている人間が、
主人公、主人公の弟、ストームハンターのカメラマン(それがふたりもいる!)、youtuberとたくさんいるから、
今の映像はこのうちの誰かだよと辻褄が合うように作っているわけだけども、
どうもそれがPOVを成立させるための作り手の誤摩化しにしか見えない。
災害が起きてパニックになるという演出を盛り上げるのにはPOVはもってこいなんだろうけど、
カメラの持ち手が多いことが、自然に作品にのめり込むことを邪魔してしまう。
尺が短くてコンパクトに人間模様をおさめているのは、良かったけどね。

ダラス・バイヤーズクラブ

2014-09-14 | 外国映画(た行)
★★★☆ 2013年/アメリカ 監督/

(DVDにて観賞)

マコノヒーの痩せっぷりはすごい。
その辺は一見の価値ありだろうけど、
演出や映像で「おおっ!」となったところがあったかというとこれがあまりなく。
マコノヒーがメキシコの病院で大量の蛾が飼育されている部屋に入るシーンくらいかなあ。
いわゆる絵で何かを見せるという意図を感じられたのは。
南部男どもの偏見のくだりも、割と想像通りというか。
せっかくロデオといういい題材があるのに、もう少しそこでいい映像ができないかなあ。
マコノヒーの体以外で驚きのない脚本だった。ちょっと肩すかし。
作品賞も脚本賞も取れなかったのに納得。

ブリングリング

2014-09-13 | 外国映画(は行)
★★★★ 2013年/アメリカ 監督/ソフィア・コッポラ

(DVDにて観賞)
貴族出身のヴィスコンティが貴族を描けるように、
セレブなソフィアコッポラだからこそ、セレブの実態を描けるということ。
ブランド品を盗みまくり、悪いこととも思わず、FacebookにUPしているティーンエイジャーも馬鹿だけど、
彼らを取り巻く大人もどっこいどっこいで。
アメリカは病気です!すんません!っていうね。

例えばさあ、男たちが集まって、汗かいて、頭使って金塊強奪するとかいう話があるじゃない。
井筒監督の「黄金を抱いて飛べ」みたいなさ。あれとはもう、真逆なわけよ。
適当にビバリーヒルズの邸宅を夜の散歩してるだけで3億とかすぐに盗めちゃうんだから。
なんかもう、厭世の感。だね。

若者を諭すわけでもなく、鉄槌を下すわけでもない。
やっぱ私はソフィアコッポラ好きだなあ。この醒めた視点が。

ソウルガールズ

2014-09-12 | 外国映画(さ行)
★★★ 2012年/オーストラリア 監督/ウェイン・ブレア

(DVDにて観賞)
舞台は戦時中のベトナムだが、
いろんなところが「ドリームガールズ」とかぶりまくりで、ちょっとしらけてしまったのだった。
ここまで一緒にせんでもええやん。
畳み掛けるソウルミュージックの数々は堪能。
普通にいい映画でした。でも、感動で号泣、とか、ないなあ。。。
サファイヤズのメンバー、一人ひとりの個性が弱いよね。魅力に欠ける。
戦争慰問の過酷さもさほどなく。なんか、さら~~~っと終わってしまったのでした。

ファミリーツリー

2014-09-11 | 外国映画(は行)
★★★ 2011年/アメリカ 監督/アレクサンダー・ペイン

(DVDにて観賞)

妻に浮気されてあわてふためく夫なんだけど、
ジョージクルーニーがカッコ良すぎて、どうもピンと来ないなあ。
とかいって、あんたもしっかり愛人のひとりやふたりいるんでしょ?て見えちゃう。
まあ、ハワイの景色は本当に美しくて、和みます。
仕事一筋ゆえに子どもたちとも関係が悪く、しかし、妻の事故をきっかけに家族の絆を取り戻す、と。
よくあるアメリカ映画をハワイでやってみました!という感じでしょうか。
家族同士のちょっとした誤解、新たな気づき、そういったものは誰が見ても共感できる作品ではないでしょうか。
同じような語り口で、ジェイソン・ライトマンが思い浮かぶんだけど、
私はアレクサンダー・ペインより断然ジェイソン・ライトマンが好き。
映画の語りかける力がなんか違うのよ。

ジャンゴ 繋がれざる者

2014-09-03 | 外国映画(さ行)
★★★★☆ 2012年/アメリカ 監督/クエンティン・タランティーノ
DVDにて観賞

むちゃくちゃ面白かった。
奴隷制度という深刻な問題をこんなに笑って、楽しめる作品に仕上げるタランティーノはやっぱ凄い。
セリフがシャレてる。演出がキレてる。役者が巧い。音楽はいつものごとく極上。
文句の付けようがありませんね。
146分もあっという間。
役者はみんなすごーくいいんだけど、私のツボだったのは、サミュエルLジャクソンだなあ。
だって、しばらくサミュエルだって、わかんなかったんだもん。
この人、キャラ勝ちしてる俳優かと思ったけど、こんなに巧いのね。
恐怖の怪作「マンディンゴ」を先に見ていたのも良かったな。