Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

パラサイト 半地下の家族

2020-01-25 | 外国映画(は行)
★★★★☆ 2019年/韓国 監督/ポン・ジュノ

豪邸侵入後の二転三転の転び方が秀逸。
ただ、貧困と富裕の対比や小道具やセリフが示すメタファーの意味。何もかもがバランス良く、わかりやすく収まり過ぎではないか。格差社会の矛盾を描いているが映画自身は全く矛盾も破綻もなく美しいという違和感がぬぐえない。作品全体が洗練されすぎといったら難癖みたいかもしれないけど。

ソンガンホの顛末もなるほどそう来たかと膝を打ちたくなるような面白さ(本作がエンタメとして一級品なのは間違いない)だが、そんな大喜利に感心するような感動よりも胸がザワザワする読後感を持つ他のポンジュノ作品の方が好みだ。母なる証明のバスのラストシーンのようにショットで泣きたかったし、殺陣の追憶みたいな胸のざわつきを感じたかった。

アースクエイクバード

2020-01-22 | 外国映画(あ行)
★★★☆ 2019年/アメリカ 監督/ウォッシュ・ウエストモアランド

美女っぷりを完全封印し地味な陰キャ女に徹したアリシアに感心。死に怯える女が自ら死神を呼び寄せる不穏なストーリー展開にも引き込まれる。しかし、こんな暗い話とは意外だった。いい意味でアジア人らしいルックスの小林直己は存在感も抜群。こりゃハリウッドに好かれそう。

さすがNetflixの資金力。東京ノワールとしても十分楽しめる映像になっていて、何度か映画化の話が持ち上がりつつも実現しない村上龍の「インザミソスープ」もNetflixなら魅力的な作品に撮ってくれるのではないか。そんなことを思った。佐久間良子のキャスティングも憎い。

ドクター・スリープ

2020-01-05 | 外国映画(た行)
★★☆ 2019年/アメリカ 監督/マイク・フラナガン

尺が長い。
タイトルにもなってるんだからDr.スリープとして働いている所から始めれば良かった。
しかも、Dr.スリープって、すごい面白い仕事じゃん。父親に殺されかけ、ろくに自己実現もせず、大人になってしまった、いわゆるアダルトチルドレンのダニーが死を間近にした人と交流できるなんてさ。なんで、ここもっと広げないの。
ラスト決戦地はOverlook Hotel!ってのもホラー対戦として見れば楽しいんだろうけど、怪物対決よりダニーのトラウマ克服をもっと深堀りして欲しかったなあ。
期待しすぎた自分が悪い。