Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

アップロード ~デジタルなあの世へようこそ

2020-09-23 | TVドラマ(海外)
★★★★

1話30分。軽いノリでサックリ見始めたらなんのなんの実に面白い。生前の記憶を吸い取って死後のバーチャル世界に生き続ける。近未来のディテールが現在と地続きでリアリティ満載。死んだ人との恋愛模様なのにちゃんとトキメキもある。これは良作。

ナルコス メキシコ編 シーズン1

2020-09-17 | TVドラマ(海外)
★★★☆

やはりディエゴルナでは線が細い。エスコバルやカリカルテル相手だとまるで蛇に睨まれた蛙。 しかし猥雑なメキシコの街、山一面に茂る大麻草、容赦ない銃撃戦など、現地ロケの映像は圧倒的に雄弁。様々なリスクに晒され現地撮影しているのがひしひしと伝わり震える。

政府、州警察、地元警察、軍、麻薬取締局。 全ての組織が賄賂を受け取りカルテルのために働く。 全部だよ、全部。そのため、組織間の駆け引きの醍醐味が弱く感じられる。ドラッグ作ってる奴も悪いが、やっぱり一番悪いのは何もしないで中抜きする奴だよな。という万国共通の怒りを再確認。

しとやかな獣

2020-09-15 | 日本映画(さ行)
★★★★★ 1962年/日本 監督/川島雄三

最高やねん。金しか頭にない欲望むき出しの人間が織りなすブラックコメディ。公営団地の部屋で展開されるカメラアングルの多彩さ。あんなアングル!こんなアングル!狂言でダンス、階段上り下りシーケンスのアバンギャルドさ。唯一無二の作家性に触れた時に勝る映画鑑賞の悦びはない。



コブラ会 シーズン1・2

2020-09-12 | TVドラマ(海外)
80年代の価値観を引きずったオッサン、ジョニー。悪役の再生物語ではあるが、そこに今を生きる若者の青春ストーリーが重なっていく。展開はベタだし、ユルイところもあるがそこも込みで愛でるドラマかと。35年前のキャストが再び全員参戦しているというのが熱いね。

ダメ中年オヤジのドラマって、すでに一つのジャンルだよね。おっさんがダメであるほど滑稽で、人生の生き難さや伝わってくるし、こんなオッサンが頑張ってるんだから俺にもできるみたいな勇気ももらえるし。S2からポール・ウォルター・ハウザーも参戦で、かなりヤツに持っていかれる。笑

search/サーチ

2020-09-04 | 外国映画(さ行)
★★★★ 2018年/アメリカ 監督/アニーシュ・チャガンティ

公開時にいたく感動し、ネトフリで再鑑賞。PC画面だからこそ、複数物語を同時進行させ観客に理解させられる。これやっぱ大発明じゃない?カットを切り替える必要ないんだもん。しかも、PC画面に寄ったり、引いたりすることで情報の強弱をつけて観客をエモーショナルにさせるのが巧い。

ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男

2020-09-03 | 外国映画(あ行)
★★★ 2017年/イギリス 監督/ジョー・ライト

何もかもが断片的。同じ戦時会議を描く日本のいちばん長い日という傑作があるが緊迫感が比べ物にならない。戦うのか、和平か。もちろんヨーロッパの行く末を握る数日間とは思うが駆け引きがぬるい。Gオールドマンこれでオスカーか…と溜息。

ヒットさせたいのはわかるが「ヒトラーから世界を救った」というサブタイを付ける感覚がわからない。それはあくまで結果論ではないの。タイピストと妻の存在が添え物なのも気に入らない。出すならもっと活かしてほしいよ。クセのある役多いC・S・トーマスだから何かあるはずと最後まで期待したのに。

フルメタル・ジャケット

2020-09-01 | 外国映画(は行)
★★★★☆ 1987年/アメリカ 監督/スタンリー・キューブリック

人殺しこそ正義という狂った状況下で青年たちの精神は蝕まれ、やがて己自身が狂うことで精神の安寧を得る。 いわば「時計じかけのオレンジ」戦争編。殺戮後の焼け野原でミッキーマウス行進曲を歌う主人公はアレックスだ。

Fワードを始めとする卑猥で醜悪な号令で訓練を行うハートマン軍曹は地獄の黙示録のキルゴアと双璧のインパクト。キャラ立ちが凄い。戦後、彼の末路がどうなったのか、めちゃくちゃ気になる。ラチェットをドラマ化したんだから、Netflixがハートマンのその後とかドラマ化してくれないだろうか。