★★★★ 2021年/日本 監督/前田弘二
女子高生と塾講師のバディムービーというありそでなかった新ジャンル。しかも成田凌がモテない理系男子をこんなにうまく演じるとは。彼の引き出しの多さに感服。一方、小泉孝太郎の中身うっすーい男の安定感よ。最小限登場人物のアンサンブルがとても居心地よかった。
★★★★☆ 2019年/日本 監督/西谷弘
(映画館)
その2人の心の揺れがしっかりと描き出されていた。原作読了後、洋子をイメージしたのは中谷美紀だったが石田ゆり子だったからこの儚さが生まれたのかもしれない。未来が過去を変えるという原作のメッセージにとても共感した、あのときの高揚感に再び浸った。
蒔野と洋子、それぞれにコップを握りしめるシーンがあり、分別のある大人だからこそそれをしないのだと見せる。本作はこうした映画的に豊かな表現にあふれている。かつ、これらが安易な心情表現へのアンチテーゼとも受け取れるのではないか。
福山雅治のターニングポイントは西谷弘監督の「真夏の方程式」だと思っていて、本作で再びタッグを組みさらに俳優としての魅力が増したと感じた。特に微細な表情の変化。なぜ1度しか会っていない女を運命の人と思ったかは冒頭の彼の演技力でしか観客を納得させられない。とても困難な役だったと思う。ギターが弾けるという点においても福山雅治の起用は大正解だったね。