Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

イカロス

2018-11-29 | 外国映画(あ行)
★★★☆ 2017年/アメリカ 監督/ブライアン・フォーゲル

(Netflix)

当初の企画が思いもよらぬ方向に…というスリリングさはあるものの、「ドーピングしているにも関わらず検査をすり抜けられることを見せて、現在の検査の有り様を訴える」当初の企画に、ロシア人のグレゴリーが最初からやたらと協力的なことがちょっと不可解。また、グレゴリーとやり取りしているブライアンに悲壮さが感じられず、とんでもない事態になったという逼迫感が感じられない。実際、番組後半ではグレゴリーの同僚がロシアで謎の死を遂げているわけで、事態はとてつもなく深刻なはず。
この違和感の正体は何だろうと思うに、要は編集が巧過ぎるのではないかと。時折挿入されるイカしたイメージ映像やスタイリッシュに構成された人物相関図がNetflixお得意のフェイクドキュメンタリーを想起させるのだ。このやたらと凝った編集がドキュメンタリーのリアリティを損ねてしまっているような気がした。もっとドキドキ、ヒリヒリしたかったんだけどなあ。

瑠璃光院

2018-11-27 | お出かけ
今年の紅葉巡りは瑠璃光院。NHKで放映された「京都人の密かな愉しみ」で見てぜひ行きたい!と思ったのだが…なんで、こんなに人多い!?特に中国からの観光客の多さったら、尋常じゃない。現地に10時に着いて、入場チケットが12時。2時間の待ち時間は周辺を散策。確かに庭は極上の美しさだけど、書院の机に映り込む紅葉写真を取る人が場所を陣取っていて、全く動かない…。とにかく中も人が多く、もっとゆっくり見たかったというのが正直な感想。あまりに疲れたので、1500円払ってお茶室でお抹茶をいただいたわ…。庭を見に来ているのか、写真を撮りに来ているのか…。まあ、後者の人が大半なんだろうなあ。とにかく疲れた。来年はもっと穴場を探して行かねばなるまい。

マダム・フローレンス! 夢見るふたり

2018-11-26 | 外国映画(ま行)
★★★ 2016年/イギリス 監督/スティーヴン・フリアーズ

(Amazonプライム)

夫婦が住むNYの高級マンションの室内や毎日変わるフローレンスの衣装が実に豪華。この再現ぶりはすばらしい。相当のお金持ちであることが美術で納得させられる。愛する人が人々に嘲笑されているのを知ってなお、それでも思いを遂げさせてやりたいというシンクレアの愛をどう思うか。それが本作の味わいどころだろう。下手な歌を聴かされる聴衆のことなど、知ったこっちゃない。ただ、ひたすら妻の願いを叶えてやるために実行、画策する男、シンクレア。その熱意の裏側には愛人を持つ引け目もあるのだろう。W主演ゆえ難しかったろうが、いっそのことシンクレアをきちんと主人公に据えて彼の内面を描写する作品であれば良かったと感じた。

われらが背きし者

2018-11-24 | 外国映画(や・ら・わ行)
★★★☆ 2016年/イギリス 監督/スザンナ・ホワイト

(Amazonプライム)
巻き込まれ型サスペンスで、ジョンルカレが原作となると、ある程度面白さは担保されたようなものなのだけど、どうにも物足りなさが残る。それは、ユアンマクレガーが演じるペリーという男の人物像があまり見えてこないからだ。冒頭、いきなり縁もゆかりもないロシア人から命がけのUSBをいとも簡単に受け取ってしまうのだが、それはきっと彼が有能な弁護士である妻と比べて実務には何の役にも立たない「詩」を教える大学教授であることの引け目から来るのだろうと想像できる。しかも、教え子と浮気をして妻にも見放されているらしい。そうした焦燥感やら、男の意地が彼をスパイを助けるというどでかい事件に首を突っ込ませてしまったのだろうと推測するわけだけど、そんな彼の迷いや葛藤、または事件を通した成長というのが、その後あまり描かれないんだよね。むしろ、上司の意向を無視して作戦を実行するM16のヘクターの方がそうした深みが出ていた感じ。ロシア、マラケシュ、ロンドン、パリ、スイスとめくるめくヨーロッパ紀行の映像はとても美しかった。

2010年

2018-11-20 | 外国映画(な行)
★★★★ 1984年/アメリカ 監督/ピーター・ハイアムズ

(NHK-BS)

2001年の熱狂的ファンからすると、いつのまにやら「見なくていい映画」に位置づけされていたわけだけど、
今年70mmフィルム、IMAXと立て続けに2001年を観賞したわけで、タイミングよくNHK-BSで放送。もう見るしかないよね。
というわけで、早々にロイシャイダーは全然フロイド博士とはイメージ違う!とアッパー食らう。
ヘレンミレンとジョンリスゴーが出てたんかいな…と驚きの連続である。いかに自分が本作を無視して来たかを痛感。
それにしても、BSクオリティなのか、映像が美しい。さすが2001年を8K放送するだけのことはあるよ。
HALとディスカバリー号が無地に成仏したのを見届けられたのは良かった。HALを見捨てたボーマンが戻ってきただんだね。うん、これは泣くな。
ヒューマンドラマ的演出がもっと抑えられていれば、もっと良かったんだが。
2001年の謎解き映画と思えば、その役割はきっちり果たしているので、「見なくていい作品」ではなかったね。反省。

search サーチ

2018-11-09 | 外国映画(さ行)
★★★★ 2018年/アメリカ 監督/アニーシュ・チャガンティ

物語がすべてパソコンの画面上を捉えた映像で進行していくサスペンススリラー。
PC画面のこちら側はどう描写するの?と思ったらFaceTimeと来たか!Windowsのユーザー機能を使って家庭に起きた出来事を見せる導入部も鮮やか。SNSの暗部も見せるがそこを誇張しないのもいい。何よりミステリーとしてもよくできており脚本がすばらしい。予想以上の面白さ!

ハウスオブカード  シーズン6

2018-11-06 | TVドラマ(海外)
これじゃ政治劇ではなく殺人劇。クレアの過去を紐解いて深みを出したいのはわかるけど、アネットの存在とかあまりに唐突。芝居もロビンライトの独壇場が過ぎる。とはいえ芝居も撮影も一流だから見ちゃうんだけど。8話は少ないし、あれで完結って言える?ケビンスペイシーの離脱が返す返すも残念。
異常にクオリティ高いドラマだったのにこんなラストになるなんて。

アトミック・ブロンド

2018-11-04 | 外国映画(あ行)
★★★★★ 2017年/アメリカ 監督/デビッド・リーチ

なんで映画館で見なかったんだと激しく壁に頭をぶち付けたい。オープニングのニューオーダーで満点だよ。80年代ニューウェーブサウンドも選曲が渋い。ピンヒールでキメキメの姿も痣だらけで戦う姿も全部全部シャーリーズセロンが最高だ。惚れてたけどもっと惚れた。