Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

オーメン

2012-03-31 | 外国映画(あ行)
★★★★ 1976年/アメリカ 監督/リチャード・ドナー
(DVDにて鑑賞)

「息子を手にかける父の苦悩」


古典ホラーを見たくなって、「エクソシスト」に続けて観賞。
「エクソシスト」よりは面白かった。
これは、「悩める父」の物語であるということ。
そこに絞っているのが、すごくいいんだな。
グレゴリー・ペックの抑制の効いた演技がとてもいい。

悪魔が取り憑く話の場合、なぜその人に取り憑くのか、取り憑いた上で何がしたいのか
という理由や目的を探しがちなんだけど、このオーメンはその辺がとてもわかりやすい。
悪魔の目的は世界征服ってんだから、ちょっと吹きそうになる。
まあ、こうした悪魔が人間のカタチをして、人間たちを制服するってのは、
現代風に言えばエイリアンが地球を攻撃しにくるというストーリーと構造的にはほとんど一緒で、
いかにも西洋的な展開である。

公開当時から今に至るまで悪魔の子「ダミアン」というシンボリックなイメージは
ずいぶんひとり歩きしているんだな、と映画を見て思う。
ダミアン自身は映画の中で、エクソシストの少女のように首が回ったりする強烈なシーンがあるわけではない。
ちょっと目がギラギラと妖しげな表情を出すこともあるけど、
この少年の存在そのものに恐怖を感じることはほとんどない。
だからこそ、最終的に「子殺し」を実行しなければならない父の苦悩が観客にひしひしと伝わってくるんだろう。

また、悪魔の仕業で人間が死ぬシーンは、見せ方がとてもシンプル。
死は突然やってくるって感じでなかなかクールだな、と思った。



3時10分、決断のとき

2012-03-30 | 外国映画(さ行)
★★★☆ 2007年/アメリカ 監督/ジェームス・マンゴールド
(DVDにて鑑賞)

「やっぱ私はだめんずだわ」

逮捕された強盗団のボスと、報酬目当てに彼の護送を請負った借金苦の男が
道中で繰り広げる複雑な心の交流を骨太のドラマと迫力のアクションで描き出す。
男の美学、正義、友情などがそこかしこにかいま見え、
うん、いい映画だ。いい映画なんだけれども、なーんかつまんない。
だって、みんないい人なんだもーん!
ギャングのボス、ウェイド(ラッセル・クロウ)にしたって、ワルの中のワルなんだけど、
エヴァンス(クリスチャン・ベイル)の正義感にほだされそうになっちゃたりして、
この人いい人じゃあ~ん。

こういう渋い男の対決って、好きな人は好きだと思うんだけど、
私には真っ当すぎて向いてない。
やっぱ、だめんずがグズグズしているような映画が好みだなあ。
クリスチャン・ベイルはかっこいいけどね。