★★★ 2002年/アメリカ 監督/ポール・トーマス・アンダーソン
「アダム・サンドラーをよく知らないもんで」
コーエン監督の「バーン・アフター・リーディング」もそうらしいのですが(未見)、P・T・A監督も俳優自身が元々持っているキャラクター、その虚像とリアルを巧く織り交ぜながら撮るタイプの監督ではないでしょうか。いちばんわかりやすいのは「マグノリア」におけるインチキSEX啓蒙家を演じたトム・クルーズ。なので、この「パンチドランク・ラブ」という作品も、アダム・サンドラーという役者が世間的にどういうイメージなのかわかっていればより楽しめるのかも知れない。おそらく、すぐにキレてしまう男、という設定がアダム・サンドラー自身のキャラとのギャップを生んでいるんだろうと。まあ、そうして推測するしかないわけです。
突然キレる、突拍子もない事件に巻き込まれる、こうした「なんで、そうなる?」が連鎖反応的に次々起こる展開は、いかにもP・T・A監督らしいのですが、そのノリを楽しめないのは、やはりアダム・サンドラーがしっくり来ないからなんですよねえ。ギャグの連発がどれもこれもスベってて、だんだん虚しい気分に。でも、観客のしらけムードをよそに、あくまでも最後まで受けないギャグを言い続けられてるような気分。何とも不思議な味わいの作品でした。面白いのかも知れないけど、よくわかんなかったなあ、って後味が、ポン・ジュノの「ほえる犬は噛まない」に似ているかも。
「アダム・サンドラーをよく知らないもんで」
コーエン監督の「バーン・アフター・リーディング」もそうらしいのですが(未見)、P・T・A監督も俳優自身が元々持っているキャラクター、その虚像とリアルを巧く織り交ぜながら撮るタイプの監督ではないでしょうか。いちばんわかりやすいのは「マグノリア」におけるインチキSEX啓蒙家を演じたトム・クルーズ。なので、この「パンチドランク・ラブ」という作品も、アダム・サンドラーという役者が世間的にどういうイメージなのかわかっていればより楽しめるのかも知れない。おそらく、すぐにキレてしまう男、という設定がアダム・サンドラー自身のキャラとのギャップを生んでいるんだろうと。まあ、そうして推測するしかないわけです。
突然キレる、突拍子もない事件に巻き込まれる、こうした「なんで、そうなる?」が連鎖反応的に次々起こる展開は、いかにもP・T・A監督らしいのですが、そのノリを楽しめないのは、やはりアダム・サンドラーがしっくり来ないからなんですよねえ。ギャグの連発がどれもこれもスベってて、だんだん虚しい気分に。でも、観客のしらけムードをよそに、あくまでも最後まで受けないギャグを言い続けられてるような気分。何とも不思議な味わいの作品でした。面白いのかも知れないけど、よくわかんなかったなあ、って後味が、ポン・ジュノの「ほえる犬は噛まない」に似ているかも。