Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者

2017-04-19 | 日本映画(あ行)
★★★★☆ 2012年/日本 監督/入江悠

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ラップ仲間を殴って、東京から逃亡するマイティ。
夢を諦めないからの、夢破れて、地獄落ち。
とことん落ちて、逃げ場のなくなるどんづまり状況に胸が詰まる。
うまくいかない歯車がどんどん悪い方へ回る人生の不条理。

そして、ラストのライブシーン。
仁義なき戦いばりの激しいカメラワークが延々続く長回しが最高に素晴らしい。
いったいどれだけのリハを重ねたのだろうか。
これで大興奮していたら、その後またもや拘置所でのラップ長回しの二段階エンディング!
決してうまくはないイックとトムの魂のライムに泣ける。このつたなさこそがリアル。
長回しでこんなに感動したのは久しぶりだ。
「1」はさっぱりノレなかったけど、これは傑作。

リリーのすべて

2017-04-05 | 外国映画(や・ら・わ行)
★★★★ 2015年/イギリス・アメリカ・ドイツ 監督/トム・フーパー

(Amazonプライム)

まずもって1920年代の美しいコペンハーゲンを再現しているハリウッドの美術がすばらしい。
そして、数々の絵画の美しさに目を奪われる。
音楽の力で引っ張る作品があるように、美術で惹き付ける映画も個人的には大好物だ。

リリーの生き方の是非は意見の分かれるところだが、彼の選択が正しかったかどうかは本作の主題ではない。
そのような生き方しかできない2人の愛の物語であり、2人は人生を生ききっている。だから美しい。


お嬢さん

2017-04-03 | 外国映画(あ行)
★★★★☆ 2017年/韓国 監督/パク・チャヌク

(映画館)

予想以上のド変態映画。
片言の日本語で韓国美人が日本のエロ小説を朗々と読み上げ、いたいけな少女がニッポンの放送禁止用語を連発。
これで笑えるのは日本人だからこそ。
まさに日本人が楽しむために作られた映画ではありませんか。
パク・チャヌクから日本人への贈り物。観ないでどうする!

そして「アデル」のレアセドゥも真っ青の濃厚レズシーン。
日本建築や美術の作り込みもこれでもかという徹底ぶりですばらしい。
もちろん、三部作構成のどんでん返しも楽しい。
そして、何よりこれは女性讃歌のフェミニズム映画であるのだ。
パクチャヌクのチャレンジ精神に心からの拍手を贈りたい作品だ。