Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

エジソンズ・ゲーム

2021-06-01 | 外国映画(あ行)
★★★☆ 2019年/アメリカ 監督/アルフォンソ・ゴメス=レホン

電流戦争を程よくエンタメに昇華。このジャンル全く詳しくないので予想以上に楽しめた。性格の悪い科学者ばっかり演じてるカンバーバッチなのに、それでも面白いのは大したもの。偉大な発明も、国家や投資家に振り回されるのは今も同じ。発明と公共性。現代に通じるテーマだ。

しかし、テスラという人はその非業の最期ゆえに魅力的ですね。美しい天才青年。ボウイに続いて、ニコラスホルトのチョイスはナイス。

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー

2021-02-23 | 外国映画(あ行)
★★★☆ 2017年/アメリカ 監督/デビッド・ロウリー

不慮の死を遂げた男。幽霊となり彼女の元に止まる事を決めた…と思ったら、 何この予想外の展開。 セリフのない長回し、たゆたう時の流れ、時空を超える魂。宇宙を見れば人の生死はたわいもない。が、それでも誰かを思うことの切なさがじんわりと心に残る。

あの夜、マイアミで

2021-02-02 | 外国映画(あ行)
★★★ 2020年/アメリカ 監督/レジーナ・キング

当時の黒人社会で多大な影響力を持つ4人のある夜の話。ドライブがかかるまで少々退屈。密室会話劇らしい一触即発のスリリングさも感じられず。確かにその後の彼らの運命に思いを馳せれば感傷的にもなるがこの2時間で胸を掴まれるかというと難しい。絶賛評あふれるが私はノレず。

登場人物がほぼ4人だからこそ、内面をもう少し掘り下げて欲しかったし、彼らの心情を伝える映画的なシーンが必要ではないか。それは歴史的有名人だから省略できるものではないと思う。わざわざ戯曲を映画化するなら、なおさら映画的な快感が必要で、それを感じる瞬間があまりなかった。残念。

エクストリーム・ジョブ

2021-01-25 | 外国映画(あ行)
★★★☆ 2019年/韓国 監督/イ・ビョンホン

落ちこぼれ麻薬捜査班、張り込みのため始めたチキン屋が大盛況。こんなはずじゃねえの笑いのツボ満載、かつアクションキレキレの捕物帳。80年代のアメリカコップ物みたいで、このノリ無性に懐かしい。ボンクラ野郎の寄せ集め感が楽しく、全方位が楽しめるアクション痛快作。
実は俺たち、強かったんです。強引なラストもお約束ですな。

ウルフウォーカー

2021-01-06 | 外国映画(あ行)
★★★★ 2020年/アイルランド・ルクセンブルク 監督/トム・ムーア ロス・スチュアート

水彩タッチの森のシーンの美しさにため息。森とは対照的に街の景色は平安時代の絵巻のような平面タッチ。これが実にユニーク。線もわざと粗さを残し、手描きの温もりを感じる。3DCGアニメが苦手なので、この世界観大好き。

歴史的事実として狼は全滅したことを考えるとラストも切ない。ケルト三部作の完結編とのこと。他作品も見たくなった。

エノーラ・ホームズの事件簿

2020-12-13 | 外国映画(あ行)
★★★ 2020年/アメリカ 監督/ハリー・ブラッドビア

謎解きも中途半端だし、冒険譚も中途半端。女性の自立を盛り込みたすぎて、全部が中途半端。失踪した母がHBカーターで「未来を花束にして」とほぼ同じ役だけにそこの掘り下げ期待したじゃん。あと視聴者に話しかけ過ぎな。この演出好きじゃない。やるなら1回でいい。

悪の法則

2020-11-06 | 外国映画(あ行)
★★★★☆ 2013年/アメリカ 監督/リドリー・スコット

贅沢な暮らしに美しい婚約者。弁護士はほんの少しの好奇心と欲望でドラッグディールに手を染める。地獄行きのボタンを押したらもう止められない。生きることは狩ること。狩る意思のないものは決して狩り場に入ってはならない。警告は全て実現する。世にも恐ろしい伏線回収映画。

狩の女王、マルキナを演じるキャメロン・ディアスが圧巻。裏でカルテルを操る存在だが、最後まで素性は明らかにされないし、組織に属しているのか一匹狼なのかも不明。そのわからなさが最高。だって、この世の中のほとんどを私たちは知らないのだから。

アップグレード

2020-10-12 | 外国映画(あ行)
★★★★ 2018年/アメリカ 監督/リー・ワネル

ブレランやターミネーターなどの名作エッセンス香る近未来SFの秀作。体に埋め込まれたAIチップが自分だけに話しかけてくる…そのシチュエーションはゾッとするものでホラー的面白さも。またその声がHALにソックリというのも2001年ファンには嬉しい。あと、近未来の人は禅がお好き。

イエスタデイ

2020-10-10 | 外国映画(あ行)
★★☆ 2019年/イギリス 監督/ダニー・ボイル

ビートルズのいないパラレルワールドというSF的ひねりを繰り出しておいて設定放置とは…。ちょっと脚本が甘々すぎやしませんか。版権の切れたビートルズをスクリーンでガンガン鳴らしたかっただけなのではと突っ込みたくなる。あと、エドシーラン人が良すぎ。なんでこんな評価高いの。

ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男

2020-09-03 | 外国映画(あ行)
★★★ 2017年/イギリス 監督/ジョー・ライト

何もかもが断片的。同じ戦時会議を描く日本のいちばん長い日という傑作があるが緊迫感が比べ物にならない。戦うのか、和平か。もちろんヨーロッパの行く末を握る数日間とは思うが駆け引きがぬるい。Gオールドマンこれでオスカーか…と溜息。

ヒットさせたいのはわかるが「ヒトラーから世界を救った」というサブタイを付ける感覚がわからない。それはあくまで結果論ではないの。タイピストと妻の存在が添え物なのも気に入らない。出すならもっと活かしてほしいよ。クセのある役多いC・S・トーマスだから何かあるはずと最後まで期待したのに。

アンカット・ダイヤモンド

2020-08-29 | 外国映画(あ行)
★★★ 2019年/アメリカ 監督/ジョシュ・サフディ ベニー・サフディ

なんなの、このわちゃわちゃ感。 クセのあるエレクトロサウンドと暴走する主人公。80年代の角川映画っぽいなあと思ったり。 欲望むき出しでその場しのぎで生きる男。珍しい生き物の人間観察のように観賞。しかしこんな落ちつきない奴、近くにおったらめっちゃ嫌です。

アンダー・ザ・シルバーレイク

2020-08-07 | 外国映画(あ行)
★★★★ 2018年/アメリカ 監督/デビッド・ロバート・ミッチェル

これすっごい好き。犬殺し、陰謀論、妖しげなパーティ。ハリウッドの闇を幻惑的な映像と往年のハリウッド作を思わせるドラマティックな音楽で描く。フクロウ女はリンチだし、追い込まれる男はヒッチコックだね。でも、モノマネにならず独自の世界観がある。

世の中の全ては富豪が操っていて、世界は暗号に満ちている!とかいうネタ大好物です。最後までわからないことも多いし、すっごい変な映画だけどムードに持っていかれる。こういうのは撮れない人には絶対撮れない。サブカル業界人のAガーフィールド。ストイックな役よりこっちのヨレヨレしてる方が好き



ウインド・リバー

2020-07-17 | 外国映画(あ行)
★★★★ 2017年/アメリカ 監督/テイラー・シェリダン

テイラーシェリダンによるフロンティア三部作を締めくくる重厚な作品。凍てつく雪原での殺人事件、先住民差別と石油発掘。アメリカ北部地域の抱える闇が心に重くのしかかる。人種差別と暴力がはびこる地に生まれた宿命には抗えない。宿命を受け入れ強く生きる人たちの姿が切ない。

アス

2020-07-14 | 外国映画(あ行)
★★★ 2019年/アメリカ 監督/ジョーダン・ピール

がっかり。ドッペルゲンガーに襲われるというアイデアだけで走ってしまい細部がなおざり。観念的な存在ならまだしも、具体的な世界があるならその理由や構造についてもう少しきちんと説明されるべき。初見でわかりづらい不親切設計も好みではない。二役を演じた俳優陣の熱演は凄いと思うが。



イコライザー2

2020-07-14 | 外国映画(あ行)
★★★ 2018年/アメリカ 監督/アントワン・フークア

続編になってないと思う。本作の魅力は物静かでインテリで思慮深いマッコールのキャラクター。それがうまく引き継がれていない。そこ肝だと思うのですが。19秒で暗殺シーンもとりあえず入れときましたって感じだし。悪役も登場してすぐにわかっちゃうし。ああ、もったいない。