太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

実験クッキー

2012-01-10 14:16:59 | 食べ物とか
隣家の息子Cが、紙皿に乗せたクッキーをささげもってやって来た。

「クリスマスに焼いたのと似てるんだけど、ってママが」

クリスマスの頃、カードと一緒に手作りクッキーを持ってきてくれた。

その時は、「これ、ママの実験作品なんです」と照れながら渡してくれた。


そのクッキーが、もうビックリするぐらい美味しくて、殆ど私一人で食べてしまったといっても過言ではない。

今度奥さんに会ったら、ぜひ作り方を聞いてみたいと思っていたところだった。




焼きたてのアツアツ。

まわりはサクっとして、中がほろっとして、いくらでも食べられる。

これは私が今まで食べたクッキーの中で一番美味しいのではないか。


オーツ麦と、クランベリーが入っているのはわかるけど、あとは何だろう。


息子Cに、「私がレシピを知りたがってたって伝えて」と言うと、Cは矯正している前歯をむきだして笑い、

「たぶんそれは無理かも、です」と言った。

「どうしてよ?」

「思いつきで家にあったものを混ぜて、砂糖も袋から適当にザーッと入れたりしてるから、レシピなんかないと思うよ」

「でもすごく美味しかったよ」

「シロが美味しかったと言ったよ、とママに言ったら、それじゃまた実験やるか、というんで焼いただけなんです」

「思いつきであんな美味しくできるなんてスゴイよ」

「一応、レシピ知りたがってたって伝えておくけど期待しないほうがいいと思いますよ」


息子Cは14歳だが、ぽっちゃりしていて、遠めから見るとお父さんかと思う。

互いに家を空ける際には、防犯や郵便物を頼み合う仲で

先日、本土にいる祖父母を訪ねて、数日留守にしたあとで戻ってきたCが郵便物を取りにきた。

「向こうはどうだった?」と夫の父が聞くと、

「いやー、初めて競馬場に行きましてね。馬というのは近くで見るときれいなもんですなぁー」


私の翻訳が悪いのではなく、Cは本当に、日本語にしたらこんな口調であれやこれやを話してくれるのだ。


その14歳のオヤジCが、「期待しないほうがいいと思いますよ」と言ったあと、帰りかけて振り向いて

「僕もそのクッキー、大好き」

と言って笑った。

なんだ、やっぱり子供じゃないか、と思って嬉しくなった。