太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

ラーメン

2012-01-25 09:05:37 | 食べ物とか
ハワイには、ラーメン屋が意外とある。

見たところ、日本資本のお店が多いようだけれど、ワイキキを離れると、ロコの人がやっている店もある。

ハワイに来て初めてラーメンを食べた。

ロコの友人が美味しいと言っていた、日本のお店。


味噌ラーメン


一番人気らしい、こってりラーメン(チキンの出汁の味が濃い)



日本にいた時に住んでいた街に、カウンター席だけの小さなラーメン屋があった。

夏はその店の存在を忘れているのだが、冬になって木枯らしが吹き、靴下を履いても足先が冷たいような日には、

どちらからともなく、あの店に行こう、と言い出し、自転車をこいで出かけたものだ。

夫婦だけで切り盛りしているその店は、暖房などなく、カウンターの椅子にすわると、背中の後ろはすぐ引き戸で、限りなく屋台に近い。

自転車をこいで温まった身体も、すぐに冷えて、じんじんする指をこすり合わせていると、湯気のたったラーメンが出てくる。

「ハイ、お待ち!」

夫は、「ハイ、お餅」と言っているのだとずっと思っていたそうで、餅がどこに入っているのか不思議だったらしい。


メニューは、しょうゆラーメンと味噌ラーメン、あとは餃子だけ。非常にシンプル。

カウンター上には、食べ放題のキムチと、入れ放題のニンニクおろしがドカンと置いてあり、それらをこれでもかとラーメンに投入し、あつあつをほうばる。

カリカリに焼けた餃子の中からは、熱いスープが染み出してくる。

すぐに身体は芯まで温かくなってきて、コートを脱ぎ、マフラーを外して、タートルネックの首の中に風を送り込むほどに暑くなってくる。

ものすごく幸せな気持ちで、また自転車に乗って冬の街を帰途につく。




あのラーメンが、果たしてものすごく美味しいものだったかどうかはわからない。

店の雰囲気、あけぴろげな夫婦のやりとり、寒さ、それらの演出があって成り立つラーメンだったかもしれない。

だから、別の場所で、しかも日本以外で、あの味が懐かしくなってラーメンを食べても、同じ感動は得られないのはわかっていた。

それでも、私と夫の脳裏には、あの店の、あのラーメンが鮮やかにあったのは確かで、

「悪くないけど・・・・・違うねえ」

と言いながら、店をあとにした。

わかっていたのに、ちょっとガッカリ。普通に美味しいラーメンだったけれど。








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