太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

お土産

2012-01-27 20:54:20 | 日記
旅先でお土産を買うのが好き、という奇特な友人がいた。

彼女と旅行すると、ハンパなくお土産を買う。これは会社に、これは誰に、そしてこれは・・・

向こうで待ってるよ~、と言って店の外で座っていたら、店から借りた台車にお土産品を乗せて歩いて来たのを見て驚いた。

彼女は、お土産を渡した時の喜んだ顔を見るのが好きなんだと言う。



私だって、家族や友人に何か買って帰りたい気持ちはある。喜んだ顔も見たい。おおいにその気はあるのだが、選ぶのが下手なのだ。

定番のキーホルダーだって、あの人はこういうの使わないだろうなあと思えば、あげても仕方ないし、

置物にしても、どこかに飾らないといけないような重荷を負わせるかもと思えば買えない。

どのみち使う物ということでお箸はどうか、と思っても、いやこれにも好き好きがあるし、と思う。

じゃあ消え物ということで食べ物に落ち着くのも、芸がないような気がするし。

そうやって、手に取っては眺めて戻し、とグズグズやっているだけで、いっこうに決まらない。


お土産は、旅先でもあなたのことを忘れませんよ、という印 と誰かが言った。

だから、どんなものを貰ったかよりも、その人が旅先で自分を思い出して買ってくれた、その行為のほうが大切なのだと。

確かにそうだ。だから、何だっていいのだ。

とは思うものの、やはり買う段になれば、これが相手の手に渡ったあとの想像図が邪魔をして、あーじゃない、こーじゃないと迷う。

そんな、お土産が買えない私でも、お土産をいただくのは大好きだ。

私を思い出して買ってきてくれたことが素直に嬉しいと思う。



日本の観光地には、その場所が一目でわかるお土産品であふれている。

有給をとったなら、会社宛に何か買わねばならず、そんなときには『スキーに行ってきました!』という、行って来ましたシリーズが大変便利だ。

普通のお菓子を会社の同僚の机の上に置く場合、どこへ行ってきたかを聞かなくてならないような、また報告しなくちゃならないようなモヤモヤがあるけど、行ってきましたシリーズなら、あぁスキーに行ったんだな、と思うし、えぇ有給もらってスキーに行ったんですョ、という暗黙の会話が成り立つ。

・・と思うのは私だけか。


実はそれらのお菓子は、その観光地で作られているのではなく、どこかでまとめて作っていて、包装紙を変えているのだという話も聞いたことがある。

そうであったとしても、別に構わないのだ。だってお土産なんだから・・・

買ってきたということが大事で、その中身で私の人間性やセンスが決まるわけじゃないんだし。



義理のお土産は、そんなふうに思えるのに。この気軽さで、本気のお土産も買えたらどんなにいいだろう。



そういえば、ハワイには、そういう行ってきましたシリーズのような、お土産、お土産したものがあまりない。

日本によくあるマスコット(なぜか可愛いのが少ないのはナゼ?)というのもない。


ハワイ島のボルケーノ(火山)に行った時、ここが日本だったら、さしずめ『ボルケーノまんじゅう』とか『ボルケーノ・パイ』、外では温泉卵なんかを売るんだろうなと思ったものだ。

ノースショアの、ノース君とかいって、海亀のマスコットとか、ホノちゃん・ルルちゃんでホノルルちゃんとか・・(あまりに発想が貧相なのでこの辺で自粛)



行ってきましたシリーズの話をすると、みなさんとてもおもしろがってくれる。

そういうものがあることも、休暇をとったら会社にお土産を買わねばならない気がすることも、大変興味深いらしい。

みんな働いているのに、自分だけ休暇をとるのは後ろめたいという思いが、日本人に刷り込まれているのかもしれない。



日本から友人が訪ねてくれる際に、何かお土産を持たせてあげたいと思うのだけれど、これがまた悩む。

日本には、ハワイなんかよりもずーっと美味しいものがたくさんあって、遥かに可愛い雑貨も、便利なものも一杯あるんだから。

かくしてお土産は、私にとってはいまだに悩みどころのままなのである。










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