図書館の一角で、週に2日、本やCD、DVDを安く売っているのだが、
先日そこで、酒井法子のCDを見つけた。
その名前が懐かしく、思わず手に取った。
といっても、私は彼女の歌を何も知らない。
第一、歌手だったことさえ忘れていた。
私が彼女について知っているのは、のりピーと呼ばれていたことと、
夫婦で警察沙汰になった、あの事件だけである。
そして、酒井法子がまだ売れる前、当時私が勤めていたテレビ局の、私の上司が
「酒井法子はそのうちブレイクする。絶対に売れる」
としつこいぐらいに言っていたのを思い出す。
上司の予想は、かつてあたった試しがなく、まわりは「あー、また言ってるワ」と聞き流していたのだったが、
ほんとうに酒井法子はあっというまに売れっ子になり、
上司はそれはもう「ドヤ顔」で局内を歩いていたものだが、私が知る限りそれが最初で最後の大アタリであった。
そんなことを思い出しながら、CDを眺めていたら、
「その人、日本で人気なの?」
と聞いてきた人がいた。
どう答えていいのやら分からず、
「人気があったけど、今は人気というより有名かも」
その人がいぶかしそうな顔をしているので、
「スキャンダルで」
と付け加えた。
「ああ、セレブはスキャンダルはつきものだわね」
どれ一つ知らない曲ばかりが並んだCDを棚に戻し、
いろんな生き方があるけれど、
自分が知らない不特定多数の人が、自分を知っているという芸能人という役もキツイものだなあと思った。
たくさんの人たちの羨望や妬みや、中傷といったエネルギーを一身に受ける、そのダメージってどのぐらいのものだろう。
こんな遠く離れた場所で、ぜーんぜん関係ない私がこんなことを思うのもなんだか変だけれど。
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