正しいプリンへの道 その1
正しいプリンへの道 その2
【正しいプリンが食べたい の巻】
計量単位でつまづき(その1参照)、牛乳で思い切りすっころんで(その2参照)、それでもくじけずにプリンを作る私は、えらいかアホかどっちかだ。
それもこれも、カスタードプリンが食べたい一心であり、
まあなんとかなるだろう、という、いつもの安直な読みもあった。
このレシピで、大昔に2回ほどプリンを作ったことがあった。
2回とも、美味しくできた。と私の記憶にはある。
だから、ちょっと砂糖の計量が変でも、脂肪分の一切ない牛乳であろうとも、卵と牛乳と砂糖を混ぜて蒸せば、プリンになるんじゃないの?と思った。
作り方はものすごくシンプルなんだから。
卵と砂糖を混ぜる。鍋で牛乳と砂糖を沸騰直前まで温める。両方を混ぜる。それを漉して蒸す。
これだけ。
卵と砂糖を混ぜる。これはOK。
牛乳と砂糖を混ぜようと、牛乳をボウルに移した時、「あれ?」と思った。
雰囲気が牛乳と違うみたい。なにがどう、っていうのはわからないけど、色合いとか微妙に、しかし決定的に違う。
嫌な予感がして、作業を中断し、PCで バターミルクとは何ぞや? を調べたのだった。(その2参照)
そこでわかった驚愕の事実。
牛乳からバターをとったカスの液体なんて、何の風味もないんじゃないか、と私は考えた。
で、考えた結果、 分量の半分を豆乳にしてみた 。
今だから言おう。
私よ、なぜ豆乳を投入したのか(ここ、笑うところだから)?
今でもわからない。なぜ血迷って豆乳にしたのか。
思考が停止したときって、自分でも思いもよらない行動に出ることがあって、それなのかもしれない。
とにかく、豆乳を半分量いれて、砂糖を混ぜ、沸騰しないように気をつけながら温め、卵のボウルに少しずつ加えた。
引き出しの奥に、ちっこい茶漉しがあったので、それで卵液を漉そうとするが、漉せない。
気をつけていたつもりが、知らぬ間に沸騰していたのか、牛乳で卵が煮えて、ちっこい茶漉しが1度で目詰まりを起こした。
卵液は、煮えた卵でモロモロが浮いており、
ちっこい茶漉しは、能力以上のことを強いられてイライラしており、
それ以上に私はイライラしながら、それでも根気よくモロモロの卵液を漉した(それに意味があったかどうか、もはやわからない)。
さて、この家に、プリン型などという洒落たものがあるはずもなく、
ましてや私が、どうなるかわからないプリンのために型を購入するはずもなく(その点は自覚がある)
オーブンに入れられそうなものを探したところ、 蕎麦ちょこ が4つあった。
それにカラメルソースを入れてから、漉した卵液を流し込み、まだ少し余ったので、さらに器を探したら、
日本酒の猪口があったので、それに2個作った。
プリンのイメージからは程遠いが、この際仕方があるまい。
蕎麦ちょこのプリン達
150℃で20分、とレシピにはあるが、それは普通のプリン型の場合であって、かなり大きい蕎麦ちょこだと、どのぐらいかかるか見当がつかない。
30分焼成して、爪楊枝を刺してみるが、いっけん固まっているように見えて、
器を傾けると、「んもう、なんなのよぉー」とけだるそうに中身が動く気配がする。
結果、40分余かかって、むりやり完成。
日本酒の猪口のほうを、試食してみた。
・・・・・。
これはなーんだ? と聞かれれば
「プリン?」と答えるだろう。ただし「?」がつく。
卵液時代のモロモロは、そのまま健在していて、それがいちいち舌ざわりのジャマをする。
さんざんジャマをしながら、図々しくもいつまでも口に残って腹立たしいといったらない。
それにやっぱり、何となく中がゆるくて、 これで美味しかったら 一時期流行った生プリン(だっけ?)なんだがな、と悲しくなる。
甘くて卵で、それはプリンなんだろうけれど、なんだろう。なにかが激しく違う。
ビーチに着いてみたら、室内履きのままだったことに気づいたような違和感。
出汁を忘れた味噌汁のような物足りなさ。
麦茶だと思って飲んだら、そばツユだった時のような裏切られ感。
しばし一人で反省会。
何が悪かった、といって、「もうぜんぶ」としか言えない。
正しいプリンへの道は、まるで天竺にあるという桃源郷を目指すようなはるかな旅である。
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正しいプリンへの道 その2
【正しいプリンが食べたい の巻】
計量単位でつまづき(その1参照)、牛乳で思い切りすっころんで(その2参照)、それでもくじけずにプリンを作る私は、えらいかアホかどっちかだ。
それもこれも、カスタードプリンが食べたい一心であり、
まあなんとかなるだろう、という、いつもの安直な読みもあった。
このレシピで、大昔に2回ほどプリンを作ったことがあった。
2回とも、美味しくできた。と私の記憶にはある。
だから、ちょっと砂糖の計量が変でも、脂肪分の一切ない牛乳であろうとも、卵と牛乳と砂糖を混ぜて蒸せば、プリンになるんじゃないの?と思った。
作り方はものすごくシンプルなんだから。
卵と砂糖を混ぜる。鍋で牛乳と砂糖を沸騰直前まで温める。両方を混ぜる。それを漉して蒸す。
これだけ。
卵と砂糖を混ぜる。これはOK。
牛乳と砂糖を混ぜようと、牛乳をボウルに移した時、「あれ?」と思った。
雰囲気が牛乳と違うみたい。なにがどう、っていうのはわからないけど、色合いとか微妙に、しかし決定的に違う。
嫌な予感がして、作業を中断し、PCで バターミルクとは何ぞや? を調べたのだった。(その2参照)
そこでわかった驚愕の事実。
牛乳からバターをとったカスの液体なんて、何の風味もないんじゃないか、と私は考えた。
で、考えた結果、 分量の半分を豆乳にしてみた 。
今だから言おう。
私よ、なぜ豆乳を投入したのか(ここ、笑うところだから)?
今でもわからない。なぜ血迷って豆乳にしたのか。
思考が停止したときって、自分でも思いもよらない行動に出ることがあって、それなのかもしれない。
とにかく、豆乳を半分量いれて、砂糖を混ぜ、沸騰しないように気をつけながら温め、卵のボウルに少しずつ加えた。
引き出しの奥に、ちっこい茶漉しがあったので、それで卵液を漉そうとするが、漉せない。
気をつけていたつもりが、知らぬ間に沸騰していたのか、牛乳で卵が煮えて、ちっこい茶漉しが1度で目詰まりを起こした。
卵液は、煮えた卵でモロモロが浮いており、
ちっこい茶漉しは、能力以上のことを強いられてイライラしており、
それ以上に私はイライラしながら、それでも根気よくモロモロの卵液を漉した(それに意味があったかどうか、もはやわからない)。
さて、この家に、プリン型などという洒落たものがあるはずもなく、
ましてや私が、どうなるかわからないプリンのために型を購入するはずもなく(その点は自覚がある)
オーブンに入れられそうなものを探したところ、 蕎麦ちょこ が4つあった。
それにカラメルソースを入れてから、漉した卵液を流し込み、まだ少し余ったので、さらに器を探したら、
日本酒の猪口があったので、それに2個作った。
プリンのイメージからは程遠いが、この際仕方があるまい。
蕎麦ちょこのプリン達
150℃で20分、とレシピにはあるが、それは普通のプリン型の場合であって、かなり大きい蕎麦ちょこだと、どのぐらいかかるか見当がつかない。
30分焼成して、爪楊枝を刺してみるが、いっけん固まっているように見えて、
器を傾けると、「んもう、なんなのよぉー」とけだるそうに中身が動く気配がする。
結果、40分余かかって、むりやり完成。
日本酒の猪口のほうを、試食してみた。
・・・・・。
これはなーんだ? と聞かれれば
「プリン?」と答えるだろう。ただし「?」がつく。
卵液時代のモロモロは、そのまま健在していて、それがいちいち舌ざわりのジャマをする。
さんざんジャマをしながら、図々しくもいつまでも口に残って腹立たしいといったらない。
それにやっぱり、何となく中がゆるくて、 これで美味しかったら 一時期流行った生プリン(だっけ?)なんだがな、と悲しくなる。
甘くて卵で、それはプリンなんだろうけれど、なんだろう。なにかが激しく違う。
ビーチに着いてみたら、室内履きのままだったことに気づいたような違和感。
出汁を忘れた味噌汁のような物足りなさ。
麦茶だと思って飲んだら、そばツユだった時のような裏切られ感。
しばし一人で反省会。
何が悪かった、といって、「もうぜんぶ」としか言えない。
正しいプリンへの道は、まるで天竺にあるという桃源郷を目指すようなはるかな旅である。
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