ロックダウンが徐々に解除されてきた今も、
物の受け渡しはカーブサイドピックアップ、というところが、けっこうある。
店の外でドライブスルー的に行うという方法で、
食べ物でも商品でも、あらかじめオーダーしておいたものを受け取るのだ。
2月に、ブレスレットの留め金が壊れたので、ショッピングモール内にある、
それを買った店に修理を頼んできた。
修理ができる予定の1か月後に、コロナウィルスでロックダウンとなってしまい、
私のブレスレットはどうしたのか、と思っていたところに電話が来た。
ボイスメールにブレスレットができたので電話をほしい、と残っていたが、
今日、ちょうどモールに行く用事があったので、直接行ってみた。
店にはシャッターがおりており、オープンは11時で、御用の方はこちらに電話せよ、という紙が貼ってある。
他の用事を済ませ、11時になってから電話をしてみた。
「2月に頼んだ、ブレスレットの修理ができているという電話をもらったんですが」
名前を言って、しばらく探していた。
「あー、できてますね。いつ受け取りがいいですか?」
「今、行きますよ、モールの駐車場にいるから」
「この時間はもう予約が入っているので、2時半だったらあいてます」
予約?ブレスレットの受け取りに、予約がいるのか。
「それじゃ2時半に出直してきます」
「それじゃあ、今からパスワードを言うから、2時半に来たら電話をして、
そのパスワードを言ってください」
パスワードがいるのか。
「あなたのパスワードはアクアマリン、です」
「アクアマリン、ね。覚えてられることを願う・・・・」
「あはは!大丈夫よ。お車の車種と色はなんですか」
「白のサイオン」
「同乗者なしで来てくださいね、ソーシャルディスタンスの問題があるので。それじゃ2時半に」
いったん家に帰り、2時半に再びモールに出かけた。
電話をして、無事にパスワードを言えた。
場所を聞くと、今私がいる場所とは反対側であることがわかり、方向音痴の私は
そこまですんなり行ける自信がなかったので
「ぴゅっとお店の前まで歩いていくから、受け取る、ってのはダメ?」
と聞くと
「あいにくそういうことができないんです・・・・」
と言う。
「じゃ、行ってみるけど、会えたらラッキーだと思ってよ」
私はダダ広い駐車場をぐるりとまわって、それっぽいところまで行ってみたら、
女性が二人、両手で品物を胸のところで持って立って、こちらを見ていた。
その姿はまるで、日本の旅館のお出迎えそのもの。
一人が、助手席のほうの窓に走ってきて、品物を見せ、IDを確認し、書類にサインをして、
ようやくブレスレットを受け取ることができた。
駐車場の通路の真ん中なので、私の後ろについてしまった車は、私が一部始終を終えるのを待たねばならず、気が焦る。
そそくさとその場を去った。
えーい、めんどくさいぞ。
ここまでするのか、と、ちょっと言いたくはなる。
この調子だと、宝石屋でウィンドウショッピングなんてのも予約制で、
予約などして行ってしまったら、何も買わずに帰りにくくないだろうか。
宝石のウィンドウショッピングなどしないから関係ないんだけど、
ますます買い物から足が遠のく。