『正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官』
I.C.E.(移民税関捜査局)の捜査官マックス(ハリソン・フォード)はある日の手入れで若いメキシコ人不法就労者ミレヤ(アリシー・ブラガ)から「子どもを人に預けている。迎えに行ってほしい」と懇願される。
オーストラリアからハリウッド女優を目指してやって来たクレア(アリス・イヴ)は、偶然知り合った移民局の判定官(レイ・リオッタ)と正規のグリーンカードの発行を条件に愛人契約を結ぶ。
バングラデシュ出身の女子高生タズリマ(サマー・ビシル)は、作文の宿題で9.11テロの実行犯の「気持ちがわかる」と書いてしまったためにFBIに拘束される。
オスカー映画『クラッシュ』でも描かれたロサンゼルスの人種問題をリアルに描いた社会派映画。
『クラッシュ』では人種間にある差別と偏見という内面の壁をモチーフにしてたけど、この映画のテーマはもっと即物的な移民問題。主演のハリソン・フォード以外の登場人物はほとんどが移民としてアメリカで市民権を求めているという設定になっている。
即物的なだけに話はストレートだし、わかりやすい。移民が建国した自由と民主主義の国・アメリカがどれほど深く歪んだ矛盾を抱えているか、その象徴が人種の坩堝・ロサンゼルスという街なのだろう。
でも即物的すぎてストーリー展開があまりにも安直で、世界観にさっぱり深みがないのがかなりツライ。
マックスは無口で情に篤い捜査官という設定らしいけど、ハリソン・フォードは高倉健じゃないしねえ。だいたい移民税関捜査局の捜査員がなにゆえ殺人事件の捜査までやってんのか?一回しか映らないけど自宅のセットがモロにアリモノっちゅーか全然「家」に見えなくて笑ったー。
ギャヴィン(ジム・スタージェス)やクレアなどショウビズ界の移民問題はなんで盛り込まれたのか意図がわからない。単に美男美女を入れて画面を華やかにしたかっただけとちゃうの?
イラン出身の捜査官ハミード(クリフ・カーティス)の一家、タズリマ一家のエピソードも結局肝心な部分は全部台詞で説明しちゃってる。おいおいおい。よーするにイスラム教社会に対する理解なんかそんなもんでかまわないってことなの?
いちばんムカついたのは韓国出身のヨン・キム(ジャスティン・チョン)一家のパート。台詞からなにからすべてが完全にやっつけ。なんでやねん!
ぶっちゃけこのシナリオの完成度はまったく話になりません。いいたいことはわかるけど、この程度の話で済ませられちゃあねえ〜みたいなさ。困ったもんだね。
テーマがテーマだけに、もっとマジメに頑張ってほしかったです。残念過ぎ。
ただ、終盤の空港のシーンの視線の表現はひじょーにリアルだった。あれって日本も含めて世界の先進国各国で日々実際に行われてる“今生の別れ”の場面なんだよね。国家に家族を引き裂く権利があるのか?それってある意味れっきとした人権侵害とちゃうの?とゆー、究極の疑問を投げかけてる映像ではあると思います。
I.C.E.(移民税関捜査局)の捜査官マックス(ハリソン・フォード)はある日の手入れで若いメキシコ人不法就労者ミレヤ(アリシー・ブラガ)から「子どもを人に預けている。迎えに行ってほしい」と懇願される。
オーストラリアからハリウッド女優を目指してやって来たクレア(アリス・イヴ)は、偶然知り合った移民局の判定官(レイ・リオッタ)と正規のグリーンカードの発行を条件に愛人契約を結ぶ。
バングラデシュ出身の女子高生タズリマ(サマー・ビシル)は、作文の宿題で9.11テロの実行犯の「気持ちがわかる」と書いてしまったためにFBIに拘束される。
オスカー映画『クラッシュ』でも描かれたロサンゼルスの人種問題をリアルに描いた社会派映画。
『クラッシュ』では人種間にある差別と偏見という内面の壁をモチーフにしてたけど、この映画のテーマはもっと即物的な移民問題。主演のハリソン・フォード以外の登場人物はほとんどが移民としてアメリカで市民権を求めているという設定になっている。
即物的なだけに話はストレートだし、わかりやすい。移民が建国した自由と民主主義の国・アメリカがどれほど深く歪んだ矛盾を抱えているか、その象徴が人種の坩堝・ロサンゼルスという街なのだろう。
でも即物的すぎてストーリー展開があまりにも安直で、世界観にさっぱり深みがないのがかなりツライ。
マックスは無口で情に篤い捜査官という設定らしいけど、ハリソン・フォードは高倉健じゃないしねえ。だいたい移民税関捜査局の捜査員がなにゆえ殺人事件の捜査までやってんのか?一回しか映らないけど自宅のセットがモロにアリモノっちゅーか全然「家」に見えなくて笑ったー。
ギャヴィン(ジム・スタージェス)やクレアなどショウビズ界の移民問題はなんで盛り込まれたのか意図がわからない。単に美男美女を入れて画面を華やかにしたかっただけとちゃうの?
イラン出身の捜査官ハミード(クリフ・カーティス)の一家、タズリマ一家のエピソードも結局肝心な部分は全部台詞で説明しちゃってる。おいおいおい。よーするにイスラム教社会に対する理解なんかそんなもんでかまわないってことなの?
いちばんムカついたのは韓国出身のヨン・キム(ジャスティン・チョン)一家のパート。台詞からなにからすべてが完全にやっつけ。なんでやねん!
ぶっちゃけこのシナリオの完成度はまったく話になりません。いいたいことはわかるけど、この程度の話で済ませられちゃあねえ〜みたいなさ。困ったもんだね。
テーマがテーマだけに、もっとマジメに頑張ってほしかったです。残念過ぎ。
ただ、終盤の空港のシーンの視線の表現はひじょーにリアルだった。あれって日本も含めて世界の先進国各国で日々実際に行われてる“今生の別れ”の場面なんだよね。国家に家族を引き裂く権利があるのか?それってある意味れっきとした人権侵害とちゃうの?とゆー、究極の疑問を投げかけてる映像ではあると思います。