年末年始に東北に行ってきた。
7月以来だから5ヶ月ぶり。
今回は何か予定があったわけではなく、実家の方に戻る用があって、その後少しの休暇をのんびりさせてもらおうかと思って訪問したのですが。
着いて数日はいつもお世話になっている民宿に泊りながら、地元の忘年会にお邪魔したり、厨房やお掃除をちょこちょこお手伝いしたりお客さんと震災のころの話をしたり、神棚の松飾りや鏡餅をあげたりして過ごした。
大晦日には失礼しようかと思っていたのだが、ご家族で用意する晩ご飯を食べていけばと勧めてくださったのでご厚意に甘えることにしたその夜遅く、いきなり体調を崩してしまった。
深夜から朝まで激しい嘔吐が止まらず、飲んだ水も吐き、水のような下痢までする。
腹痛はもちろん、筋肉痛のような痛みで全身ズキズキする。あとから思い出せば極度の脱水症状で熱も相当出てたんだろうと思う。
東北の大晦日の夜、外は雪が降っていてとても寒かった。トイレの前に座っていられればよかったのだが寒さに耐えきれず、何度も階段を上がったり下りたりしているうちに間に合わなくて粗相をしてしまったこともあったのだが、宿に泊まっている客はぐりひとり、誰の助けも呼べず、自分で床や壁を掃除しながらまた吐く、というかなりといえばかなりな元旦を迎えた。
それからまる2日間ぴくりとも動くこともできず何も食べられずただただ寝たきり、3日になって起き上がれるようになったのをこれ幸いと、スタコラ東京に戻って来た。東京でも毎日寝てばかり、今日になって嘔吐と下痢はどうにか治ってきて、あとは熱が出なくなれば完治である。湯たんぽは手放せないし、食欲がなく固形物がほとんど食べられないので、毎日薄めたホットミルクやらプリンやらリンゴやらスープやら甘酒やら、液体に近い離乳食みたいなものばっかり食べて暮している。お陰様でお餅もお雑煮もお節も食べてないし、初詣にも行っていない。これぞ寝正月である。
休み明けに病院で検査をしたら「ウィルス性胃腸炎」と診断された。おそらく原因はロタウィルスだということだが、これは子どもにとっては非常に危険で死ぬこともある病気ではあっても、ほとんどの人が5歳までにかかっていて大人なら抗体があるからふつうなんともないはずだという。
推測するにぐりはこの抗体ができない体質ではないかと思う。似たようなシチュエーションで似たような症状を起こしたことがこれまで何度かあるからだ。
ロタウィルスはヒトからヒトへの経口感染がよく知られているが、アサリやシジミ、カキなどの二枚貝からも感染することがあるらしい。ぐりはもともと貝類にあたりやすいので極力生では口にしないように、火が通っていても量を摂り過ぎないように注意していたのだが、どこかでうっかり食べ過ぎていたのかもしれない。なにしろこの季節の三陸では三食カキが提供されるのだから。
とはいっても大人なら感染しても何ともないはずのウィルスなのに、子どもと同じ症状でここまで七転八倒しなくてはならないとは情けないものである。
ところでこのロタウィルスは子どもが感染する非常にポピュラーなウィルスで、いまは乳児期に予防接種を受けることが推奨されている(任意接種)。全国の保育園や幼稚園では毎年のように大流行していて、園児とその家族を媒介してたった10~100個のウィルスが口にはいるだけで簡単に感染する。このウィルスを殺す特効薬はまだなく感染しても対症療法しかないため、手当が遅れるととても危険である。
しかし周りで聞いてみるとこのウィルスのことを知っている人はほとんどいなかった。乳児のいるぐり妹はもちろん知っていて子どもがワクチンを受ける前にけっこうナーバスになっていたのでぐりにもたまたま予備知識はあったけど、まさか自分がこんなひどい目にあうとは思っていなかった。
それにしても世界では年間180万人の子どもが死ぬ病気だというのに、子どもを持つ親以外にはあまり知られていないというのはいかがなもんかと思う。ぐりみたいに抗体のない大人はレアといえばレアなんだろうけど。マジきつかったよ・・・。
ロタウイルス感染性胃腸炎とは 国立感染症研究所 感染症疫学センター
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宮城県気仙沼市唐桑半島の夕陽。
更地のように見えるのは津波で家屋が流失したところ。道路の拡張工事が始まっていて、ここにも防潮堤ができる予定である。この宝石のような光景もしばらくすれば見られなくなる。
4年前の瓦礫撤去をしていたころから通って勝手に第二の故郷のように思っている身からすればせつない話ではあるが、だからどうすればいいという単純な話でもない。
7月以来だから5ヶ月ぶり。
今回は何か予定があったわけではなく、実家の方に戻る用があって、その後少しの休暇をのんびりさせてもらおうかと思って訪問したのですが。
着いて数日はいつもお世話になっている民宿に泊りながら、地元の忘年会にお邪魔したり、厨房やお掃除をちょこちょこお手伝いしたりお客さんと震災のころの話をしたり、神棚の松飾りや鏡餅をあげたりして過ごした。
大晦日には失礼しようかと思っていたのだが、ご家族で用意する晩ご飯を食べていけばと勧めてくださったのでご厚意に甘えることにしたその夜遅く、いきなり体調を崩してしまった。
深夜から朝まで激しい嘔吐が止まらず、飲んだ水も吐き、水のような下痢までする。
腹痛はもちろん、筋肉痛のような痛みで全身ズキズキする。あとから思い出せば極度の脱水症状で熱も相当出てたんだろうと思う。
東北の大晦日の夜、外は雪が降っていてとても寒かった。トイレの前に座っていられればよかったのだが寒さに耐えきれず、何度も階段を上がったり下りたりしているうちに間に合わなくて粗相をしてしまったこともあったのだが、宿に泊まっている客はぐりひとり、誰の助けも呼べず、自分で床や壁を掃除しながらまた吐く、というかなりといえばかなりな元旦を迎えた。
それからまる2日間ぴくりとも動くこともできず何も食べられずただただ寝たきり、3日になって起き上がれるようになったのをこれ幸いと、スタコラ東京に戻って来た。東京でも毎日寝てばかり、今日になって嘔吐と下痢はどうにか治ってきて、あとは熱が出なくなれば完治である。湯たんぽは手放せないし、食欲がなく固形物がほとんど食べられないので、毎日薄めたホットミルクやらプリンやらリンゴやらスープやら甘酒やら、液体に近い離乳食みたいなものばっかり食べて暮している。お陰様でお餅もお雑煮もお節も食べてないし、初詣にも行っていない。これぞ寝正月である。
休み明けに病院で検査をしたら「ウィルス性胃腸炎」と診断された。おそらく原因はロタウィルスだということだが、これは子どもにとっては非常に危険で死ぬこともある病気ではあっても、ほとんどの人が5歳までにかかっていて大人なら抗体があるからふつうなんともないはずだという。
推測するにぐりはこの抗体ができない体質ではないかと思う。似たようなシチュエーションで似たような症状を起こしたことがこれまで何度かあるからだ。
ロタウィルスはヒトからヒトへの経口感染がよく知られているが、アサリやシジミ、カキなどの二枚貝からも感染することがあるらしい。ぐりはもともと貝類にあたりやすいので極力生では口にしないように、火が通っていても量を摂り過ぎないように注意していたのだが、どこかでうっかり食べ過ぎていたのかもしれない。なにしろこの季節の三陸では三食カキが提供されるのだから。
とはいっても大人なら感染しても何ともないはずのウィルスなのに、子どもと同じ症状でここまで七転八倒しなくてはならないとは情けないものである。
ところでこのロタウィルスは子どもが感染する非常にポピュラーなウィルスで、いまは乳児期に予防接種を受けることが推奨されている(任意接種)。全国の保育園や幼稚園では毎年のように大流行していて、園児とその家族を媒介してたった10~100個のウィルスが口にはいるだけで簡単に感染する。このウィルスを殺す特効薬はまだなく感染しても対症療法しかないため、手当が遅れるととても危険である。
しかし周りで聞いてみるとこのウィルスのことを知っている人はほとんどいなかった。乳児のいるぐり妹はもちろん知っていて子どもがワクチンを受ける前にけっこうナーバスになっていたのでぐりにもたまたま予備知識はあったけど、まさか自分がこんなひどい目にあうとは思っていなかった。
それにしても世界では年間180万人の子どもが死ぬ病気だというのに、子どもを持つ親以外にはあまり知られていないというのはいかがなもんかと思う。ぐりみたいに抗体のない大人はレアといえばレアなんだろうけど。マジきつかったよ・・・。
ロタウイルス感染性胃腸炎とは 国立感染症研究所 感染症疫学センター
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宮城県気仙沼市唐桑半島の夕陽。
更地のように見えるのは津波で家屋が流失したところ。道路の拡張工事が始まっていて、ここにも防潮堤ができる予定である。この宝石のような光景もしばらくすれば見られなくなる。
4年前の瓦礫撤去をしていたころから通って勝手に第二の故郷のように思っている身からすればせつない話ではあるが、だからどうすればいいという単純な話でもない。