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オランダ人元日本軍性奴隷制被害者ジャン・ラフ・オハーンさん死去

2019-08-25 21:02:12 | 慰安婦問題

 第2次世界大戦当時、インドネシアを占領した日本軍によって性的奴隷被害者になったジャン・ラフ・オハーンさんが2019年8月19日(現地時間)に亡くなった。96歳。オーストラリア現地メディアはオハーンさんが19日、家族が見守る中でオーストラリア・南オーストラリア州アデレードで息を引き取ったと報じた。

 1923年、オランダ植民地だったインドネシア・ジャワ島で生まれたオハーンさんは、21歳だった1944年に日本軍に拉致されて、スマラン「慰安所」に連れ去られ、性的奴隷として苦難を強いられた。終戦後、英国軍将校と結婚し、1960年にオーストラリアに移住した彼女は、1991年に金学順さんの最初の慰安婦証言を見て勇気を出し、1992年、オーストラリアの地域メディアに自身も慰安婦被害者である事を知らせた。同年、東京で開かれた「戦後補償国際公聴会」でも慰安婦被害を証言した(日本政府に犯罪認定と公式謝罪、法的賠償を要求)。日本軍性的奴隷被害の事実を明らかにしたヨーロッパ人はオハーンさんが最初であった。彼女は2000年の「日本軍性的奴隷戦犯女性国際法廷」(東京)に出席し、2007年の「米国下院聴聞会」では故・金学順さん、李容洙さんとともに日本軍の残酷な犯罪を告発するなど、慰安婦問題の真実を欧米社会に発信する事に大きな役割を果たした。韓国の慰安婦被害者とともにオーストラリアのメルボルンやシドニーなどで平和・人権運動を行ったオハーンさんは、2002年にオーストラリア政府が授与する最高栄誉の国民勲章を受けた。彼女の孫娘であるルビー・チャレンジャー監督は2018年、被害者の日本軍による性的奴隷体験を扱った映画『Daily Bread』を公開した。

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