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第6次エネルギー基本計画「放射性廃棄物処分」のアメリカ業者委託は非常識

2023-10-16 12:00:11 | 原発

 原発の放射性廃棄物の処分については、国際条約(放射性廃棄物等安全条約、廃棄物等合同条約、バーゼル条約など)では放射性廃棄物の発生国での処分が原則である。しかし、相手国の同意があれば例外的に輸出できる事になっているが、日本政府は外国為替及び外国貿易法(外為法)通達で禁止している。

 しかし、経済産業省はその原則を変更し、低レベル廃棄物電力会社が責任をもって処分する事になっている)である「蒸気発生器」「給水加熱器」「核燃料の輸送・貯蔵用キャスク」の3種類の大型機器(原発の重要機器、低レベル廃棄物で埋設処分が必要)について、海外業者に委託できるように輸出規制を緩和する方針を新たなエネルギー基本計画の改定案に盛り込んだ。資源として再利用される事などを条件に例外的に輸出を認めるという。法改正しなくても通達の見直しで対応可能ともいう。

 米国やスウェーデンでは放射性廃棄物を国外から受け入れ、除染や溶解したうえで、金属素材などとして再利用するビジネスが確立しているという。

 米国では現在唯一ウランを精錬しているホワイトメサ精錬所(ユタ州)では、日本からの低線量放射性物質の輸入計画(ユタ州政府が7月に輸入許可)がある。対象物は日本原子力研究開発機構(JAEA)東濃鉱山地科学センター人形峠環境技術センターに保管中のウラン鉱石やウランを吸着させた樹脂・砂・活性炭など約136㌧。精錬すると99%放射性廃棄物となるという。つまり、日本政府は資源と称して取り扱いに困った放射性廃棄物そのものを輸出できるように通達を見直すという事である。

 ホワイトメサ精錬所を所有するエナジー・フューエルズ社資源の有効利用という名のリサイクルをうたっているが、実際はウラン混じりの放射性廃棄物を受け入れて処分するビジネスとなっているという。ところで、精錬所周辺は5つの先住民族の生活地(保留地)となっている。すでに先住民族はこれまで健康被害や環境破壊に対して人権侵害問題、先住民の権利擁護問題として精錬所の閉鎖を訴えてきているが、ここを日本政府JAEAは放射性廃棄物の捨て場所するという事なのである。

 このような「自国さえ良ければよい」という自公政権の発想を許してよいものであろうか。さらには、国内最終処分場決定の曖昧化や先送りを許したり、再生エネルギーへの転換や脱原発への明確なタイムスケジュールも作成せずに原発の稼働継続を認めたり、再稼働を認めていて良いのであろうか。いかなる原発も新設を許可する事など論外である。

(2021年9月25日投稿)

 

 

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