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大日本帝国政府敗戦直後の植民地朝鮮の動き「4・3事件」と日本人官僚と進駐アメリカ軍

2025-01-15 23:02:16 | 朝鮮問題

 朝鮮民族は1945年8月15日(神聖天皇主権大日本帝国政府昭和天皇の臣民への敗戦放送日)、朝鮮建国準備委員会を結成し、9月6日には朝鮮人民共和国(主席:李承晩、副主席:呂運亮、内務部長:金九)を発足した。それに対し米国北緯38度線で分割占領する事をソ連に提案し、米軍を9月7日に南朝鮮に進駐させ、9月9日に朝鮮総督府を解体し軍政を開始した。日の丸を降ろし星条旗を掲揚した。南朝鮮の民衆は米軍を解放軍だと思ったが、占領軍でしかなかった。アーノルド軍政長官は朝鮮民族が独立のために準備した自治組織を認めず、建国準備委員会などすべて解散させ、10月10日には人民共和国を否認し弾圧した。上海臨時政府も認めなかった。米国の軍政は占領支配であり、大日本帝国による植民地支配の延長に他ならなかった。米軍は公用語を英語とし、朝鮮総督府に仕えていた日本人官僚たちを顧問として使った。官僚たちは日本へ帰るまで米軍の支配機構で服務し、それなりの処遇を受けた。その末端で、警察官教師を引き受けたのは、「親日派」と呼ばれる、大日本帝国の植民地支配に服務した朝鮮人たちであった。そして、米軍にとって頼りにできたのは、植民地支配をしていた日本人官僚であり、その下で服務していた朝鮮人であった。今日の韓国社会で「親日派」が影響力をもつのは米軍政(米国政府)が原因なのである。

 45年12月、米英ソ3国外相会議で、米ソ合同委員会管理下で臨時政権を具体化し、同政権を米英ソ中4カ国による5カ年間の信託統治下に置く事に合意(モスクワ協定)し、同月28日に発表した。それに対し、即時独立を求める朝鮮民族は信託反対運動を開始した。金九らは「信託統治反対国民総動員運動委員会」を結成。46年1月に朝鮮共産党が信託賛成方針を打ち出し、モスクワ協定支持集会を開催すると、呂運亮・許憲朴憲永らは「民主主義民族戦線」を結成。朝鮮民族は信託統治の賛成・反対で分裂した。米軍政庁はこの分裂を利用し、金九・李承晩・李奎植らに大韓民国代表民主議院を構成させ、米軍政の最高諮問機関とした。46年3月20日、米ソ合同委員会が開催されるが、朝鮮臨時政府樹立のための「協議対象団体」選定基準で対立。5月21日にも再開されるが10月20日再び対立した。

 1947年9月23日、米国政府はモスクワ協定を無視し、一方的に朝鮮独立問題を国連総会に持ち込んだ。ソ連は朝鮮問題の国連討議はモスクワ協定に違反している事、戦後処理問題を国連で討議するのは国連憲章違反である事などを理由として反対した。しかし、第2回国連総会は、国連の監視下で48年3月31日までに朝鮮で総選挙をする事、選挙後できる限り速やかに国民政府を樹立する事などを決議した。

 48年2月26日、米国は国連総会開催を提案し、国連臨時朝鮮委員会が接近できる地域(南朝鮮)だけでも選挙を実施する事(南朝鮮単独選挙)を決議した。3月1日には米国占領軍司令官ホッジは単独選挙を5月10日に実施する事を発表した。そのため、単独選挙に反対する朝鮮民族は4月3日、4・3済州島蜂起を起こした。また、4月20日には全朝鮮政党社会団体代表連席会議(平壌)を開催し、全朝鮮の56の政党社会団体の695人の代表者(うち南朝鮮から40団体、395人)が参加し共同声明を発表した。その内容は、

一、外国軍隊の即時・同時撤退

二、その後に民主主義臨時政府を樹立する事

三、同政府は秘密投票によって、統一的朝鮮立法機関選挙を実施する事

四、朝鮮憲法を制定し、統一的民主政府を樹立する事

五、南朝鮮の単独選挙に断固反対する、というものであった。

しかし、選挙は李承晩の大韓独立促成国民会ら一部の団体と無所属だけで強行した。

 48年5月31日、制憲国会を開催し、7月12日、憲法承認、20日李承晩を大統領に選出し、8月15日、大韓民国を成立させた。しかし、10月には麗水・順天で軍隊が反乱を起こし、智異山一帯でパルチザン闘争が起こり、民国政府は11月16日には国家保安法を制定してこれに応じた。

 北朝鮮では1948年6月、「南北朝鮮諸政党・社会団体指導者協議会」を開催し、「南北朝鮮代表者による朝鮮中央政府樹立」を決定した。7月10日、北朝鮮人民会議第5次会議で朝鮮民主主義人民共和国憲法の実施と全朝鮮朝鮮最高人民会議選挙の実施(8月25日)を決定し、572人(南朝鮮360人、北朝鮮212人)を選出した。9月2日、第一回朝鮮最高人民会議を開催し、8日憲法承認、9日朝鮮民主主義人民共和国を樹立した。

 最高人民会議議長  許憲(南朝鮮代表)

 内閣首相      金日成

 副首相       朴憲永(南朝鮮代表)

 

 上記のように、米国政府の戦後の冷戦の世界戦略により、朝鮮民族の即時独立の意志は大日本帝国の敗戦直後からすでに否定され、統一国家樹立の希望も狡猾で卑劣で残虐な暴力により粉砕されたのである。米国ははじめから朝鮮民族の解放者になるつもりはなく、新たな支配者となるために南朝鮮を占領したのであり、大韓民国政府とその国民は米国というくびきから抜け出せていないのである。日本政府とその国民も同様であるが。

(2019年10月14日投稿)

 

 

 

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安倍自民党政権馳浩文科相の朝鮮高校無償化除外は世界の常識と憲法を無視した政府押し付けの民族差別

2025-01-15 13:36:47 | 教育

※2016年3月30日投稿の『文科相が朝鮮高校の無償化除外の上、自治体に補助金再考(差し止め)を通知』を再度投稿しました。なお、最高裁第三小法廷(山崎敏充裁判長)は2019年8月27日付の決定で、大阪高裁判決(授業料無償化の対象から除外した処分は適法)を支持し、学校側の上告を退け学校側の敗訴が確定した。

「教育への権利」の「無差別平等」原則は、「世界人権宣言」「子どもの権利条約」「人種差別撤廃条約」などに明記されており、世界の原則であり常識である。しかし、安倍自公政権にとっては非常識な事のようである。「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」である。

 馳浩文科相は3月29日、朝鮮学校への自治体の補助金について、再考を促す異例の通知を朝鮮学校68校(6校は休校)がある28都道府県に出したという。「北朝鮮と密接な関係がある朝鮮総連(在日本朝鮮人連合会)が教育内容や人事に影響している」と指摘し、生徒への影響に配慮しながら補助金の公益性や効果の検討などを依頼したという。同日の記者会見では「(通知は)留意点を申し上げただけ。減額しろとか無くしてしまえとかいうものではない」と強調したが、通知後の各自治体の対応については把握するという。

 文科省によると、日本全国の朝鮮学校には約6400人の児童生徒が通う。2014年度は18道府県と114市区町が朝鮮学校や生徒らに補助金を出しており、総額は約3億7千万円であったという。

 今回の馳浩文科相の通知は、朝鮮学校へ補助金を出している自治体に対する、陰険な「止めさせるための圧力」以外の何物でもない。朝鮮学校へ通う児童生徒やその保護者は、消費税を含めて様々な税金を納めているにもかかわらず、また彼らが日本で国民に脅威を与える行動をとっているわけでもないのに、政府からは出さず、自治体にも補助金の差し止めの圧力をかけるという行為は、世界の先進国では「日本」ぐらいであろう。また、安倍自公政権は自身の政治は「正常である」と思い込んでいるようだが、私は「異常である」と考えるが、もし、安倍自公政権下の「日本人学校」に対して外国政府が同じような事をする事が起きたら安倍政権はどういう反応し対応を取るであろうか。そういう意味で安倍政権は異常である。恐ろしいほどに「傲慢」であるといえる。また、日本国は、政府自体が「人権侵害」(差別)「ヘイトスピーチ」を率先して行っている国になっているという事である。ついでに言えば、その安倍自公政府が「ヘイトスピーチ」を規制するためにどんな法律を作ろうとしているのか興味深い。

さてもし、各自治体が馳浩文科相(安倍自公政権)の意向に沿わない場合、馳浩文科相他の補助金で減額したりなどの嫌がらせをするであろう事も、容易に推察できる。それほど質の悪い安倍自公政権なのである。やくざも詐欺師も「脱帽」である。以下はこの件について以前に書いたこれまでの経過である。

 2016年2月17日、自民党は「北朝鮮核実験・ミサイル問題対策本部」や「拉致問題対策本部」などの合同会議を開催。

 そこで、「北朝鮮」に対する日本独自の追加制裁として、文科省が「公益性の観点から朝鮮学校への補助金の支給が妥当かどうか厳密にチェックするよう地方自治体に求める文書を出したい」という考えを示した。

 「高校無償化法」(公立学校等に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律)は民主党政権下の2010年1月に制定され4月から実施された。公立学校の生徒は授業料を払わなくてもよくなったし、私立や外国人学校などの生徒は就学支援金を支給されるようになった。しかし、朝鮮高校の生徒には、いまだに適用されておらず、支給されていない

 高校無償化法の制度目的は、第1条に「教育にかかる経済的負担の軽減を図り、もって教育の機会均等に寄与する事を目的とする」とあり、子供の教育を受ける権利の保障である。施行規則第1条には、就学支援金の支給対象として「専修学校及び各種学校」第1項第2号は「高等学校の課程に類する課程を置くと認められるものとして文部科学大臣が指定したもの」とあり、朝鮮高校も支給対象となった。2010年8月の「高等学校就学支援金の支給に関する検討会議」報告書は、「外国人学校の指定については外交上の配慮などにより判断すべきものではなく、教育上の観点から判断すべきものであるという事が、法案審議の過程で明らかにされた政府の統一見解である」としている。

 しかし、安倍自公政権2013年2月20日に、「無償化法」を改悪し、朝鮮高校を「対象外」とした。「審査中」で先延ばしした挙句に、法律を変えて審査対象から外したのである。国連の社会権規約委員会が「人権侵害(差別)」と批判したが、下村博文文科相は5月24日、「状況を理解していない中での見解だ」と反論し、他校の在日コリアンには適用している点などを理由に「民族差別ではない」、「朝鮮総連(在日本朝鮮人総連合会)と密接な関係にあり、法令に基づく適切な運営の確証がもてない」と主張し押し通した。

 現在、朝鮮高校生約200人が原告となって全国5カ所で無償化の適用を求める訴訟を闘っている。

 「朝鮮学校を支える宝塚市民の会」では、2010年4月に実施された「高校無償化法」から朝鮮高校だけが除外されているため、1人でも多くの市民に朝鮮高校の生徒たちの姿を見てもらい、理解してもらおうと、2010年12月から毎年1回、神戸朝鮮高校吹奏楽部を招いてソリオホールでコンサートを開催してきました。2014年1月からは、第4回のコンサート(2013年12月)での学生のアピールに応えて、毎月2回、高校無償化適用を求める街頭署名を続けている。宝塚陸橋での座り込み街頭宣伝は、5回目となる。今年も2月20日に座り込みを実施している。

 安倍自公政権は、米国政府と結託し、朝鮮国を永遠の仮想敵国とする軍事経済国家を作ろうとしている。そして、現在の平和主義憲法を全面改訂(そのモデルは大日本帝国憲法であり、神聖天皇主権国家である)し、その目的完遂のために主権者である日本国民の様々な権利を剥奪し「奴隷」化を進めている。

(2016年3月30日投稿)

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国連人種差別撤廃委員会勧告:安倍自公政権は朝鮮高校に就学支援金適用を自治体は補助金支給を。

2025-01-15 13:20:08 | 朝鮮問題

 国連人種差別撤廃委員会は2018年8月30日、安倍自公政権下の人権状況と政府の取り組みへの見解をまとめた報告を公表し、朝鮮高校にも高校就学支援金制度を適用するよう勧告した。

 審査では、在日朝鮮人の権利課題についての発言が相次いだが、朝鮮学校への安倍自公政権の対応や取り組みについてどのように評価しているのかを少し紹介したい。

 ボス―ト委員(ベルギー)は、「平等権及び子どもの教育権を鑑み、朝鮮学校にも高校就学支援金制度が適用される事、また地方自治体が朝鮮学校に補助金を支給する事を求める」と述べた。さらに「朝鮮学校に通う子どもたちと拉致問題とは、何の関係もない。朝鮮学校は支援金を受け取っていないのに、他の学校が受け取っている事に留意し、そのような区別に妥当な理由はないと考える。朝鮮学校は支援金を当然受け取れるべきであり、私たちはこの問題を歴史的な文脈で見るべきだ歴史的な文脈こそ、朝鮮学校に通いたいと願う子どもたちから、いかなる支援金も奪われてはならないという事の十分な根拠である」と述べた。彼の在日朝鮮人の状況説明のほとんどの時間は朝鮮学校差別問題に充てられた。

安倍自公政権は、朝鮮学校を高校無償化の対象外とする方針を表明した理由を、「北朝鮮による拉致問題に進展がなく、国民の理解が得られない」とした。

 鄭鎮星委員(韓国)は、「2016年3月29日馳浩文科大臣の名で朝鮮学校が所在する都道府県に対して出した『朝鮮学校に係る補助金交付に関する留意点について』で文科大臣は、朝鮮学校が朝鮮総連及び北朝鮮と関係していると指摘し、朝鮮学校に関する補助金の公益性を見直すよう地方自治体に求めたが、日本政府(安倍自公政権)は政治的理由に基づき、朝鮮学校への補助金を中止する事を各知事に促したように見える。実際、朝鮮学校への補助金を中止した都道府県の数は、2017年時点で14自治体にまで増えた。中央政府が地方自治体に対して、そのような命令をしてはならないと考える」と述べた。

 安倍自公政権は、在日朝鮮人に対してだけでなく、沖縄県民(琉球民族)に対しても同様に(正しくは安倍自公政権ワールド以外のすべての人間に)、差別政策(人権侵害政策)を続けてきており、差別主義(人権侵害)を基本にした政治を行う差別主義(人権侵害主義)政権といえる。そして、この朝鮮学校の適用除外政策は、主権者国民に対して、在日朝鮮人と朝鮮民族への偏見や憎悪をこれまで以上に植え付け煽り(洗脳)、ヘイトスピーチを含む人権侵害行為を正当化させ助長する結果を導いているのである。

 つまり安倍自公政権は、主権者国民の意識精神の健全な発展を故意に妨害しているのである。

(2018年10月13日投稿)

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