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松本烝治の2院(衆参)制の意図とGHQの拒否

2024-05-04 16:55:47 | 国会

 マッカーサー憲法草案では、国会衆議院だけの「1院制」を支持しており、「貴族院」は廃止し、これに類似のものも禁止していた。日本政府(幣原、第1次吉田内閣)神聖天皇主権大日本帝国政府下の貴族院制度は若干の手直しで済むだろうと考えていたため、2院制の採用についてGHQと執拗に交渉した。交渉の担当者であった松本烝治国務大臣は交渉の結果、議員公選という条件で「参議院」の設置を認めさせる事に成功した。その設置交渉をしぶとく行った意図は、政府独立後、「参議院」を敗戦前の「貴族院」に復活させようという思惑を持っていたからである。それを思わせる発言を、松本は「自由党」の「憲法調査会」で以下のように述べている。

2院制GHQ側も容認したが、私の考えたような参議院は不幸にして出来なかった。私は、全議員を直接選挙で選ぶのは考え物だ、地方議会を選挙母体として選んではどうか、また職域代表の趣旨で商業会議所などを母体にしてはどうか、なお他に推薦制を設け、政府が特別の独立委員会を設けて推薦してはどうか、もとの勅選議員の制度をある程度残すのも必要ではないか、などと考えていたが、これらはすべて拒否された」

  ちなみに日本政府がGHQに要望交渉して拒絶された事項は、神聖天皇主権大日本帝国憲法を実質的に残そうという性質のものであって、国民の大多数が要求したものではなかった。日本政府は国民の声を背にしてGHQ要望交渉したのではなく、大日本帝国憲法を生き残らせるためのを密室で練っていただけであり、政府が国民に対し新憲法ついての深い「議論を奨励した事は一切なかったのが実態であった。

(2024年5月4日投稿)

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