原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

激減する「教員免許状」の授与件数

2022年08月03日 | 教育・学校
 冒頭から、「教員免許の授与数、20万件割れ 『過労死ライン』の労働環境影響か」 と題するネット情報を、以下に要約引用しよう。


 学校で教員不足が問題になるなか、教えるのに必要な教員免許状の授与件数が大きく減っている。 文部科学省が6月に発表した2020年度は計19万6357件(前年度比7440件減)で、データのある03年度以降では初めて20万件を切り、最少となった。 特に中学や高校での落ち込みが激しく、文科省は「過労死ライン」を超える教員の長時間労働の実態が広く知られ、教職が敬遠されている可能性があるとみている。
 ・ 73歳OBまでフル勤務で教壇に 深刻化する教員不足、学習に支障も
 ・ 校長がPTAに「知人に教員いない?」 新年度、先生不足の学校続出
 文科相の諮問機関、中央教育審議会の部会では、免許件数の減少に歯止めをかけるため、教職課程の履修負担を軽減する案が議論されている。文科省は年内に答申を受け、制度改正に乗り出す方針だ。
 文科省によると、20年度の普通免許状の授与件数は小学校が2万8187件(前年度比146件減)、中学が4万4297件(同1712件減)、高校が5万2629件(同2355件減)、特別支援学校1万2300件(同1094件減)、幼稚園4万4225件(同1928件減)など。
 03年度以降で最も落ち込み幅が大きいのは高校で、最多だった06年度の約8万3千件から4割近く減り、中学も06年度の約5万8千件から2割以上減った。一方、小学校は03年度と比べて4千件増え、近年はほとんど変動がなかった。

 (以上、ネット情報を引用したもの。)



 私め原左都子も、「教員免許状」取得者であるが。

 私が取得した「教員免許状」は、「高校中学・社会」「高校・商業」、そして大学院終了後に、「高校・商業 専修免許」である。
 (参考だが、最後の「教員専修免許」というのは大学院修士課程を修了して、かつ「高校中学教員免許」を取得している者に対し、教育委員会へ申請することにより授与される教員免許である。 今現在、この制度があるのか否かに関しては私は知らない。 しかも、「専修免許」を取得しているからと言って、私の経験では職場で優位に立てると言う特典がある訳でも無い。)

 2度目の大学時代(「経営法学修士」を目指していた時期)に、とにかく取得可能な免許類を積極的に取得せんと志し、それを実現したものである。
 教員免許を取得されている方々はご存じであろうが、大学にてそれを取得するためには、規定された授業をすべて受けて単位を取らねばばならず、それをしない学生に比してかなりの授業数の負担が増える。
 私の場合、「社会」と「商業」2科目の教員免許取得を目指したため、おそらくそれを取得しない学生に比して、プラス約1年分の授業数(単位数)を4年間でこなさねばならないため。 それはそれはハードな授業数を抱え込んだものだ。


 そんな私だが、実は大学院終了後はまた医学分野に舞い戻ってその業務に励む予定だった。
 私を積極的に雇いたいと申し出てくれる化学分析関連企業での業務が決定していて、既にその4月からの職務契約を締結していた。 

 そうしたところ、驚いたことに。
 3月も末に近い時期に、一人暮らしの我が家へ夜遅く「神奈川県教育委員会」から電話が入った。
 何の用か? と不可思議に思いつつ電話口に出ると。
 「貴方は4月から神奈川県内の某高校にて正規教員として勤務していただくことが決定致しました。 この採用は覆すことが出来ませんので、必ずや勤務校へ出向いて校長面接を受けて下さい。」

 何とも無礼と言うのか、とにかく突然の電話に驚きつつ私が応えて。
 「急な話で驚くばかりですが、私は元々医学関係者でして4月からはその分野での仕事の締結を既に結んでいます。 一体、その教員の話はどこで発生したのですか? そもそも、どうして私が教員免許を取得している事実を教育委員会がご存じなのでしょう??  私としましては納得いきませんので、分かり易く説明して下さい。」
 それに応えて教育委員会の担当者曰く、「貴方が教員免許を取得している事実は、卒業大学(院)にて調査させていただきました。 実は4月からの高校新学期開始に当たり、教員不足が生じて急遽貴方に白羽の矢が立ちました。 どうか、ここは何とか教員免許を活かして神奈川県立高校にて教壇に立っていただけませんか!?」

 (既に論理破綻、滅茶苦茶な話だと思いつつ、私も随分と世慣れしてしっかりしていたものだが。)
 そんな私は教育委員会職員に向かって、「失礼ですが、如何程の報酬で雇っていただけるのでしょう? 既に職務契約を締結している医学分析関係企業の方の報酬は既に判明しています。 もしもそれよりも高校教員報酬の方が高いようでしたら、考えてもいいかとも思います。」

 そんな我が(世慣れした)返答にかなり驚きつつ教育委員会職員が言うには、「そういうお話は勤務高校の校長が説明しますので、とにかく明日、貴方の勤務予定高校へ必ず面談に行って下さい。」

 そして、私は次の日に我が勤務高校とされている神奈川県立高校へ面談に出かけた。
 そうしたところ、校長室にて如何にも人が良さそうな校長と教頭が私を待ち受けていて。
 開口一番私に向かって言ったのが、「これはこれは、教育委員会も生徒が喜びそうな素敵な女性先生を我が高校に配属してくれました! どうか4月からよろしくお願い致します。 〇〇大学・大学院を卒業されているとの事、こんな優秀な人材を教育委員会が我が校に紹介してくれるとは、実にラッキーです。 4月からの勤務をお待ちしています!」
 
 こちらとしては、「ちょっと待って下さい!」に決まっている!!
 「いえ、本日は勤務条件等々を伺いに来たのみで、私の方は未だこちらの教員を承諾したわけではありません! 私は既に医学分野の仕事が4月から決定している身です。 単刀直入に伺いますが、私がもし教員として採用された場合の具体的な給与体系や実質手取り給与を知りたいのです!」
 そうしたところ、それを既に教育委員会から聞いていた様子で、校長自らが私を雇った場合の「給与体系」の資料を私に提示しながら、私が4月から受け取れる給与額を説明してくれるではないか!!

 これには驚くと同時に。 
 (県立高校教諭の給与って、これ程高いんだ!)と、実際驚愕した!!😱 

 それで、と言っちゃなんだが😜 、私はちゃっかりその日に「県立高校教諭」としての4月からの業務を決定したものだ。

 いやもちろん、その後医学分野の方の業務締結をお断りする時には丁寧に頭を下げた。 
 世の中とは善人ばかりだと、この時ほど思えたことも無い。 その職場の皆様から「○○さんの教員としての未来にエールを送ります!!」なる素晴らしい贈る言葉を頂戴したものだ。😭 



 やっと話題を表題に戻すならば。

 今時何故、これ程までに「教員免許状」授与件数が激減してしまっているのだろう??
 それ程までに、「教職」とは魅力のない職業となり果ててしまっているのだろうか??
 既に「教職」を退職して30年程の年月が経過(参考だが、高校教師は晩婚で産んだ娘の育児ため出産退職し、その後娘が6歳になった時点で私は再び医学分野の専門業務に復帰)した私が、現在の教育現場を知る由も無いのだが。

 それにしても、70歳過ぎた老男OBまでをも雇い入れている現実であるのならば。
  
 それよりも少し若いこの私が、高校現場へ助っ人に行ってあげてもいいのだけど…


4年ぶりに理科正答率低下 全国学力調査「探求学習」に課題、と新聞報道は言うが…

2022年08月02日 | 教育・学校
 冒頭から、表題に関する朝日新聞2022.07.29付記事を、以下に引用しよう。

 
 文科省は7月28日、小学6年生と中学3年生を対象にした今年度の全国学力調査の結果を発表した。 4年ぶりに行われた理科で、中3の平均正答率が約17%悪化。学習指導要領の改訂で重視された「探求学習」に関する問題の一部で正答率が低く、指導要領の求める内容に十分対応できていない状況がうかがえた。
 もっとも平均正答率が低かったのは、中3理科で49,7%。問題の難易度を調整していないため単純比較できないが、前回調査から10,4ポイント下がった。 新指導要領でうたわれた「科学的に探究する力の育成」を踏まえた出題では、ばねにかかる力と縮み方との関係を調べる実験をもとに、足りない測定値をどんな方法で補えばよいか考察させたところ、正答率が43,8%にとどまった。
 コロナ禍で、観察や実験の授業が減っていることも明らかになった。
 文科省の担当者は、今回の調査は探究学習を踏まえた出題とし、「教科書にはない設定で生徒が対応しきれなかった面がある。 先生の指導も生徒に主体的に探究させるところまで踏み込めているかといえば道半ばだ」と分析した。

 (以上、朝日新聞記事より一部を引用したもの。)



 我がエッセイ集2014.02.03付 「実験好きと理系頭脳とは相関し得るか?!」と題するバックナンバー内で、私は以下の記述をしている。
 引用させていただこう。

 私は中学3年生時点で、自分は将来理系に進む!との一応の判断を下していた。 ただしそれは決して「理科好き」だったからではなく、「数学好き」だったからに他ならない。 (中略)
 私は小学生から高校2年生の途中位まで、算数、数学が好きな子どもだった。そのため大学の進路希望では理系を選択したのであって、当時特段理科が好きだった訳ではない。
 私が算数・数学が好きな本質的理由は、数学とは哲学と表裏一体である点である。(このような数学の学問的バックグラウンドを把握したのは、ずっと後のことであるのだが。 )紀元前の古代から数学は哲学と共に研究され論じ継がれてきているのだが、数学の概念的理解を要する部分が当時の私には大いなるインパクトがあったのだ。 (以下略)
 単に数学好きで決して理科好きではなかった私にとって、実は「理科の実験」ほど嫌いなものはなかったとも言える。 小学生の頃からその思いは強かった。 
 同様に私は家庭科の調理実習や図工・美術の作品制作もずっと苦手で、出来るならば避けて通りたい思いだった。
 それでも何故、私が若かりし時代に「理系」を志向したのかというと、それは頭脳面で理系志向だったからと結論付けられる。 (敢えて悪く表現するならば「机上の空論好き」とでも言うべきか…)
 その後私が更なる学問に励み36歳時点で「経営法学修士」を取得するに至った背景に関しても、頭脳面で「理系志向」だったからに他ならないとの結論を導けそうだ。
 冒頭にても記述したが、今現在の科学・学問とは「理系・文系」が大いに融合していることに間違いない。 
 その一例が元々存在する「経営学」であり「法学」でもあるのではないかと私は考察する。(法の解釈論など、まさに数理思考に基づくのではないかと分析して楽しんだのだが…。)
 すべての学問の基本にあるのが「哲学」及び「数学」であることに間違いないと、私は今尚信じている。
 現在「リケジョ」なるある意味“差別用語”で奉られている女子達に私は提言したい。
 学校の理科実験になど満足して「リケジョ」を目指してもよいのだろうが、もっと理系を目指すための柔軟な“基礎頭脳”を磨いては如何かと。
 それは大学入学後でも遅くはない。 必ずや大学とは「哲学」を筆頭に、貴方たちに基礎教養学問講義を用意しているはずだから、それを惜しみなく受講して、自らの「理系頭脳」を今一度磨こうではないか!!

 (以上、本エッセイ集バックナンバーより一部を引用したもの。)



 そんな私は医学部の“実験”を必要とする分野へ進学することとなり、否が応でも日々各種実験を課される事態となった。
 今思い返しても、特に大学入学直後期は未だに「実験」に抵抗感があった。ただその分野で国家資格を得るためには、日々の実験が欠かせない。
 ところが、私は大学にて素晴らしい教授(最近我がエッセイ集内でよく登場する観音寺・マチ子さんのご亭主だが)と巡り合うことが叶い、その類まれな天才性のある指導力により実験に没頭する学生と相成ったのだ!
 それはそれは、卒論研究の一環としての実験に熱心に励んだものだ。 その甲斐があって私の卒論は、卒業後当該教授により医学雑誌である「Biomedical Journal」(現在は残念ながら廃刊の運命を辿っているようだが)にご投稿頂き、日の目を見ることと相成った!

 そんな私のその後の医学者としての就業後の活躍ぶりは、語らずとてお判りいただけることであろう。??



 そのような道程を歩んだ私が、結論付けるに。

 まさに小中生レベルの実験能力を取り上げて、「探求学習」どうのこうのを議論すること自体がナンセンスであると豪語させていただきたい!
 
 子どもたちが小中生時代にやるべきこととは、はやり“基礎学力の育成”ではあるまいか?

 それを身に付けた上で、各自が自分の将来の進路を決定するに至るとの話であろう。

 小中学校では、とにかく基礎学力を子どもたちに重点的に指導することこそが果たすべき使命と、私は結論付けたいのだが…


「医療に携わらない門外漢がへろへろ出てきて、何もせず適当な事を言い…」にいたく同感!!

2022年08月01日 | 医学・医療・介護
  今朝ほど見つけたネット情報を、以下に引用させていただこう。


 新型コロナウイルス感染患者の対応にあたる「インターパーク倉持呼吸器内科」(栃木県宇都宮市)の倉持医師が30日、自身のツイッターを更新。 
 現場の医師として、治療薬の確保、速やかな検査、多数の相談窓口の設置などを要望した。  新型コロナの感染者が急増し、全国の医療機関がひっ迫する状況について、倉持氏は「各県複数箇所にPCR検査センターを作れば問題は解決すると思います」と要望。「検査ができないから風邪症状の方も接触疑いの方も、医療機関も困っている。制度の低い抗原検査をパラ撒くのではなくPCR検査できれば問題は解決します。国民全員ガーとか、ではなく、その体制を作った上で5類にでもなんでもすれば良い」と主張した。  その上で「治療薬確保し一般流通経路に乗せ、検査速やかにできる事、5類にしても多数の相談窓口の設置、などきちんと準備してから2類だ5類だきめてください」と投稿。
 「医療に携わらない門外漢がへろへろ出てきて、何もせず、適当な事を言い、敵か味方かもわからず武器もない医療機関はたまったものではありません」と訴えた。

 (以上、今朝見たネット情報より引用したもの。)



 原左都子の私見に入ろう。

 私自身も一応医学部出身の医学関係者の端くれとして。

 上記 倉持医師先生の“お怒り”の程に、同感して余りある。

 特に、このコロナ禍変異株が“異常”とも言えるスピードにて全国規模で超拡大感染している現状に於いて。
 
 「医療に携わらない門外漢がへろへろ出てきて、何もせず、適当な事を言い、敵か味方かもわからず武器もない」現状とは。

 医療の最前線として最善の努力を果たしている医師及び医療関係者の皆様に対する大いなる“侮辱”と捉えられても致し方ないことであろう。


 医療界ではこのコロナ変異株感染急拡大の実情下に於いて、最大限の努力を成されている実態は、同じく医療経験者として十分に想像が付いている。

 どうか、医療に携わらない“門外漢”の皆様。

 ここは、少し想像力を働かせて。
 
 少なくとも、現在の切羽詰まった医療現場の“邪魔にならないよう”に配慮して下さるように、私からも切にお願いしたい!!