■酒場すずめ / 村上幸子 (クラウン)
村上幸子は昭和後期~平成初期に活動していた歌謡曲の正統派美人歌手でした。
ここで「でした」と書かねばならなかったのは、皆様ご推察のとおり、彼女はその歌手としての上昇期であった平成2(1990)年に急性リンパ腫により早世してしまったが故の事……。
しかし、現在でも彼女を忘れ難く思い続けている歌謡曲愛好者は数知れず、同時に後追いのファンも増え続けている事実は、村上幸子が残した名曲名唱が常にCDとして復刻集成されつづけている実状にも明らかでしょう。
本日掲載したのは、その村上幸子が昭和59(1984)年にヒットさせた、これが儚くもせつない盛り場演歌の決定版!
山田孝雄の綴った歌詞には、報われずとも懸命に毎日を生きている人生の仄かな機微が滲み、それに附された四方章人のメロディの味わい深さは絶品で、サビで展開される「ちゅんちゅん ちゅんちゅん」というリフレインの覚え易さは言わずもがな、薗広昭のアレンジが、これまた哀愁を増幅させるというツボを外していません。
そして村上幸子の歌唱が本当の胸キュンフィーリングとでも申しましょうか、ミディアムスローの曲調をジンワリと余韻が残るが如き節回しで聞かせてくれるのですから、たまりませんよ♪♪~♪
当然ながら、掲載したジャケ写ポートレートどおりの美形なセツナチズムが全篇に横溢しているんですねぇ~~♪
ひ弱さと芯の強さを併せ持った彼女の声質もジャストミートの極みつきと思うばかりです。
ちなみに、この「酒場すずめ」は彼女の没後に制作されたトリビュートカバーアルバムの中で、サイケおやじの現代の歌謡曲の中では最高に好きな男性ボーカリストの和田青児によって歌われ、これがまたまた素晴らし過ぎる仕上がりになっていますので、併せて皆様にはお楽しみいただきとうございます。
ということで、昨夜は突然に村上幸子を思い出し、あれこれシングル盤に針を落としてしまったのも、不謹慎とは重々承知しつつ、池江璃花子の驚愕の病気公表という事態に引きずられての……。
彼女と村上幸子のルックスの似通り、またしかりの病状等々、これ以上は述べることもなりません……。
どうか……、お許し下さい。
今は、ただただ、池江璃花子の本復を強く願うのみであります。