OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ジョニーのボサ

2007-06-08 18:12:02 | Weblog

さてさて、懲りずにおやじバンドの練習を密かに続けています。

周囲には、ちょっと呆れられていますし、忙しくて個人のパート練習も儘ならずなんですが……。

ということで、本日も和みのボサノバを――

Softly, The Brazilian Sound / Joanie Sommers (Warner Bros.)

ジョニー・ソマーズは、説明不要の人気歌手で、もちろん美人♪

その愛くるしい面立ち、雰囲気の良さ、そしてジャズもポップスも関係無い独特の歌いまわしは、抜け出せない魅力に満ちています。

その芸暦は既に子供時代からスタートしていて、東部のテレビやラジオで活躍した後、西海岸に引っ越してから、本格的に芸能活動を始めたようです。もちろん最初はジャズを歌っていました。

ところが1950年代末にワーナーと契約してからは、少しずつポップス寄りの活動にシフトして、ついには「内気なジョニー」等の大ヒットを出すのです。

そして、ますます人気が高まる彼女は、時代の流行に敏感な楽曲を吹き込みながらも、キュートで清楚な自分だけの魅力を失うことがない、ある種のガンコさで、長く活動を続けました。

さて、このアルバムは1965年頃に発売されたボサノバ集♪ もちろんハリウッド産ですから、本場のようなシンプルな味わいはありませんが、逆に豪華なアレンジと伴奏の中で甘くて素直な可愛さがある彼女の歌声が、たっぷりと楽しめます。

しかもアレンジがブラジルの名ギタリストにして、ボサノバの普及にも大きな貢献をしたローランド・アルメイダ! 演目もなかなかツボを押えています――

A-1 Meditation
A-2 Dear Heart
A-3 Watching The World Go By
A-4 Quiet Nights
A-5 Once
A-6 Softly, As I Leave You / そっとさよなら
B-1 I Could Have Danced All Night / 一晩中踊れたら
B-2 I'll Remember April / 4月の思い出
B-3 You Can't Go Home Again
B-4 Carnival / 黒いオルフェ
B-5 Old Guitaron
B-6 That's All

という魅力的な選曲ですから、たまりません♪

まずボサノバ正統派の「Meditation」や「Quiet Nights」は、お馴染みの美味しいメロディを崩さずに、それでいてハリウッドの雰囲気満点に歌ってくれるジョニー・ソマーズが、最高にキュートです。つまり如何にも白人っぽいスタイルなんですねぇ。もちろんジャズっぽいところも有るんです。

ただし「黒いオルフェ」は、そのあたりが裏目に出たような……。

しかし、私がこのアルバムで一番好きなのが「Dear Heart」です。元々は映画の主題歌で、あまり知られていない曲ですが、とにかくメロディとコード進行が最高! その「泣き」と「せつなさ」が漂う原曲をボサノバにアレンジしてありますから、これを微妙な溜息まじりで色っぽく歌ってくれるジョニー・ソマーズには、思わず胸キュンです♪

もう、この1曲だけで、このアルバムの価値があるほどですよ、私にとってはっ!

同じ傾向としては、フランク・シナトラのヒットで有名な「そっとさよなら」も、ジョニー・ソマーズの魅力が存分に発揮された名唱だと思います。微妙なハスキーボイスが、本当に良いですねぇ~~~♪ バックの演奏も華麗なストリングスとギターやヴァイブラフォンの響きが完全調和しています。

またジャズスタンダートとしてもお馴染みの「一晩中踊れたら」や「4月の思い出」は、やっぱりハリウッド~西海岸ポップスの雰囲気が濃厚で、あまりボサノバっぽくありませんが、それでもジョニー・ソマーズの魅力にグッと惹きつけられます。

そして当時の新しい曲として取上げられた「You Can't Go Home Again」は、ボサロックの感覚とか昭和歌謡ボサノバのような、私には大好きな世界とは言っては顰蹙でしょうか……。ちなみに作者の Ferrerra は、ハンク・モブレーの人気名演「Recado Bossa Nova」を書いた人でしょうか? なかなか曲調が似ているような気がします。

それとローランド・アルメイダが書いた「Old Guitaron」が、これまた素敵です♪ ひとつ間違えると歌謡ボサノバという雰囲気なんですねぇ~♪ こういうの、私は好きなんです。

ということで、決して正統派ボサノバ作品ではありませんが、とても愛らしい魅力のアルバムです。バックの演奏も、特に明記はありませんが、ハリウッドの超一流スタジオミュージシャンが集結した素晴らしいものです。

それにしても、こういうのはイノセントなジャズファンやガチガチのボサノバ愛好者からは、どう思われているんでしょう。

個人的には、ホノボノとした雰囲気があって、たまに取り出して聴くと、最後まで聴いてしまう魔法の1枚になっています。

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