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河村・大村圧勝は「いつか来た道」 怒りの市民

2011年02月08日 22時16分58秒 | Weblog
完全なるワンフレーズポリティクスの勝利です。
まんま小泉手法引き写しです。

もちろん名古屋市議会は批判されるべき点が色々あったでしょう。しかし市民の不満とリコール制度を逆手にとって、自分に従わない議会を悪玉に仕立て上げ解散させるとは、狂気の沙汰です。

そもそもリコール制は住民が主体となって住民自治を直接実現させるための究極手段です。
なのに権力者である首長が住民を煽って自分に逆らう「抵抗勢力」を潰す手段に流用するとは、実に斬新なアイディア(皮肉)。

地方公共団体の首長と議会議員を住民が直接投票で選ぶ二元制(憲法93条2項)は、首長と議会の両者を独立・対等の関係に置き、お互いに活動をチェックしあうことによって権力の暴走を防ぎ民意を反映させることを目指しています。
しかしカワムラシがやったことは「自分に賛同する御用議会以外は許さない」ということであり、もはや議会の存在否定です。これをファシズムと言わずして何というのでしょうか。
カワムラシはこれをいかにも庶民のための民主主義を実現させる行動であるかのように装うわけですから、許されない詐欺です。

多数の市民が再びやすやす「小泉手法」に騙されたことを不思議だとは思いません。だって未だに小泉氏に騙されたなんて思っていない人が結構いるのですから。
今でも小泉が総理に返り咲くことに賛成する市民は多いでしょう。だからカワムラシの小泉手法は大成功を収めたのだと思います。

多数の市民が小泉構造改革で酷い仕打ちをうけたことから何も学んでいないのは、ある意味当然でしょう。
もともと「お任せ民主主義」な国民性ですから、自分たちが選んだ小泉がどういう政治を行い、その結果どういう事態を招いたのか、自分たちで検証しようなんてほとんどしません。
現に小泉時代に格差社会が歴然としたモノになったのにかかわらず、小泉氏が格差社会を作ったなんて思わず、せいぜい「なんかようわからんけど、構造改革が不徹底だったせいで格差社会になったらしい」とか「今は世界的な不況なんだからうまくいかなくても仕方ない」位の認識しか持ち合わせてない人が多いのではないでしょうか。

ですから小泉構造改革やワンフレーズポリティクスのような小泉手法に対する批判は政権交代した新政権の役目だったと言えるでしょう。
しかし新政権はこの総括を全くと言っていいほどしませんでした。
これが大間違いの元です。
野党時代に批判していた官房機密費やイラク派遣などを政権についた途端追認したことからもわかるように、民主党は前政権の悪政を黙認しました。
そりゃそうでしょう、今の政権をみてもわかるように、民主党は小泉構造改革をまんま継承する政治がしたいというのが本音ですから、本気で自民党の悪政を総括するはずなどありません。
野党時代の「国民の生活が第一」の視点に立った国会での発言は所詮国民の味方を装ったカモフラージュに過ぎなかったわけです。

かくして、「小泉手法」は郵政選挙の時と全く同じように、名古屋市民に対して実に有効でした。
あれだけ痛い目にあったのに、進歩無し。

次にマスコミの問題があります。
マスコミ、特にお膝元の中日新聞はカワムラシの主張や政治手法に甘かったと思います。
というのは、減税したら財政の財源はどうする?というというツッコミはよく掲載していたものの、河村減税はほんの一部の金持ちを優遇するだけで多数を占める庶民には美味しいところなど実は一つもなく負担が増えるだけ、減税が市民サービスなんて嘘八百であることはあまり暴露しませんでした。

財源不足はもちろん真実ですが、そればかりを強調するようでは対立候補が選挙に負けるのは必死でしょう。
だって、年収2000万の市議会議員の給料削れば良いではないかと議会への憎悪の種に転化されてしまうのがオチだからです。
河村減税は貧乏人が泣きを見、金持ちが笑うだけである事実を、マスコミ特に地元紙はもっと報道することが「権力を監視するウォッチドッグ」としての役割だったと思います。

地方発信の草の根ファシズムはますます強固に増殖中。
「ファシズム批判は権力批判だけでなく国民批判も行わねばならない」と私は何度か書きました。今回は遠慮無く書かせてもらいます。

河村陣営に投票した名古屋市民は愚かな選択をしたものです。
減税で手痛いしっぺ返しをくらう以上のものをもたらしました。この選挙でポピュリストに熱狂して後押しする風潮をますます促進させたのです。
このツケは名古屋市民に留まらずやがて国民に回ってくるでしょう。
コメント (21)
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名古屋市長選、愛知県知事選。そして東京都知事選―ポピュリズム政治にサヨナラするために―

2011年02月08日 21時46分31秒 | Weblog
★大分の東本高志さんからこんなメールが届きましたのりで紹介します。 驚くだけで
 論評の少ない地元識者に刺激をとの思いもあり紹介します。
                            ネット虫

=====================================
一昨日6日日曜日の午後8時45分。NHKテレビは同局の看板番組の大河ドラ「江」の終了直後に名古屋市長選挙と愛知県知事選挙の開票前から同市長・県知事選における河村たかし、大村秀章のダブル圧勝と当選確実、その河村たかしが強引に音頭をとった名古屋市議会解散の賛否を問う住民投票における賛成多数の結果を伝えるニュース早々と流しました。テレビには早々と当選確実を果たした河村たかしと大村秀章のハシャギ声とその姿が大きく映し出され、また流されていました。予想はしていたもののこのなんとも寒々しい風景に私は深く身ぶるいし、やりきれない思いをかみしめていました。これがいまのこの国、また社会の現実なのだ、と。

一方で、この河村たかしと大村秀章のダブル圧勝と名古屋市議会解散決定のニュースを欣喜雀躍して喜ぶ者がいます。その人々はおおむねいわゆる小沢礼賛者に一致し、小沢信奉=河村信奉の構図を作っています。その代表格は次のような人士でしょう。

(1)植草一秀「河村市長大勝が示す菅政権庶民大増税糾弾の民意」(2011年2月7日)
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/post-88e0.html
(2)天木直人「河村さん、おめでとう。これからが勝負ですよ」(2011年2月8日)
http://www.amakiblog.com/archives/2011/02/08/

こうした小沢礼賛者たちがいかに管・民主党政権を強く批判したところで、彼ら、彼女たちが礼賛するその小沢一郎も同党前代表や幹事長を歴任した誰よりも民主党的な民主党員であることが明らかである以上、この小沢礼賛は結果的に民主党礼賛、擁護の論にしか成り果せないのですが、彼ら、彼女たちにはそうした自覚は皆無のようです。実に非論理的な思考力としかいいようがありません。こうした彼ら、彼女たちの非論理的な思考のベクトルが小沢信奉から河村信奉に向かうのは見やすい道理というべきでしょうか。

次のような人士も本人の思惑、また意図を超えて結果的に小沢信奉=河村信奉の構図を作ってしまっている一員に成り果せていると見てよいでしょう。

(3)保坂展人「「名古屋・愛知の乱」と政権交代の残像を重ねて考える」(2011年2月6日)
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/7b4a0e9f64eeb7452dccc78bb0c8ea58

保坂氏は河村たかしと大村秀章のダブル圧勝を次のように評価します。

「自民党のような政治は、自民党が一番得意だ。政権交代したことの意義は、一度でいいから『自民党でない政治をしてほしい』ということではなかったか。旧体制を代表する新聞・テレビが民主党政権の『頼りなさ』『非現実性』を批判したからと言って、立ち止まってはいけない。しかし、現状は立ち止まるどころか後退してしまっているように多くの人が感じている。」

その政治の後退を止めうる展望を示したのが今回の「名古屋・愛知の選挙結果」であり、「名古屋市長選挙の河村氏、愛知県知事選挙の大村氏の勝利」であった、と保坂氏は評価するのです。ここには河村、大村のポピュリズム政治の経歴、その危険性を見抜く0.01の深視力も感じることはできません。こうした保坂氏の姿勢には民主党に必ずしも批判的ではない、逆に親和的なハンパな革新政党である社民党の党員であるという事実と相呼応するふがいなさしか私は認めることはできません。(注1、2)

注1:上記のようなハンパな民主党批判論者及び社民党系支持者の小沢礼賛思想の跳梁を許している背景にはどんなことがあっても共産党だけは評価したくない、また票は入れたくない、という思想の根深いとこにある一種の反共主義が横たわっているように私には見えます。だから、左記の民主党批判論者及び社民党系支持者は、菅・民主党政権は許せないけれども小沢・民主党政権の実現には期待するという実に中途半端な「革新」思想しか持ちえないのです。しかし、そうした一種の反共主義を人々の思想に根深く根づかせている大きな原因は実は共産党自身が再生産し続けているのだともいわなければならないように思います。そして、このことに共産党もまた無自覚、無知覚なのです。こうしていま政治は残念なことに低次元のレベルで堂々巡りを続けています。私たち真の革新政治の実現を願う者はいずれにしてもこの閉塞状況を打ち破る必要があるでしょう。その契機となりうるのは、それぞれの政党、政党支持者、また革新系無党派市民がそれぞれの陥穽としての無自覚、無知覚に気づくところから始まるように思います。

注2:上記(1)(2)(3)のブログ記事はともにNPJ(News for the People in Japan)紙の「NPJ お薦め 論
評」欄に掲載されているものです。以前にも述べたことですが、このようなポピュリズム政治擁護の記事
を「お薦め 論評」として掲載することに躊躇しないNPJ編集部の非見識に私は大きな疑問を持ちます。
「私たちは憲法と人権を守る市民の側からの情報発信とコミュニケーションを提案します」というNPJ宣言
文に反する営為というべきではないか、と。
http://www.news-pj.net/npj/profile.html

さて、上記(1)(2)(3)のポピュリズム政治擁護の記事のほかに次のような河村、大村市政(県政)擁護
の記事もネット上には出回っています。河村、大村市政(県政)擁護者の頭の構造、愚の本質が顕著に
表れ出ている記事という点ではおおいに負の参考になりえますし、同記事でふりまかれているデマを(幼
稚なデマですが、かといって)放置しておくわけにもいきません。以下1、2の点について同記事を批判し
ておきます。

■「名古屋の選挙 やっぱり民主主義」(武田邦彦/中部大教授 平成23年2月7日)
*「平成」という年号のつけ方にもこの人の頭の構造がよく表れ出ています。
http://takedanet.com/2011/02/post_c1fc.html

武田邦彦という某大学教授は知る人ぞ知るトンデモ学者として有名な人です。彼のこれまでのトンデモぶ
りについては下記のブログ記事をご参照ください。

■地球温暖化懐疑論者「武田邦彦」教授の呆れたトンデモぶり(きまぐれな日々 2009年10月1日)
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1002.html

ここでは今回の武田某の記事のトンデモぶりの1、2の例をあげて批判しておきます。

第1。この武田某は上記の「名古屋の選挙 やっぱり民主主義」という記事において名古屋市選管を
「公平な委員会ではなく、特殊な政治団体で、選挙結果を自分の考え通りにしようとする、いわば『犯
罪団体』」とまで糾弾しているのですが、その「犯罪団体」の証拠のひとつとして下記のような例をあげ
ています。

「今回も、市議会解散の投票に際して、投票用紙に『賛成』と漢字で書かなければいけないと言うこと
になったのです./例えば『賛成』という漢字が難しいので『さんせい』」とひらがなでかいたら無効とい
う事です./ひらがなは日本語です。それに、投票覧には『賛成』か『反対』しかないのですから、『さ
んせい』とひらがなで書いてもその人の意志は分かるはずなのです.」

しかし、武田某のあげる上記の例は嘘八百です。実際には投票用紙の漢字表記について名古屋市
選管事務局は次のような告示文を発表しています。
http://www.city.nagoya.jp/senkyokanri/page/0000020577.html

「名古屋市議会の解散に賛成の場合は『賛成』と記入してください。/名古屋市議会の解散に反対
の場合は『反対』と記入してください。/『賛成』または『反対』を平仮名やカタカナで記入してもかま
いません。/他のことは記入しないでください。」

ご覧のとおり名古屋市選管は「『さんせい』」とひらがなでかいたら無効」などとは一言も言っていま
せん。少し調べれば誰にでもわかるようなウソを武田という大学教授は平然と述べて恥じない人な
のです。武田某という「学者」のトンデモぶりの一端がおわかりになられたと思います。

第2。武田某は「私にとっては市議会の解散に関する投票にもっとも強い関心がありました。結果
は賛成が70万票、反対が20万票で圧倒的多数で解散が決定しました」と河村ポピュリズム市長
が音頭をとって行った今回の市議会解散投票を手放しで礼賛するのですが、中日新聞(2010年9
月18日付)はこの市議会解散投票について、「わざわざリコールなどせずとも、来年(2011年)4月
の統一地方選で名古屋市議会は改選を迎える。それを2か月早めるだけのリコールで、4億5千
万円もの費用がかかる。これを、たの使い道に使えば何ができるか」として河村市長が音頭をとっ
た今回の市議会解散住民投票運動を強く批判しています。以下、中日新聞記事からの引用(リン
クがすでに切れていますので下記ブログ記事から再引用します)。

■名古屋市民の暮らしを破壊する「河村たかし」に騙されるな(きまぐれな日々 2010年9月21日)
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1112.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
リコール費用4億5千万円 ほかに使えば何ができる?(中日新聞 2010年9月18日)

 4億5千万円-。名古屋市の河村たかし市長が先導する市議会解散請求(リコール)運動で必
要な署名数が集まった場合、住民投票までにかかる費用だ。実は、リコール不成立でも市議会
は来年4月に任期満了を迎える。選挙を2カ月、早めるためだけの税金の無駄遣いか、民主主
義のコストなのか。そもそも、このお金があれば何ができるか。市の予算を基に試算した。

■待機児童

 定員超過の状態が続く市内の保育所。入園を希望しながらかなわない待機児童は4月現在で
約600人、潜在的な需要も加えると2400人に上る。

 民間の保育所を整備すると、国の補助制度があるため、市の負担は1園あたり1300万円で
済む。4億5千万円なら34園を整備できる計算だ。90人定員で3060人が入所でき、問題を一
気に解消できる。

■給食費

 小学生の給食費は各家庭が毎月、児童1人につき3800円を負担している。4億5千万円を
充てると、1年間は月額3470円と、300円程度の値下げになる。

 中学生の半数が利用するスクールランチ。1食280円で、ほぼ全員がスクールランチを食べ
た場合の30日分に相当する。「スクールランチ月間」と銘打ち1カ月間、生徒に無料で食べて
もらう試みも可能だ。

■敬老パスなど

 市の公共交通機関が乗り放題となる敬老パス。65歳以上なら、収入に応じて年1000~5
千円で入手できる。45%の「値下げ」ができ、550~2750円まで引き下げられる。

 名古屋港水族館の人気者の雌シャチ「ナミ」を和歌山県太地町から譲渡してもらった際には
5億円を支払った。5千万円を上積みして雄シャチを購入し、繁殖に期待するアイデアも夢で
はない。

 ちなみに、河村市長と市議会の間で激しい応酬が続く議員報酬(制度上は年1600万円)と、
第2報酬とも指摘される政務調査費(同600万円を会派に支給)に置き換えると、市議20人
分に当たる。一方、市長が引き下げた自身の給与(800万円)だと任期14期分(56年)とな
る。

<リコールの費用> 名古屋市選管の試算によると、提出されたリコール署名が有効かどう
かを審査する人件費などに5000万円が必要。その後、住民投票を行うことになれば、職員
の超過勤務手当やはがきの作成などで4億円がかかる。リコール成立なら市議選は来年2月
ごろに実施される見込みで、任期満了の場合の2カ月前倒しとなる。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

まったく何をかいわんやです。武田某の河村市長指揮する市議会解散投票礼賛の論は中日
新聞が指摘する上記のような良識的な論を一切無視した上で成り立っているコケオドシの論
といわなければならないでしょう。

一方、こうしたコケオドシの河村市政、大村県政礼賛の論を小気味よく批判する市民の論も
もちろんあります。そうした論の中からこれも1、2の論を紹介しておきます。

■河村たかし・大村秀章一派が完勝! だが勝負はこれからだ(きまぐれな日々 2011年2月7日)
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1153.html

「名古屋市長に再選された河村たかしは、『減税vs.増税』を政治の対立軸にするのだという。
だが、当ブログで繰り返し主張しているように、これはまやかしの対立軸であり、国政で消費
税増税路線を推進する菅直人や与謝野馨と、地方で減税を訴えて首長選に圧勝した河村
たかしや大村秀章は『同じ穴の狢』である。要するに与謝野や菅が金持ちを優遇して貧乏人
から税金をむしり取ろうとしているのに対し、河村や大村は、これまでにも十分すぎるほど優
遇されてきた金持ちの負担をさらに軽くしようとしているに過ぎない。」

「今回の選挙結果を受けて、社民党の保坂展人氏は自らの所属した政党が推薦した候補が
惨敗したことには何も触れずに、河村たかしに妙に親和的なブログ記事を公開するという、
ふがいない姿をさらしている。また、(略)河村たかしと訣別した元ブレーンにして、90年代の
『政治改革』を主導した学者の一人である後房雄氏は、

  河村=大村陣営には小沢グループの秘書たちが支援に入っていたということですから、
  小沢氏の動きとも水面下で連動しそうです。

と書いている(略)。/後氏は、『最悪のシナリオだ』とか『地方議会のこれまでの実態、民主
党政権の惨状から見れば自業自得』などと書くのだが、ご自身が『二大政党制』を目指した
90年代の政治改革を旗振りしたことや、河村たかしのブレーンをつとめたことの責任をどう
考えているのかと言いたくなる。」

■河村・大村圧勝は「いつか来た道」(Afternoon Cafe 2011年2月7日)
http://akiharahaduki.blog31.fc2.com/blog-entry-651.html

「『減税を阻む悪の議会を倒す庶民革命』/『減税か増税かを問う』/完全なるワンフレーズ
ポリティクスの勝利です。/まんま小泉手法引き写しです。/もちろん名古屋市議会は批判
されるべき点が色々あったでしょう。しかし市民の不満とリコール制度を逆手にとって、自分
に従わない議会を悪玉に仕立て上げ解散させるとは、狂気の沙汰です。」

「カワムラシがやったことは『自分に賛同する御用議会以外は許さない』ということであり、も
はや議会の存在否定です。これをファシズムと言わずして何というのでしょうか。/カワムラ
シはこれをいかにも庶民のための民主主義を実現させる行動であるかのように装うわけで
すから、許されない詐欺です。」

さて、3月24日の告示まであと44日と迫った東京都知事選についてです。いまのところ同
知事選に名乗りをあげている候補者は共産党の小池晃氏ひとり(明日9日に正式表明予
定。時事通信、2011年2月8日付)。

今日8日開会の都議会の施政方針演説で都知事選出馬を表明するのではないかと去就
の注目されていた石原慎太郎現知事については、石原の長男の自民党幹事長の石原伸
晃が石原の出馬表明の代わりに今日8日午前の記者会見で「幹事長としてはぜひ出てい
ただきたい」と石原現知事に自民党として正式に近く4選出馬を要請する意向を明らかに
しました(毎日新聞、2011年2月8日付)ので、石原はおそらく近く都知事選出馬を正式表明
することになるでしょう。

これも都知事選出馬の去就が注目されていた宮崎県前知事の東国原英夫は25日に東京
都内のホテルで会合を開き、その席で都知事選への立候補を表明する手はずになってい
るようです(読売新聞、2011年2月5日付)。

民主党の都知事選への対応はいまひとつ明確ではありませんが、同党の「岡田幹事長は
3日の記者会見で、4月の東京都知事選で他党が擁立した候補に相乗りする可能性につ
いて『基本的にそういったことは考えていない』と否定」(日本経済新聞、2011年2月3日付)
していることから、蓮舫行政刷新相を中心に同党の独自候補の出馬の可能性を探ってい
るものと見られます。

いま、革新勢力唯一の候補として立候補表明している小池晃氏(共産党系無所属)を勝
手連をつくって応援しようという運動が構築されようとしていますが、そうした運動の趣旨
はよく理解できるし、そうした運動が高まっていくことを私も期待しますが、失礼ながら私
は小池晃氏(共産党系無所属)ひとり(一党派)の単独の力では前回(2007年)都知事
選の投票結果を見れば明瞭だと思いますが都知事選への確実な出馬が予期される石
原慎太郎にも東国原英夫にも遠く及ばないだろうと思います。

前回(2007年)都知事選の上位4人の投票結果は次のようなものでした。

当選 石原慎太郎 2,811,486 51.06%
    浅野史郎   1,693,323 30.75%
    吉田万三    629,549 11.43%
    黒川紀章   159,126  2.89%

前回知事選での石原の獲得得票数は吉田万三氏(共産党系無所属)もよく健闘したも
のの同氏の獲得得票数の実に4倍以上、5倍近くもあります。このままではふつうに考
えて小池晃氏(共産党系無所属)は石原慎太郎にも東国原英夫にもおよそ太刀打ち
できないでしょう。

石原や東国原と互角に太刀打ちするためには小池晃氏の闘いを決して単独(一党派)
の闘いにしないことです。幸いいわゆる革新陣営の陣容の中には無党派層を中心とし
た「東京“待ったなし!”アクション(前東京。をプロデュースⅡ)」やマガジン9の活動も
あります。こうした無党派層の活動媒体と手をつなぎ、石原ポピュリズム都政打倒の声
を大きく高めていく必要があるでしょう。

いまさら悠長なという気もしないではありませんが、決して遅くはありません。「マガジン
9」は「私はこの人を都知事に推薦します」という大募集運動を展開していますが、最新
号では次のような宣言をしています。「多彩な顔ぶれが出そろってきたところで、本気で
『マガ9推薦』候補者を考えたい!」。
http://www.magazine9.jp/totiji2011/index8.php

また、「東京“待ったなし!”アクション(前東京。をプロデュースⅡ)」も「わたし達は、市
民と共に都政を動かす都知事候補を立てたいと考えています。(略)そこでこのページ
では、推薦したい方のお名前を挙げていただくことをお願いします。/それらの世論数
字も持って立候補交渉を加速していきたいと考えております」と宣言しています。
http://www36.atwiki.jp/tokyo2011action/

これらの運動を合流させ一本化させることが重要です(上記で私が批判した植草一秀
さん、天木直人さん、保坂展人さんなど本来革新的な志向を持つ論者ももちろん含め
てのことです)。「マガジン9」も「東京“待ったなし!”アクション」も「石原都政ストップ」
を最大、最強の合言葉にして場合によっては現段階で革新勢力唯一の候補として名
乗りをあげている小池晃氏を革新共同の候補として擁立する度量を見せる必要があ
るだろうと思います。もしくは誠心誠意努力してすでに革新候補を擁立している共産党
をも納得させることのできる新たな革新共同の候補者を擁立させることです。対共産
党、対社民党のような関係になっては断じていけません。対共産党、対社民党の関係
を乗り越えた革新共同の擁立に繰り返しますが誠心誠意努力することです。

一発大逆転ホームラン(一発大逆転ホームランとは新たな候補者の擁立を必ずしも意
味しません。みんなが共闘できる(できうれば民主党も)革新共同候補を実現するとい
う意です)が飛び出ることを私は期待します。

その一発大逆転ホームランを打ちえるかどうかは、私はどうしても石原反動都政をスト
ップさせたいという市民(都民)の打算なんかとは縁もゆかりもない必死、捨て身の願
いと力にかかっているように思います。

参考:
■(1)名古屋市長選、愛知県知事選。そして東京都知事選―ポピュリズム政治にサヨ
ナラするために―(弊ブログ 2011年2月8日)
http://blogs.yahoo.co.jp/higashimototakashi/10922045.html
■(2止)名古屋市長選、愛知県知事選。そして東京都知事選―ポピュリズム政治にサ
ヨナラするために― (弊ブログ 2011年2月8日)
http://blogs.yahoo.co.jp/higashimototakashi/10922078.html




東本高志@大分
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TUP 速報 879 号エジプト民衆蜂起 @ ロンドン2・3信  ネット虫

2011年02月08日 18時15分54秒 | Weblog
<第2信>

1月29日土曜日23時50分GMT (日本時間30日8時50分)

6時からはアルジャジーラ・イングリッシュ。午後11時までの放送なのでもうすぐ終わる。

息子の友達が夕方から遊びに来ているので放っておくわけにもいかずに夕食のしたくなどしていた。今夜はスリープオーバー。

夕食は3人でアルジャジーラを見ながらというまことにポリティカルなものになった。

「アラビア語じゃないね」と言うので「アルジャジーラ・イングリッシュだからねえ」と言いつつ、6時から11時までは無料視聴時間と説明。

これは89年と同じぐらい大きな歴史の転換点になる可能性があるからよく見ておきなさいというと、ちょうどいま冷戦について学習中の息子は憶えたてほやほやの知識を披露してくれる。ジャーマンの壁だよね。そうそうベルリンの壁が倒れたとき、そうだよ、それからチェコとかルーマニアとかハンガリーとかポーランドとかばたばたいっちゃってさあ。あ、それはみんなソ連の衛星国だよね。半年ぐらいのあいだにソ連は中欧のお友達を根こそぎなくしちゃって、2年後には自分も壊れちゃったんだよ。

今日の献立は巨大な鉢いっぱいのレタスとツナのサラダ(オリーブオイルとホットチリと醤油のドレッシング)、タイチキンカレー、パクチョイ(青梗菜)とビーフのオイスターソース炒め、キュウリの塩昆布漬け、ごはん。甘くないアルコールを飲んでみたいというのでカンパリソーダ、わたしはギネス。

エジプトが引っ繰り返ったら、きっとベルリンウォールぐらいのインパクトがあるから、そのあとばたばたいくかもしれない。イエメンがもう燃え始めてるし、ヨルダン、レバノン、もしかしたらサウジまでいっちゃうかも。そうしたらアメリカは中東のお友達を根こそぎなくしちゃうことになって、89年のときにソ連から得たものよりずっとたくさん失うかも。石油が出るしさ~。

そうなれば(このあたりで子どもたちは自室へ去る)、パレスチナ・ペーパーズの流出[註2]で袋小路に入ったきりにっちもさっちもいかなくなってたパレスチナ情勢にも動きがあるだろう。アメリカが中東での覇権を失えば、イスラエルはいままで通りにはいかない。ハマスはタリバンみたいに世間知らずじゃないから、きっとうまくやれるだろう。

[註2]アルジャジーラが設けたウィキリークスタイプの内部告発窓口に投じられた情報で、先週初頭からアルジャジーラと英ガーディアン紙のウェブサイトで順次公開が始まっている。イスラエルとパレスチナ(PLO/ファタハ)との交渉に伴って作成された約10年分の書類が含まれ、二国家が成立した場合、パレスチナ領土となるはずであった東エルサレムの多くの土地がイスラエル領となることをPLO側が了承していた事実など、表向きの交渉とは大きく異なる裏の事情が明らかになりつつある。PLO側の交渉能力の低さについてはサイードが生前から指摘していたが、それがあからさまになった恰好で、代表の裏切りに対し、パレスチナ人社会には怒りと失望が広がっている。

ガーディアン紙の「パレスチナ・ペーパーズ」ページ

http://www.guardian.co.uk/world/series/palestine-papers-documents


息子の友達は、イースターの休みに息子もいっしょに紅海に旅行に行っていいかと聞くが、ほんとに独裁者亡命ドミノが起きたら、イースターの頃はまだどっか燃えてるんじゃないの? 紅海ならイスラエルだからもろ危なくないか?

まあ、それについてはあとで考えよう。



カイロ中心部の解放広場に人が集まっていた。大きなロータリーみたいなものがあり、それをずいぶん高いビルの上から写した映像。最初に見たのは7時ぐらいで(現地時間9時)、その後30分ごとぐらいにそのライブ映像を見せてくれるんだけど、見るたびに人の数が増えていて、23時ちょっと前(現地時刻午前1 時)、アルジャジーラの無料視聴時間が終わるころには、まるでお祭りに集まる群衆のように多くの人がいた。

警察が街からすっかり姿を消し、国中で略奪が始まった。放火もあちこちで。国立博物館も襲われていた。だれが襲っているのかはわからない。捕まった人も見せてたけど、顔見たからってどういうバックグラウンドかわかるわけではない。アルジャジーラで紹介していたツイッターに、チュニジアのときと同じだ、略奪者がわざと街に放たれているといったものがあった。

戦車の上から軍人(たぶん、小隊長クラス)が周囲をぎっしり埋め尽くす群衆に叫んでいる。どうか若い人たち、自分の家の近くをみんなで守ってくれ、わたしも軍服を脱いでギャングから街を守ることにする。

どうか、自分の家と家族と国を守ってくれ。

それに答えて若者たち、男たち、少年たちが、自警団を作り、あちこちに検問所を作り、自分たちの手で自分たちの街の安全を守っている。夜間外出禁止なんてもうだれも気にかけていない。

それにしても英語がうまいんでたまげるなあ。だれもかれもが流暢というわけではないけれど、マイクを向けられれば、いま何が起きていて、自分たちが欲しいものは何で、そのためには何が起きればいいとかいったことについてたいへん雄弁だ。


23.50PM GMT


**********



<第3信>

2011年01月30日日曜日22時00分GMT(日本時間31日7時00分)



革命なう@エジプト第6日



夜間外出禁止令が解けるとすぐに第6日のプロテストが始まった。いい天気だ。女性の姿もけっこう見られる。

カイロの上空をジェット戦闘機が2機低空飛行し、他に軍用ヘリコプターも飛んでいる。カイロからの特派員の報告が、ジェット戦闘機の爆音で聞こえなくなることがある。ちょっと前にムバーラクが軍司令部を訪問したというし、何か関係があるのか。徴兵制なので兵士と民衆のあいだの垣根が低く、友好的で、実際にそのような場面がいくつも報道されているが、ムバーラクが軍隊出身だけにやはりトップやエリートなど司令官クラスは一般兵卒とは違うだろう。心配だ。天安門は見たくない。

(後述> 人々が集まる広場の上空の非常に低い位置を戦闘機が通過するとき、人々は空を見上げて不安そうにしている、と報告するレポーターがいる一方で、自らその群衆の一員となっているエジプト系イギリス人の作家(女性)は、確かに不安そうにはしているけれど怖がってはいないとBBC24のインタビューに答える。エジプトの人々のこのような怖がらない姿はかつて見たことがないと。集会そのものが禁じられていたエジプトでは、野外の目立つ場所に大人数で集まることだけでもものすごい勇気がいる行為だから)



周囲のアラブ諸国のリーダーたちは反乱の伝染を恐れていて、特にイスラエルでは不安が広がっているとのこと。最も避けたい展開は、ムバラクが退陣し(今回でなくても11月には去るはずで)、そのパワーの空白にムスリム同胞団が入ること。ムスリム同胞団はガザを実効支配する(実際のところ、パレスチナの総選挙で勝利した)ハマスに近しい。

これはアメリカにとっても最悪のシナリオ。そもそもムバーラクがいなくなると、アメリカが描く中東和平のロードマップは成り立たなくなる。

昨日の新リーダー(首相と、30年ぶりの副大統領)の任命に続いて、首相がいま新内閣を組閣中とのこと。でも新味のある顔ぶれが出てくる可能性は低く、いずれにせよ、ムバーラクが去るまで人々は納得しないのではないか(するわけないよな~)。

(後述> サンデイタイムス紙が政府中枢からの情報として伝えるところでは、今回30年ぶりに復活した副大統領の任に就いたばかりのオマル・スレイマン将軍と、防衛大臣[前の大臣ということだと思います、組閣前なので] のモハメド・タンターウィー 野戦司令官[元帥クラスか] が、現在の混乱を沈静化させるために権力の座から退くべきだとムバーラクを諭しているとのこと。この2名はエジプト陸軍の最高位の軍人)[註3]

[註3]タイムスの記事は無料公開されていません。ウェブサイトは以下の通りです。

http://www.thetimes.co.uk/tto/news/?CMP=KNGvccp1-times


カイロでは携帯電話の回線の一部とインターネットの一部が回復したとのこと。ウィキリークスは、今現在のインターネット不通状況を受けて、例のテレグラフ特報を含む流出公電をファックスでエジプトに送っているとか。どこに送っているのかは知らない。

アルジャジーラは当局によって活動を止められているらしい。夕べ、アルジャジーラ・イングリッシュはモルグを取材していた。血に染まったシーツをかぶせられた死体が何体も運び込まれていて、モルグの外では家族が泣き叫んでいた。そのモルグに運び込まれていた死体は警官に殺された人がほとんどのようだった。



ホリデイメーカー(休暇旅行者)の脱出は進んでいない。エジプト当局が夜間外出禁止令を恣意的に変更したので、チャーター便の帰りの離陸のタイミングを逃したりしているようだ。今現在、カーフュー(外出禁止)は午後4時から朝8時(1日の2/3)に適用されていて、その時間帯には離着陸ができなくなる。

昨日のニュースでカイロの空港にたどり着いた年配のイギリス人女性が、エジプトの市民のみなさんにはとても共感するし、かれらの境遇が改善されるように願っている。でも、昨日のデモの投石はちょっと怖かったわ、と言っていた。今の時期、学齢期の子どものいるイギリスの家庭はホリデイには行けないので、ホリデイメーカーは年配の方か小さい子ども連れが多い。



15.40 GMT

アイルランドなう> ブラッディサンデイ(血の日曜日)の30周年マーチが行われている。

日曜日。マーチは今年で最後になる予定とのこと。

***

夜間外出禁止の時刻を過ぎても人々は立ち去らない。モハメド・エルバラダイがムバーラクに辞職を促すスピーチをする予定のタハリール広場には、続々と人が集まってきている。子連れも多く、休日の夜の散歩のようだとレポーターが言う。

国連はムバーラクに対し、プロテスターに譲歩するよう呼びかけた。

だが、ヒラリーのインタビューを聞くと、彼女はまだまったくムバーラク後のエジプトは想定していないみたいだ。

オバマもプロテスターの声に耳を傾けろと言い、インターネットと携帯電話はいまや最低限の文化的生活の一部だと(いうような意味のこと、正確に覚えてないですが)言って、それを禁止することの愚を説いてはいたんだけど、やっぱりムバーラクがリーダーであり続けることを前提として話していた気がする(昨日のスピーチ)。そうなると、アメリカの立場はなんだろ?

ムバーラクが退陣した場合、いまの調子で進めばエルバラダイが暫定リーダーになって、できるだけ早く普通選挙を実施するだろう。そうなるのがいつのなのか判断はできないが、今夜のカイロのデモクラシーの盛り上がりかたを見ていると、実現されるとすればそう遠くではないように見える。

もしそうなら、アメリカはそろそろ方向を切り替えておかないとまずくない? そのわりに、そういうポーズが見えない。そうならない(ムバーラクが退陣せずともいまの危機が解決する)という確信(裏付け)でもあるのだろうか。それとも状況を見誤っているのか。



16.30 GMT



今日、エルバラダイが大群衆の前でムバーラクに引導を渡した広場、タハリール広場は昨日、アルジャジーラ・イングリッシュが解放広場(Liberation Square)と呼んでいた場所と同じ場所のように見える。カイロの中心部にある。今日はアルジャジーラもそう呼んでいる。広場にはいまも(現地時間は 31日の午前零時)たくさんの人がいる。

アルジャジーラは活動を制限されたということだったんですけど、新しい映像も入れて放送してるぜ。人々への取材ができなくなったのかしら。



ムバーラクの息子(ムバーラクが後継に予定していた息子カマル)が、妻と娘を連れてロンドンにいるらしい。プライベートジェットでロンドンに飛んだとどっかの放送局が報じたそうだ(水曜日)。ナイツブリッジの高級住宅街にかれのロンドン別邸があり、その近所で張り込んでいたカメラマンが嫁の車を見かけたそうだ。かれはロンドンで長く暮らしていたことがあり、知人も多く地理その他にも明るいとか。

脱出? 亡命先候補? とーちゃんも来るの? ちょっといやかも。でもありそうだなあ。チュニジアのベンアリを追ってサウジに行ったところで、そこがどのぐらいもつかわからないものね。

今日の放送からBBCは警察官は逃亡した(run away)と言うようになった。昨日までは消えた/姿が見えなくなった(disappeared)だった気がするんですが。

ロンドンなう> メイフェアのエジプト大使館前のプロテストは今日で3日目。昨日はトレードユニオンとスチューデントユニオンのデモが、ここのプロテストに合流したらしい。



★続きは「TUP 速報」というHPをごらんください。



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既成政党のダメぶりを指摘しながら河村『劇場型』手法も批判」・トリプル選挙に関する社説      大西五郎

2011年02月08日 09時41分41秒 | Weblog
わが敬愛する大西さんのまとめたものです。(らくせき)

各紙社説と解説

☆[中日新聞]社説「河村市長へ三つの注文」

 第一は「独裁者になってはいけない」(議会とのチェック&バランス)
二つ目は「名古屋市という会社の社長たれ」(減税も名古屋市の収支をよく考えて)
三つ目は「よく聞いてほしい」(市民の要求で強かったのは医療・子育て)

各地で地方議会改革の波が起こり、首長と議会の衝突も起きている。
掛け声の分権、主権ではなく住民のための本物の自治とは何かを考える時であ    

  解説「破壊の次の創造を」 斎田太郎社会部長

選挙を通じて取材してきた有権者の声は「減税第一」でも「中京都」でもなく
「早く景気をよくして」であり「社会保障への投資」だった。
公約からすれば、御薗さんや石田さんの方が有権者の求めに近かった。
選挙結果が違ったのは民主や自民が有権者の期待に応えないからだ。

大村・河村連合の戦いは、小泉郵政選挙と似ていた。
単純化した対立構図を作って圧勝したが、郵政選挙の後、
熱から冷めた有権者は「小泉劇場にはまった」と省みた。
今回有権者は劇場型だと分かってなお投票したのではないか。
その敗北感こそ、政党はかみしめなければならない。
 
大村さん、河村さんはしかし、すべてを白紙委任されたと勘違いしないでほしい。
破壊力は十分見せ付けてくれたが有権者が求めているのは、破壊の後にある創造だ。
それには、次に選挙がある市議、県議との対話が必要だ。
住民が何を求めているか、耳を澄ませてほしい。
そうでなければ、信じて一票を投じた有権者は今度こそ、政治に絶望するしかなくなる。


☆[朝日新聞]社説「次は働く議会作ろう」

政権交代後の混迷もあり、社会の閉塞感は高まっている。
市民は、議会と激突する河村氏に喝采を送った。
特権にあぐらをかいて高い報酬を得ながら地域の暮らしにどう役立ってきたのか、
多くの市民に実感させられなかった。
冷静に考えてみよう。
議員報酬を半減させたところで、浮くお金はせいぜい6億円だ。
河村氏がいう10%減税に必要な200億円に遠く及ばない。
では行政改革で財源が本当に生み出せるのか。
市民サービスが削られないか。
いまこそ行政への監視が必要なときだ。
市民の代表である議会を攻撃するだけでは結局、市民が損をする。

次は議会にどのような人材を送り、どう再生するかである。
各党、各候補に知恵を問いたい。
地域政党を率いる河村氏も「壊す」の次に「作る」方策を見せてほしい。

  解説「『庶民革命』の終着点をしめせ」 前田直人

地域は今、ふたつの閉塞感の中にたたずんでいる。
ひとつは、経済の閉塞だ。
豊かだった愛知経済は2008年の金融危機で、一気に崖を転げ落ちた。
「元気な愛知」は過去のものとなった。そして政治の閉塞。
政権交代が起きた09年衆院選。あれから1年半。
政権交代への失望が広がり、民主党への支持は細った。県内の無党派層は6割。

既成政党が支配する議会という「敵」。地域政党という「受け皿」。
河村氏はその二つの道具立てで、不信のマグマをエネルギーに変えた。
対話よりも対決へ突き進む「河村流」は粗暴で危うい。
行革や議員報酬半額による「倹約」の訴えは共感を得るが、減税への賛否は割れる。
市民たちの思いも一様ではない。
その核心は、「閉塞状況を打破してほしい」という一点にある。
河村氏は大阪の橋下知事と組み、3月の出直し市議選、4月の統一地方選に臨む。
闘争心は十分伝わるが、気になるのは、その旗印である「中京都構想」の具体像を、
いまだまともに説明できていないことだ。

これまでも民意は期待と失望を繰り返してきた。
また新たな失望を招くようなら、罪は重い。
「河村流」がめざす着地点はどこなのか、しっかりと示してほしい。


☆[毎日新聞]社説「既成政党の埋没は深刻だ」
 
地殻変動を感じさせる異変である。
統一選を前に中央政党の推す候補があえなく敗れる様子は、
民主党をはじめとする既成政党の埋没ぶりを物語った。
政令都市として初のリコールによる議会解散も自治の歴史に刻まれる事態だ。
 
地方選で苦戦続きの民主党だが、愛知はさきの衆院選で15章選挙区すべてを制した
「民主王国」だけに、深刻だ。
政権交代以来、政治の変化が実感できない有権者の失望といらだちが
河村氏への追い風を呼んでいるのではないか。
自民党もふがいない。知事選は事実上分裂選挙となり、市長選は候補を擁立できなかった。
大阪でも、橋下知事が主導する地域政党が台風の目となりつつある。
政治が迷走する中で、2大政党がかすむ現状の裏返しである。

「旋風」のもうひとつのエネルギー源は、地方議会への住民の不満だ。
今回の投票から、住民の市議会への強い不信感が裏づけられた。
一方で、市議会との対決路線をひた走り、解散を主導した河村氏の手法も危うさを
はらむ。
対立勢力を攻撃し続けるばかりでは市政の歯車は回らない。
減税と市財政の健全化をどう両立させるかなど、
河村氏はより踏み込んで住民に説明すべきである。


☆[読売新聞]社説「危うさ伴なう愛知の劇場型政治」

知事選・市長選・住民投票を連動させる名古屋市河村前市長の戦略が奏功した。
河村氏には、今回の結果におごることなく、独善的な行政運営を慎むよう求めたい。
河村氏の“3連勝”は、「市民税減税の恒久化」を掲げる一方で、
これに反対する市議会を「悪役」に見立てる選挙戦術が的中した結果と言える。
背景には、高すぎる市議報酬に対する市民の強い反発もあったようだ。
しかし、住民に受けの良い政策だけを前面に押したて、
議会との対立を際立たせることを通じて支持を集めるという「劇場型」の政治には、
危うさが伴なう。

減税恒久化は将来世代へのつけ回しにならないか。
「中京都」構想も、具体像が見えていない。冷静な議論が必要だ。

名古屋市議会の出直し選挙は来月行われる。
河村氏は、自らが代表を務める地域政党から多数の候補を擁立し、
定数の過半数を占めることを目指すという。
市議会には本来、市長と一定の緊張関係を保ちつつ、
建設的な議論を通じて、市政の一翼を担う責任がある。
有権者も候補の資質と政策を慎重に見極めてもらいたい。

     解説「『河村流』第2幕を注視」 棚橋篤中部支社社会部長

トリプル投票で審判に付されたのはいずれも「河村流」だったと言ってもいい。
河村氏が民主党の推薦を受けて初当選を果たした一昨年4月の名古屋市長選は、
4か月後の政権交代の序章と位置づけられた。
民主党は数々の失態で国民を幻滅させたが、
河村氏は、その民主党をはじめとする既成政党と敵対し、
「固陋な議会と戦う首長」をアピールすることで、
「変革」を願う市民の期待をつなぎ留めた。
さらに既成政党の変革願望の受け皿となって、支持を拡大させた。

有権者が変革を求めるのは、変えてほしい現実があるからだ。
不景気、就職難、老後の心配・・・・。
身近な問題が将来への不安を広げ、閉塞感が社会を覆う。
だが、キャッチフレーズのように「減税」や「中京都」を繰り返してきた
(河村。大村)両氏の訴えから、
有権者の求める変革、すなわち切実な暮らしの問題を解消する具体的な道筋は見
えてこない。

圧勝で2幕目を迎えた河村流はどうなるのか。
変革への期待が失望に変わらぬよう、今後の県政・市政運営を注視していきたい。


               

概ね、批判的ですね。でも、どこか物足りない気もします。
社説には、なにが足らないのでしょうね?



コメント (2)
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