「米軍沖縄駐留が抑止力は方便だった」
許せない国民を欺く鳩山前首相の発言 大西 五郎
鳩山由紀夫前首相は2月12日まで2回にわたって
琉球新報や沖縄タイムスそれに共同通信との合同インタビューに応じ、
「普天間基地の移転先は国外、少なくとも(沖縄)県外」と国民に約束していたのに、
昨年5月に国外・県外の移転をあきらめ、名護市辺野古へと日米共同声明の線に
戻った経緯について語りました。
琉球新報や沖縄タイムスによりますと、鳩山前首相は
「(国外や県外への移転が難しく、移転先が)辺野古しか残らなくなったときに、
その(県内回帰の)理由に理屈付けをしなければならず『抑止力』という言葉を使った。
方便といわれれば方便だった。」と述べました。
その上で、米側とは「県外移設」に向けた具体的交渉はなく、
「最後はオバマ大統領との間でやるような話だったと今、後悔している。
『県外』を困難視する閣僚や辺野古支持の官僚を最後まで統率できなかったのは
力不足だった」と述べました。
また、沖縄に駐留する海兵隊の「抑止力」については
「(海兵隊は)一朝有事のときに米国民を救出するのが役割だから、
存在自体が直接、戦争の抑止、攻撃の抑止になるわけではない。
全体として4軍そろっていることが必要で、
全て関連している中での抑止力になる」という見解を示しました。
「方便発言」が報じられると、当然のことながら沖縄県側から
強い抗議の声が挙がっていますが、
鳩山前首相は14日に東京都内で報道機関に囲まれると
「自分から『方便』と言ったわけではない。
インタビューで『方便だったのではないですか』と聞くので、
『そう言われたらそうかもしれない』と答えたのだ」と弁解しました(15日朝日新聞)。
鳩山前首相は普天間飛行場移設問題を巡る迷走で社民党の連立政権離脱を招いたことや
自らの資金管理団体を巡る「政治とカネ」の問題の責任を取り
昨年6月に首相と民主党代表を退き、政治家を引退すると表明しました。
しかし舌の根も乾かぬうちに「現役復帰」し、政治とカネの問題で
多くの国民から批判されている小沢元民主党代表を擁護する発言を行うなど、
言葉の軽さが問題となっていますが、
言葉の軽さだけでは済まされず、鳩山氏は、沖縄県民だけでなく、
国民全体を欺いたことになります。
普天間基地の辺野古への移転の根拠が作り上げられたものであることが明らかになった以上、
後を継いだ菅内閣は改めてアメリカ側との共同声明を見直し、
米軍基地の国外・県外移転を交渉すべきです。
このような大きな問題であるにもかかわらず、
沖縄以外のメディアの反応の鈍さが気になります。
中日新聞は共同通信の配信を受けて13日に短く報じましたが、
14日が新聞休刊日だった関係もあり、
朝日新聞、毎日新聞、読売新聞が報じたのは15日になってからですが、
直接取材したのが沖縄のメディアだったということもあって、
朝日が沖縄タイムスの記事を紹介しましたが、
毎日と読売は大きな扱いにはなりませんでした。
読売新聞の見出しは「放言止まらず…鳩山前首相『方便』発言が波紋」でした。
「放言」と捉えているのは問題です。
許せない国民を欺く鳩山前首相の発言 大西 五郎
鳩山由紀夫前首相は2月12日まで2回にわたって
琉球新報や沖縄タイムスそれに共同通信との合同インタビューに応じ、
「普天間基地の移転先は国外、少なくとも(沖縄)県外」と国民に約束していたのに、
昨年5月に国外・県外の移転をあきらめ、名護市辺野古へと日米共同声明の線に
戻った経緯について語りました。
琉球新報や沖縄タイムスによりますと、鳩山前首相は
「(国外や県外への移転が難しく、移転先が)辺野古しか残らなくなったときに、
その(県内回帰の)理由に理屈付けをしなければならず『抑止力』という言葉を使った。
方便といわれれば方便だった。」と述べました。
その上で、米側とは「県外移設」に向けた具体的交渉はなく、
「最後はオバマ大統領との間でやるような話だったと今、後悔している。
『県外』を困難視する閣僚や辺野古支持の官僚を最後まで統率できなかったのは
力不足だった」と述べました。
また、沖縄に駐留する海兵隊の「抑止力」については
「(海兵隊は)一朝有事のときに米国民を救出するのが役割だから、
存在自体が直接、戦争の抑止、攻撃の抑止になるわけではない。
全体として4軍そろっていることが必要で、
全て関連している中での抑止力になる」という見解を示しました。
「方便発言」が報じられると、当然のことながら沖縄県側から
強い抗議の声が挙がっていますが、
鳩山前首相は14日に東京都内で報道機関に囲まれると
「自分から『方便』と言ったわけではない。
インタビューで『方便だったのではないですか』と聞くので、
『そう言われたらそうかもしれない』と答えたのだ」と弁解しました(15日朝日新聞)。
鳩山前首相は普天間飛行場移設問題を巡る迷走で社民党の連立政権離脱を招いたことや
自らの資金管理団体を巡る「政治とカネ」の問題の責任を取り
昨年6月に首相と民主党代表を退き、政治家を引退すると表明しました。
しかし舌の根も乾かぬうちに「現役復帰」し、政治とカネの問題で
多くの国民から批判されている小沢元民主党代表を擁護する発言を行うなど、
言葉の軽さが問題となっていますが、
言葉の軽さだけでは済まされず、鳩山氏は、沖縄県民だけでなく、
国民全体を欺いたことになります。
普天間基地の辺野古への移転の根拠が作り上げられたものであることが明らかになった以上、
後を継いだ菅内閣は改めてアメリカ側との共同声明を見直し、
米軍基地の国外・県外移転を交渉すべきです。
このような大きな問題であるにもかかわらず、
沖縄以外のメディアの反応の鈍さが気になります。
中日新聞は共同通信の配信を受けて13日に短く報じましたが、
14日が新聞休刊日だった関係もあり、
朝日新聞、毎日新聞、読売新聞が報じたのは15日になってからですが、
直接取材したのが沖縄のメディアだったということもあって、
朝日が沖縄タイムスの記事を紹介しましたが、
毎日と読売は大きな扱いにはなりませんでした。
読売新聞の見出しは「放言止まらず…鳩山前首相『方便』発言が波紋」でした。
「放言」と捉えているのは問題です。