「我々こそ失望」衛藤氏が首相靖国参拝への米声明に反論 (14.2.19 毎日新聞)
衛藤晟一首相補佐官が動画サイト「ユーチューブ」に投稿した国政報告で、昨年12月26日の安倍首晋三首相の靖国神社参拝に「失望」声明を発表した米政府を批判していることが18日、分かった。衛藤氏は、米側には事前に説明していたとして「むしろ我々の方が『失望』だ。米国はちゃんと中国にものが言えないようになっている。中国に対する言い訳として(失望と)言ったに過ぎない」と指摘した。
衛藤氏は投稿で、自身が昨年11月20日に訪米し、国務省のラッセル次官補やアーミテージ元国務副長官らと会談した際、「首相はいずれ参拝する。ぜひ理解をお願いしたい」と伝えたことを紹介。12月初旬には在日米大使館にも出向いて「(参拝時には)できれば賛意を表明してほしいが、無理なら反対しないでほしい」と要請したことを明らかにした。いずれも米側からは慎重な対応を求められたという。衛藤氏は安倍政権発足以来、首相に参拝を促してきた。
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「アメリカの国務省高官や在日米大使館に『安倍首相はいずれ靖国参拝をする』と説明し、『理解をお願いしたい』と頼んだのに、アメリカは聞き入れてくれず、失望した」というのは、あまりにも自分本位の考え方、言い分です。申し入れに応対した相手がいずれも慎重な対応を求めたというのですから、アメリカが安倍首相の靖国参拝に批判的だということはその時点で分かったはずです。
首相補佐官という職にある者が「アメリカはちゃんと中国にものが言えないようになっている」と言うのは外交儀礼上問題だということがわからないのでしょうか。昼のNHKのニュースによりますと、菅官房長官が記者会見で「衛藤総理大臣補佐官の発言は、あくまで個人的な見解であって、日本政府の見解ではないことを明言したい。安倍総理大臣の靖国神社参拝の趣旨を、諸外国に対して、謙虚に礼儀正しく、誠意を持って説明し、理解を求めていく」と述べました。(個人的な見解=籾井NHK会長の問題でもそう言いましたね!)
その上で菅官房長官は、衛藤総理大臣補佐官に発言の趣旨をただす考えを示しました。
衛藤晟一総理大臣補佐官は大分市議、県議を経て衆議院議員に4回当選した後落選、参議院に鞍替えして現在二期目。保守的な政治団体の創生「日本」、日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会、神道政治連盟国会議員懇談会、みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会などに所属し、古くから安倍首相と行動を共にしてきました。
NHKの経営委員の人選でもそうでしたが、安倍首相が自分の考えに近い、仲の良い人物を要職に送り込む傾向があり、百田尚樹、長谷川三千子両経営委員の発言、安倍色人事で送り込まれた経営委員によって任命された籾井勝人NHK会長の就任会見での発言などが問題になっていますが、安倍人事の任命責任が問題にされる事項がまた一つ増えたのだといえます。
大西 五郎