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ザックジャパン(144) 改めて、ドルトムント論  文科系

2014年02月21日 15時38分43秒 | スポーツ

 このブログで、ドイツのフットボールチーム「ドルトムント」を書いた拙稿が長く、高い人気を続けている。確かにこのチームは、世界の歴史的名監督アリゴ・サッキ(元ACミラン監督として、89,90年とチャンピオンズリーグを2連覇)も語ったように、今の世界サッカー最大の要チェックチームなのだから、この人気は訳のある事と言える。そこで改めてドルトムントについて書いたコメントいくつかを、エントリーとしてまとめてみた。ただし、以下は、今回一部補足修正している。

【ハインケスの言葉 (文科系)  2013-05-31 03:05:55 
 別の処にも描いたが、バイエルン監督、ハインケスがこんなことを言っている。チャンピオンズリーグ決勝戦の前日の会見のことだった。
「サッカーは根本的に変化し続けている。今ではより複雑になっているよ。例えば、試合のペースが速くなる一方で、自由に使えるスペースが減少した。つまり、非常に狭いスペースでのプレーを余儀なくされたうえに、プレッシングとカウンタープレスもあるんだ。今ではこれらの要素の比重が大きくなっているね」
「試合のペースが速くなる」。「スペースが減少した」。「プレッシングとカウンタープレスもある」。これら総てが、僕にはこう思われたものだ。まるで、ドルトムントというチームを表現した言葉の羅列ではないかと。つまり、ハインケスが最大の敵・ドルトムントを、従って世界フットボール戦術の最先端をそう見ているということだと思うのである。】

【マンUとレアル (文科系)2013-07-18 05:38:32
 最近世界のスポーツクラブの財産比較がアメリカのあるマスコミから発表されました。野球もアメリカンフットボールもアイスホッケー、バスケットボールその他あらゆるスポーツクラブを含んでの事です。このおもしろい記事は、いずれここにエントリーしますが、そこでサッカーの視点から重要なのが以下の事。1~3位すべて、サッカークラブなのです。ニューヨークヤンキースが4位、5,6位がアメリカンフットボールチームで、7位がまた野球のドジャース。
 さて、1位はレアル・マドリッドです。以下がマンチェスター・ユナイテッド、FCバルセロナですね。上のエントリー(13年5月30日のントリーです)に関わって重要なのがこの事。ドルトムントは、世界1,2位のチームに、相次いでエースを引き抜かれたわけだ。ヌリシャヒンと香川の事です。いかに注目すべきチームかを、ここからご推察下さい。と、そういう上の記事の論理的傍証でした。】

【改めて、ドルトムント (文科系)2013-09-23 22:20:45
 標記のことを改めて再論する。
 ドルトムントをカウンターのチームだという人は多い。ゲーゲンプレスに目を付けてそう言うのだが、これは皮相な見方だと思う。こういう人は、このチームが敵ボールを奪うやり方、攻から守への転換が上手い点に目を付けているだけだ。高い位置でボールを奪うゲーゲンプレスは敵にシュートを打たせず失点を減らすだけでなく得点も増やすのである。
 ただ、ゲーゲンプレスだけではあそこまでの得点力はないはずである。同じくこれが上手いバルサに、メッシが欠けた時は極端に得点力が下がるのがその証明と言える。ゲーゲンプレス以上に、ここの得点力を増やしている何かがあるのだ。
 そのヒントは、FWだけが得点するわけでもないというこのチームの大きい特徴にあると思う。香川はトップ下ながら、あれだけ得点したのだ。これは、なぜか。ゲーゲンプレスでも中盤の得点が増えるがさらに、短いパスを高速下の少ないタッチで繋ぎながら敵ゴールに集団で殺到するパス技術がこのチームのもう一つの特徴なのだと思う。だからこそ、高速下で高度な技術を発揮できる香川が生きるのだ。この点では、アヤックス型のトータルフットボールの継承者とも言えるのではないか。】

【アリゴ・サッキがドルトムントに注目! (文科系)2013-09-25 02:00:36
 すぐ上のコメントに適切な傍証があった。今の世界サッカー戦術を築き上げた二人の世界史的名監督のうちの一人、アリゴ・サッキが最新号ナンバーで「今、ドルトムントにこそ注目」と述べているのだ。最新の戦術論としてのことで、非常に聞くべき意見と思った次第である。以下は、別コメントに掲げた内容だが、ここにもそのまま載せておく。
『2013-09-24 11:59:49
 最新号のナンバーにアリゴ・サッキのザック評が載っているというので、「店頭読み」してきた。サッカープレイ自身は素人ながらクライフのトータルサッカーを研究し尽くし、これを引き継いで、今のバルサやドルトの原型システムを作りあげた歴史的名監督だ。まだ67歳。彼のコンフェデ日本評など、色々面白いことが目に着いた。それらを、まとめてみよう。
①ザックは名監督である。が、選手が彼に従っていない。5のウチ3言うことを聞くだけでは、あの守備は成功しない。私がミランでヨーロッパ2連覇などをできたのは、全員が一糸乱れず従ってくれたという質のよい選手がそろっていたからだ。あーいう守備のあーいう押し上げは、全部従わねばだめなのである。イタリアでは初歩の守備練習を代表に対して今も続けているらしいしね・・・・・。
②目に着いた日本選手は前田遼一だ。あのシステムをあれほど理解した上で地味な陰のプレーも含めて忠実にやっている選手があの日本チームのなかにいるとは、驚いた。
③今の世界最先端潮流はドイツである。他よりも2歩も3歩も先を行っている。日本人がドイツに多いのだから、あそこからもっと学べるはずだ。世界最先端監督はこうしてクルップと、もう一人ユベントスのコンテだろう。
 流石サッキというわけで、このナンバーは僕がよく買う監督特集でありながら、買ってこなかった。クロップが出ていないし、コンテの扱いも小さすぎるから。店頭で読んだだけ。ナンバー編集部も馬鹿だねー! こんな下手打って! 』

 現代サッカー戦術のルーツは、オランダのクライフ。そのトータルサッカー。サッキは、これを研究して、一時代を築き上げた。ACミランのCL2連覇がその象徴。彼のサッカー史への貢献・DFラインを上げたプレス戦術は結局こういうものだろう。
 サッカーの守備とは結局敵ボールを奪うことであって、これが超優勢ならばポゼションで絶対的に有利になる、と。同じくクライフの系統であるバルサも、ポゼッション重視であることに注目である。
 さて、そのサッキが今、上のように述べているのだ。ドイツとドルトムントが世界サッカー史に対していかに重要な事を成しつつあるかという証左だろう。】

【このエントリーをお読みの方へ (文科系)2013-11-25 11:32:57
 このエントリー(13年5月30日エントリー)が未だに人気があるみたいです。ドルトムントの人気なのでしょうが、これも当然。つきましては、このドルトムント論をもっと詳しく、あるいはザック戦術に引きつけて書いたエントリーもあります。ご参考までに、以下もご笑覧下さい。
10月7日「ザックジャパン(117)ザック戦術とドルトムント」
10月15日「ザックジャパン(118)ドルトムント論」
10月28日「ザックジャパン(121)ザック戦術の前提知識・コンパクトとは」

 よろしくお願いします。】

【木崎伸也に注目 (文科系)2014-01-18 14:01:29
 サッカー好きの皆さんに、ライターの木崎伸也に注目することをお勧めする。良い選手とか、良いチームとか、世界先進戦術とかをいつも先取りして、取材費もたくさん使って世界に飛び、原稿を書いている。以下はその例だ。
①日本で最も詳しいドルトムントの観察者である。ドルトムントに居着くようにして、合宿所の秘密練習観察などにも努めていた。
②南ア大会直後のパラグアイ戦で香川・憲剛が上げた得点に注目して、香川の今を預言している。この点については以下の拙稿をお読み願いたい。「10年9月17日の当ブログ・エントリー」。これは当時のザックシリーズ拙稿の第1回目である。
③ロシアの本田に注目して、ロシアに半ば住み込むようにして本田ルポを書いてきた。

 昔の名前で食っているというような下らないライターを淘汰してサッカー雑誌を面白くするには、彼のような金も努力も、そして明晰な頭脳総動員も惜しまない人がもっと出て来て欲しいと、いつも思っている。サッカー評論に最も必要なものは、断片的知識、情報量などではなく、論理性である。組織論が強さの第一の源泉であるサッカーは、最も論理的なスポーツなのだから。】

コメント (1)
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