米国で靖国参拝擁護 本田内閣官房参与 神風特攻隊例に(14.2.20 朝日新聞)
米紙ウォールストリート・ジャーナルは19日付の電子版で、安倍晋三首相の経済ブレーン・本田悦朗内閣官房参与のインタビューを掲載した。同紙によると本田氏は、太平洋戦争末期に米艦に体当たりした神風特攻隊について「日本の平和と繁栄は彼らの犠牲の上にある。だから安倍首相は靖国へ行かなければならなかったのだ」と語ったという。
同紙は本田氏が「第2次大戦中の神風特攻隊の『自己犠牲』について語りながら、涙ぐんだ」と説明。本田氏は「日本の首相が靖国参拝を避けている限り、国際社会での日本の立場は非常に弱い」として、「われわれは重荷を背負った日本を見たくない。自立した国としての日本を見たい」と語ったという。
また、同紙は「本田氏はアベノミクスの背後にナショナリスト的な目標があることを隠そうとしない。日本が力強い経済を必要としているのは、賃金上昇と生活向上のほかに、より強力な軍隊を持って中国に対峙できるようにするためだと語った」とも伝えた。
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またまた安倍ブレーンのちょっと危険な発言です。
本田悦朗という人は東大を出て大蔵省に入省し、関税企画官や財務総合研究所の研究部長などを務めた後、外務省にも出向し、在米日本大使館の公使にもなりました。2012年に静岡県立大学国際関係研究科教授に転じ、第二次安倍内閣の発足と同時に内閣官房参与も兼務しています。
安倍首相とは親密な関係にあり「アベノミクスの真実」(幻冬舎)という本も書いています。
「日本の平和と繁栄は彼ら(特攻隊員)の犠牲の上にある」と言い、特攻隊について語りながら涙ぐんだといいますが、特攻隊を賛美しているのでしょうか。確かに特攻隊の人たちはわが身を犠牲にしました。私もその人たちを慰霊したいと思いますが、特攻隊を崇める前にそのような無謀な作戦を企画し、命令した指導者こそ糾弾されるべきではないでしょうか。
「日本の首相が靖国参拝を避けている限り、国際社会での日本の立場は非常に弱い」とは何を意味するのでしょうか。首相の靖国参拝には中国、韓国ばかりではなく、多くの国からA級戦犯が祀られている神社への参拝は帝国主義的な侵略戦争を行ったことへの反省がないからだと批判を受けていますが、「A級戦犯に詣って何が悪いと開き直れ」とでも言っているのでしょうか。
「アベノミクスには、力強い経済にしてより強力な軍隊を持って中国に対峙できるようにするという考えがある」というのも日本国憲法を無視した言い分です。
きのう№135で紹介した衛藤首相補佐官の「われわれがアメリカに失望した」という発言は菅
官房長官が首相と協議の上削除を指示し、動画サイトから削除されたと各新聞が伝えていました。
閣僚の一人は「首相の周囲にちょっと自由な発言する人が多い」と言った(20日毎日新聞)そうですが、安倍首相好みの人物ばかりを要職に起用していることがこういう結果を招いています。
大西 五郎