日刊スポーツに面白い記事があった。ハリルの日本選手、日本人への感想である。賢い人が初めて見たものの第一印象を語る時、その表現が珍しいものになることが多いが、その典型だなと感じた。通り一遍の言葉とは違う内容になるからである。
彼が得点王にもなり、長く選手時代を過ごしたフランスは、レキップ誌のインタビューからということだ。
【 -どのように選手たちを覚えたのか?
「これほどの短期間で、日本代表とJリーグのビデオを見たことはなかった。その後の練習では、選手が国際的なレベルにあるかどうかを見るのに長い時間は要さなかった。私はすべてを見ているし、すぐに技術的、戦術的欠陥を見つけた」
-あなたの話に対して選手の反応は?
「彼らは私が言うすべてのこと、実行するすべてのトレーニングを吸収している。競い合いにおいてアグレッシブさが足りないなど、改善することは当然ある。身体的にも彼らは成長できる。Jリーグの試合のリズムは平均的なものだ。かなり技術的には優れているが、競り合いにおいてはとても、とても甘い。しかし彼らは常に最善を尽くしている」
-あなたはとても晴れやかに見える。
「これは夢のデビューだ。これほど早く、これほど気持ちがよく感じたことはなかった。私が好きなのは、選手たちが常に目を見ることだ。私はこれほどリスペクトのあるチームを見たことがない。ハードにトレーニングし、決して不平を言うことはない。これは並外れたことだ。この態度を見ながら、何かが起こるだろうと私は思っている」
-それではあなたは怒ることはないのか?
「いら立つことはできない。練習中、彼らは私が要求することを正確にこなす。私はこのようになると想像することはできなかった。それに東京は素晴らしい」
-あなたはすでに日本で有名な人物になっているのか?
「私は通りにでることさえできない! 私は信じられないことを体験している。新聞には至る所に私の写真がある。最初の2試合では、約10人のカメラマンがいて、大半がベンチの私の方へ向いていた! 信じられない。ある夜、事務所での仕事を終えた夜中の12時ころ、ホテルに戻った。すると2人のファンが私に会いに来た。多分彼らは4歳か5歳ぐらいだった。その後、10分で約200人の人々がやって来て、夜中の1時まで私はサインをした! しかしリスペクト、心遣いがあるから断ることはできない」 】
彼の日本人選手第一印象表現は常にこのこと。
「競り合いに弱いから、寄せが甘い。そういうアグレッシブさがない」。
これを一目で見抜き、言い続けてきた代表監督を僕はあまり知らない。Jリーグ代表がアジアチャンピオンズリーグで負け続けている原因でもあるからだ。他のリーグはもっと必死に身体を張っていると思う。
上の文中で最も僕が目を見張った表現は、ここ。とにかくユニークな着眼点、表現と感じたが、以下の全てが「なるほど!」である。
【これは夢のデビューだ。これほど早く、これほど気持ちがよく感じたことはなかった。私が好きなのは、選手たちが常に目を見ることだ。私はこれほどリスペクトのあるチームを見たことがない。ハードにトレーニングし、決して不平を言うことはない。これは並外れたことだ。この態度を見ながら、何かが起こるだろうと私は思っている】
日本人を言い得てこれほど見事かつユニークな表現を僕はあまり読んだことがないと感じた。人間の特徴表現として的を射ていてユニークでもあるということだ。オーストラリア6ヶ月とか、カナダ3ヶ月など、外国へ20回ほど行っているが、そんな体験からの感じである。。