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随筆紹介 「子どもの声」  文科系

2015年04月30日 20時38分36秒 | 文芸作品
 随筆 「子どもの声」   K.Kさんの作品

 新聞に「子どもの声は騒音か」が取り上げられていた。
「公園で静かに過ごしたいから、子どもは入れないようにしたい」
 そんな意見だった。子どもは走り回り、大声で泣きわめく。ケンカもする。のんびりとしたい人にとっては煩わしいだろう。分かる気もする。
 そう言えば夫にも思い当たることがある。時々遊びに来る六歳と三歳の孫娘たちにも、少しは相手をするけど、すぐに疲れて「煩い。あっち行け。早く帰れ」と、ドアを閉める。彼女たちは「やだ。帰らない」。夫が逃げた部屋のドアを、開けたり閉めたりして遊びに代えている。夫は自分のペースを乱されるのが我慢できないのだろう。

 近くの保育園でも、隣の家は少し窓が開いていると「煩い」、すぐに苦情の電話があるとか。でも、横並びの隣の家では「いいですよ」。窓全開でも好意的である。それどころか、残り毛糸であやとりまで作って持って来てくれるらしい。
 保育園へ勤め始めたころ、子どもたちの声が響く部屋の中で一日過ごすと、帰宅しても頭の中は夜まで泣き声が残っていた。でも、それから十五年。同じ状況でも平気になった。慣れるものである。

 公園で大声で走り回っている子どもでも、「こんにちは」、話しかけるとおしゃべりも弾み、声も気にならなくなったこともあった。公園の使い方で、うまく折り合いがつけられる道はないのだろうか。
コメント
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