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随筆  生きる難しさ、一つ     文科系

2015年12月16日 09時35分57秒 | Weblog
 「生きる」難しさ一つ

「自慢癖の悩み」という随筆を4年ほど前に書いたことがあり、以降ずっと僕の生活課題であり続けてきた。自分や父母兄弟の学歴や職業などを他人との会話の中などですっと口から出してしまう僕自身のスノッブさ、俗物性を正直に書いた作品だった。ことの性質上、読んで貰った連れ合いからは、こんな感想を貰ったものだ。
「凄いこと書くねー」
 人が自分の欠点としてなかなか筆にはしにくいことだからだろう。俗物そのものの人も、洗練されたスノッブも、こんなことを書こうとはまず思いつかぬはずだし。対する僕はこの癖が出た後はよく悲鳴を上げている自分がいるから、それをも正直に書いてその正体を覗いてみて、この癖からちょっと楽になりたかったのである。
 ただ、この作品を書いた時のこの作業は隔靴掻痒。正体も対策もろくに分からなくって、ただ、自分の恥を曝しただけに終わった。正直は正直なのだが、これでは太宰治の「人間失格」とか、その人生みたいなもんだ。僕は、正直なようでスノッブだと感じて、彼が嫌いなのである。当時の「謙譲」日本と違ってこんな自己宣伝時代の洗練された若者たちなら、太宰のスノッブ隠しなどすぐに見抜くだろうと、よく思うことであった。

 最近この自慢癖の自覚、そこからの開放に関わって、一つ気付いたことがある。俗物的自慢と、中身がある「自慢」・自己主張とを自分の中でごちゃごちゃにしていたと気付いた。すると、こんな発見があった。前者は文句なくなくしたいが、後者はこんなタルイ時代には続行しないわけにはいかんだろう、と。この二つを僕が区別しなかったところに実は、「自慢癖の悩み」が生じていたのではないかとも、今分かったような気がしている。

さて、「空気、読めよ」という言葉が流行っている。場の空気を乱すなよ、突出するなよという程度の意味だろう。で、この言葉、時代に対して使われたらどんな役割になるか。例えば、イラク戦争、太平洋戦争のような時代には「厭戦言動は敵だ」と隣人が隣人を諭すようなもんになろう。太平洋戦争開戦前夜に反戦を唱えた人は「空気が読めない」最たるもの、それどころでは到底済まず、政治犯である。でも今にして思えば、あの空気は社会の上層部によって年月かけて周到に作られたもの。当時の空気を率先して醸成することを通じて「社会的立場」を創るとか、「有名になりたい」人々によって。だから、当時「空気読めよ」と諭した人は、社会的正義など無縁で、人としてまっとうな主体性が欠けた「気持ちよくやろうよ」人生ということになる。これがいわゆるポピュリズム政治の大衆的源泉なのだろう。
 ことが戦争でなくとも、例えば一生懸命やっている文化サークルなどでも同じだ。懸命にやる人ならその活動を表現もし、その「言行一致」的前進を他人と共有、確認しあいたいもの。強い批判や突出も、当然「押し付け」や「自慢」さえ「止めとけ」ということにはならないだろう。これしも、「空気読めよ」とやりあうなら、ちょっとタルイ場というしかない。


 だが以上全てだけで万々歳とも行かぬのが人生。「自慢癖」を読み取る側の正体が、競争時代の「主」であったり、「不本意な今」という人の妬みであったりもするから、このポピュリズム社会の「タルイ問題」は、そう容易いものでもないのである。今回は僕として、そんなことにも気付いた。「人」の生って、やっぱり難しい。
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ハリルジャパン(39)レスターの強さとは  文科系

2015年12月16日 00時04分54秒 | スポーツ
 レスター・チェルシー戦、僕の観点

 プレミアに本年度彗星のように現れて1位になっている弱小チームと、昨年度優勝チームとの、実に興味深い対戦を観た。結果は弱小チームの2対1勝利。
 さて、このゲームを観る僕の観点はこういうものだった。本年度起こっているプレミア激変を探るべく、とても貴重な資料になると。去年優勝の、世界1~2位を争ってきた名監督のチームが、何故これほど下位に沈んでいるのか。これまでは2部以下のリーグ在籍の方が多かった弱小チームが、どうして今首位にいるのか。スペインと並ぶ現在世界2大リーグ・プレミアで起こっているこういう激変の理由をどうしても知りたい。この観点から言えば、このゲームは正に絶好の教材なのである。

 結論は、既に押しも押されもせぬレスターの急成長も、替わって世界の強豪チェルシーの凋落も、その原因が分かったという気がしたのである。世界のサッカーそのものがこの4年ほどに激変してきたその結果として起こった現象のように思う。以下が、このゲームの僕の観点とした世界的流れの一つの理解である。

①レスターの強さは、ドルトムント・ゲーゲンプレスによる一時の世界席巻の延長線上のものである。ウエストハムなど、プレミアの他いくつかの新旋風もブラジルWCでも観られたこれと同傾向なのではないか。
②チェルシー、モウリーニョの凋落は、①の流れを過小評価したことによるものではないか。守備指導の従来世界1名監督がこれだけ失点を喰らっているわけだから。
③以上を合わせれば、こういうことであろう。モウリーニョや、その師匠ファン・ハールに見るような屈強な選手を集めた従来型の失点が少ない堅守速攻路線が、ハイプレス・ショートカウンター得点戦術の進化に対応できなくなっている、と。チェルシーの失点の多さと、必要な時に1得点できるレスターとがその傍証と観たい。レスターは、必要な時の1点を取れることによって1点差勝ち越し、同点が多いチームとして、1位になっているのである。

 レスターの戦い方

 さて、この典型がレスター・チェルシー戦33分における、レスターの先取得点。中盤で奪ったボールを、1人を経由して右外マレズに繋ぐと、相手守備が十分に整っていたにも拘わらず、そのマレズのちょっとした右アーリークロスのようなパスから得点してしまった。岡崎得意の抜け出し得点パターンをバーディーが決めたのであるが、右クロス前のバーディーの位置は相手両センターバックの真ん中、やや後ろ。そこからやや右前方に走り出して、マレズのパスをゴールに流し込んだのである。ここでは、短距離走り出し記録でプレミアナンバーワンというバーディーは確かに大きな武器なのだと、分かる。
 これ以外にもレスターの攻守で目立ったことはこれだけある。
①身方から観て中盤以上での相手珠際に対して、ボール奪取の寄せが非常にきびしい。組織的にも、個人技としても。これがあるから35%と言うボール保持率でも全く見劣りせず、シュート数も9対11となっているのである。
②守から攻への切り替えにおいて、DFラインの押し上げが、時にもの凄く速い。これがオフサイドトラップとなっているから、安心して①が可能になるのだろう。
③以上の、ハイプレス・ショートカウンター攻撃に願ってもない選手が2人存在するのだが、これが大きい。速攻に向いたスピードスター・FWバーディーと、シュートもドリブルもパスも一流であって、敵がボールを奪えないMFマレズである。特に、マレズという24歳のこの選手はもう、チェルシーのアザールに匹敵する名選手に育ち上がったのではないか。タイプは違うが、万能の香川に似ていると感じた。

 岡崎「この調子はずっと続く」

 このゲームが終わった時岡崎がこう談話していた。
「チームはこの調子で、ずっと行くように思う」
 大事な言葉だ。この弱小チームの快進撃は、初め「春の珍事」と言われた。それが「粘ってますね-、実力がついてきました」から最近は、「このまま行けますかね-?」になり、上記岡崎の言葉。
 レスターがこのまま優勝したら、プレミア史上珍しい奇跡と言われるだろう。そこに岡崎が準レギュラーとして加わっていたというのは、日本でも語り草になるだろう。岡崎は、リーグ戦のほぼ全ゲームに出場しているから、レギュラーと同等の存在なのである。
コメント (2)
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