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まもるさんを偲んで   文科系

2015年12月09日 09時24分35秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 昨日は、12月8日。太平洋戦争敗戦記念日とも言える日だ。今日の中日新聞1面に大きな写真付きでこんな記事があった。名古屋の4つの9条の会が「平和のともしびウオーク」をやって、それぞれの地から350名が今池西公園へと集結したと。思えばこの行進は、このブログの始まりを主導した「まもる」さんの発案になるもの。今はもう亡くなった彼を偲んでこの写真をしばし眺めていた。
 このブログが始まって10年、その間にいろいろ学んだ末の、僕なりの現世界大局観をまとめてみる。



 既に皆さんご存知の通り、IMF(国際通貨基金)の世界共通通貨枠に、人民元が加えられた。それも、初参加からいきなり日本円や英ポンドよりも高く、ドル、ユーロに次ぐ第3位割合枠で。
 日米が協力し合って、中国通貨枠をずっと阻んできた。中国がこれに腹を立てたのが、AIIB創設に踏み切った一つの理由。すると、日米の予想を嘲笑うようにイギリス、EUはじめ多くの国がAIIBに参加した。中国のこの強硬な動きに、日米が刀折れ矢尽きて歴史的敗北を喫したということである。

 中国への株式投資も含めてその強力な実体経済を金融で支配してやろうとの日米思惑が破れ始めたということになる。これに対するに、アメリカは穀物、食肉、医薬・医療、小売り業の世界独占を狙っていくのだろうが、日本はこれから一体どうするのだろうか? 自動車輸出に全てを懸ける? あるいは、原発輸出? そのために国内の穀物、食肉、医療などがTPPなどによって根本的ダメージを被るとしたら、そんな日本にはどんな将来が待っているというのだろうか? 中長期的に見れば、脳天気なほどの安倍政権と思うばかりだ。
 気付いてみたら、中国人1%を相手に高価な水を売るしか国民が喰っていく道がなかったりして・・・。  

 中国経済が転けたら世界が転けるというような、単に安い供給が世界実体経済を制するというだけの愚かな世界経済体制に、40年弱をかけて落とし込んでしまった。こんな現状で20~30年後の世界が、そもそも一体どう描けるというのだろう。
 国内需要を増やすことが鍵なのだとやっと気付いたのかどうか、アベ政権でさえ賃金を上げよとのかけ声は上げ続けている昨今である。経済の好循環のためにこそ需要中心の経済、内需重視の定常的経済にするしかないはずだが、そんな世が築けたと思う間もなくその内需物品は穀物、食肉、医療、医薬品そしてこれらを売る小売業種までをアメリカに握られていたと、果たしてならないものか? そして、国家予算は軍事費ばかり。それでもって、まともに食えない国、反抗する国をアメリカの後について一緒に殺していく日本。こんなやり方での「定常経済型世界」を作るとでも叫んでいくつもりなのだろうかとさえ、危ぶんでしまう。イラクでは関連死含めて50万人以上がなくなったのだし、アメリカが内乱を仕掛けたシリアでは、同じ関連死を含めればおそらく30万人ほどは亡くなっているはずである。


こういう例全てから見ても、50年前ほどの世界常識から観ると理念としての人権も随分安くなってきたことだし、このまま行けば今の人権常識も30年たてばふっとんでいるかも知れない。今では、人類の民主主義的進歩は一進一退のジグザグだが、やはり進んで行くものだと、誰でも知っているのであるが。
 1%にどんどん搾取される、99%。その運命は、30年後の先進国でさえ、今の世界経済3位の国・日本の無認可老人施設を観ればどんなものになるのか分かる。年金20万円の独り身老人でも、普通の老人施設には入れないのである。これが、戦後日本を廃墟から世界第2位の経済大国にまで仕上げた功労者たちの死に様に相応しいものだろうか。大変な「親不孝社会」になったものである。
 こんな日本がそもそも一体、中国を笑っている暇があるのかと言いたい。


 世界大金融中心の世界経済、この35年ほど続いた供給サイド経済学が支配する世の中が、国連で相談しあって変わらねばならないという、ギリギリの地点にきていると思う。
 ついては最大の世界問題はこれだ。これだけ生産力が発達した豊かな世界に、どうして失業者や不規則労働者がいる? どうして中産階級が没落していく? 人は一言でこう言い、分かったつもりになっている。
「世界的に、不景気だからだ」
「それでも株価は上がるではないか」
 こういう理屈を、完全に嘘だと言いたいのである。生産力はどんどん発達しているのだから、人が最低必要とするだけ何でも物は作れる社会だ。ただし、今の世界は持っている生産力の7割も使っていないのではないか。世が世であればどんな人にも必要なものは手に入る程度の世界には原理的にはなっている。ただ、どんなにある物品が必要な人でも、時の値段で買えない失業者などには手に入らない。これほどに「ケチな経済常識」を当たり前のこととしておいて膨大な失業者が世界にいるって、何という矛盾なのだろう。そう、僕は何よりも主張したい。この社会への根本的批判として。

 物を作り売る側を支配している金融本位世界だから、物を必要とする側が無視されるのである。大量の失業者、不規則労働者が常態のように。これがここでずっと主張してきた供給サイド経済か需要サイド経済かという問題だと、僕は理解してきた。供給サイド経済が、この「リーマン・ショックという100年に一度の恐慌状態」、「日米欧の住宅バブル(破裂)」、遡っては「アジア通貨危機」などなどから、南欧やアフリカの失業者、日米の不安定雇用者を作っているのである。
 需要サイド経済学者ケインズが生きていたら、やはり僕と同じこのことを叫ぶだろう。目を丸くしてこんな風に。
『こんな豊かな社会に、こんなに膨大な失業者、不規則労働者? なぜなんだ?』
コメント (16)
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