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ハリルジャパン(42) 香川、円熟!  文科系

2015年12月24日 00時20分14秒 | スポーツ
 香川が、いよいよ円熟の境地に入ったのではないか。ドイツの専門サイトにおいて本年度前半戦ベスト11に選ばれた。それも、本人が最も希望するトップ下という位置で。

 また、世界のスポーツメディア『football.observatory』が5大リーグを網羅した各ポジション別ベスト10ランクを発表したが、「攻撃的MF部門で第8位」になっている。アシスト部門でも、10アシストを取っているアシスト・ランク1位のメスト・エジルなどと並んで、世界5位。これらを判断材料にした「攻撃的MF部門で第8位」だから、凄い。世界5大リーグの全チーム攻撃的MFすべてで、8位なのだ。イニエスタ、アザール、デブライネなども選考対象なのだし。

 この機会に、香川の才能に初めて驚嘆した時の過去ログを再掲してみたい。2010年と非常に古い物だけど、今読んでも「正に彼自身」と思うのである。


【 日本サッカー・希望の星」と、ザック監督など(1)  文科系 2010年09月17日 | スポーツ

 新生ザッケロー二代表の対外戦が、もうすぐだ。10月8日にはアルゼンチン戦、12日には韓国戦がある。折しも日本は、この15日発表の9月世界順位で30位に上り、更に上昇していく要素も多い。そんな今「日本サッカー希望の星」としてまずドイツはドルトムントで早くも「エース格トップ下」に抜擢された香川真司(21)を語り、合わせて新監督ザッケローニなどにも、資料を掻き集めて触れていきたい。

 僕はW杯の代表総括で、6月30日のここにこう書かせていただいた。
『最後に今後の攻撃、点取りの方向である。「人もボールも走るサッカー」とは、オシムの造語だ。そのオシムは、この「人もボールも走るサッカー」の基礎を教え、これを攻撃法、点取り法にも適用しようとした矢先に倒れた。そのオシムは今、こう述べている。そういう日本的サッカーの確立には、もっとスピードのある選手を発掘すべきだと。技術的スピードは日本にはある程度の水準があるのだから、瞬発走力としてのスピードのことなのである。例えば、岡崎やオランダのロッベンのような。岡崎の大化けの原因は「走り出しで勝負」にあるのだし、ボールを持って走り出したロッベンは止められないというようなものだ。今や世界的強豪クラブのエースと言われる選手ならば、ロッベンのような選手か、メッシやジダンのようなターンなど技術的スピードに特に優れているか、どちらかである 』
 次に、新生代表パラグァイ戦から、守備の要・細貝萌に次いで、新エースと呼ぶに相応しい香川真司の点取りをここでこう、評させていただいた。
『 次いで目に付いたのが、香川だ。同じMFの本田より、現時点で既に良いと思う。日本人が弱いシュート力と人並み外れた技術的スピードとの優秀さは既に同格で、違いはここ。本田の強みが体全体の強さであるのに対して香川には絶対的スピードがあり、このスピードに乗ったシュート技術なども日本人離れしているのではないか。タイプとしてはブラジルのカカーかな?』(サッカー代表、パラグァイ戦雑感 9月06日)

 さて、これと同じ香川への評価を、パラグァイ戦得点をアシストした中村憲剛が、スポーツグラッフィック・ナンバー最新号でこう語っている。ちなみにあの得点場面を再現描写しておくと、僕の観戦記にはこんな感じで表現されている。敵ゴールに向かってやや左30メートルほどにいた香川が、その右横のゴール正面25メートルほどにいた憲剛にボールを預ける。と同時に、するすると右斜方向のゴール正面へと走り込んでいく。初めはゆっくりと、そしていきなり全速力で、ゴール正面のDF数人の中へ走り込んでいく勢い、感じだった。そこへ憲剛のスルーパス。3~4人の敵DFの間を縫うような速く鋭い、長めの縦パス・アシストである。香川はスピードを落とさずにこれを、ワンタッチコントロールから右足シュート。
 さて、憲剛の「表現」を聴こう。
『ああいうのは、センスだよね。実は真司が初めて代表に来たときから、2人で今回のようなプレーをしていたんだ。走っているあいつの足元にパスを出すっていうね。真司の特徴は、動きながらボールをコントロールできること』
『日本代表もパラグァイ戦のようなプレーができれば、もっと楽しくなるんじゃないかなと思う。あれだけ人が密集していても、2人で崩せちゃうんだから』
「あれだけ人が密集していても、2人で崩せちゃう」、憲剛は簡単に語っている。が、相手は世界15位。ブラジル、アルゼンチンの点取り屋を日頃の相手にしてきたDF陣である。上記の得点に二つの超難度技術が必須であったのは明白。一つは憲剛が述べているように「動きながらボールをコントロールできる」選手だが、その直ぐ後で憲剛は「まだ日本には(香川以外は)ほとんどいない」とも語っている。そしてこの必須要素の今一つは、上の表現で言えば、これ。「3~4人の敵DFの間を縫うような速く鋭い、長めの縦パス」。敵ゴール前にこのようなスルーパスを進められる選手は、憲剛の他には長谷部しか僕には名前が挙げられない。2人ともいないときの代表が「敵ゴール40メートルほどに迫ると、横パスばっか」となるのは、そういうことだと理解してきた。

 こうして、結論。これはナンバー同号同記事の冒頭の表現であって、憲剛・香川によるこの得点への評価として、僕も大賛成。木崎伸也の表現なのであるが、分析力、表現力も含めて、優れたスポーツ記者だと思う。
『一瞬のプレーに、日本サッカーが目指すべき方向性が凝縮されていた』
 ゲームで僕がこのプレーに感じた事が木崎と一緒だったので、我が意を得たりと感じたものだった。】


 こういう香川のプレーが、ここ数年のドルトムント革命が世界に広がった事によってますます優位を占め始めたのだと思う。進んだボール奪取組織・技術からショートカウンター全盛という時代には、香川のように「動きながらボールをコントロールできる」プレーで密集を切り裂く技術が、とても生きるのだと思う。ただ、高速で走りながら時に両脚とも浮かせてどちらの足でもボール操作ができる香川のようなドリブルは、成人になってから身につけられるものでもない。苦手だった守備について、スライディングタックルなどでもチーム有数の成功率になった事だし、まだまだその活躍は伸びていきそうだ。
コメント (14)
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