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今の米国、その「異常」を振り返る   文科系

2016年06月22日 09時04分30秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

① 今から見れば米国第34代大統領アイゼンハウアーも左翼に見える。アメリカの今を謳歌する産軍複合体に歴史上初めて重大警告を発し続けた人である。今のアメリカは、彼が警告した通りになってしまった。悪名高き「全米ライフル協会」も、その一味なのだろう。

② 70年代の米国経済学会会長ガルブレイスも、今の経済学会から見れば完全に左だと言える。福祉国家理論の元祖ケインズが社会民主主義者であったのと同じ理由で。ガルブレイスは、ケネディ大統領経済ブレインの最大の重鎮でもあった。なお、ケネディ暗殺は、産軍複合体がやったというのは、全米暗黙の了解事項になっている。アメリカはこの時から既に産軍複合体によって異常な国にされていたということだろう。

③ 現代アメリカの左翼知識人をもう1人紹介しよう。チョムスキーである。20世紀世界言語学会を代表する哲学者にして、反米政治活動、発言でも超有名なお方だ。「覇権か生存か」という隠れたベストセラーも著して、これは世界中で読まれている。現代世界の学問論文で、彼の著作からの引用が聖書とプラトンに続いて三番目に多いというお方でもある。88歳になる彼、ベトナム戦争以来の米政治批判は筋金入りだ。

④ アイゼンハワー、ケネディも、時代の大経済学者ケインズ、ガルブレイスから見ても、今のアメリカは異常ということだろう。
 「そういうアメリカ」が出来たのは、80年代から。特に、90年前後に歪んだ社会主義体制が潰れて以降は、堂々と伝統的民主主義を後退させて憚らなくなった。100年近く闘い、牽制しあってきた相手体制が潰れて解き放たれた資本が思うままに弱肉強食を貪るようになった時代。つまり、90年以降は戦後体制の新たな過渡期、模索期だと僕は観ている。その証拠こそ、最近暴かれた「パナマ文書」、ケイマン問題。これだけ格差と税収、国家累積赤字などが大問題になっている時代に、あの「節税」「(新たな法による合法的)脱税」は一体何なんだ! 強者の欲しいまま、まるで無法あるいは不正公認世界じゃないか。
 だからこそ、人文社会系のそれまでの学問を広くマスターしたチョムスキーは、こういうアメリカ政治の長い、熱心な警告者になったのだと思う。
 今のアメリカは、とにかく異常な国になったという帰結がこれ。ここで何度も見てきたように、以下のようなイスラム国を作ったのもアメリカだと言える。

⑤ まず、「嘘の理由開戦」のイラク戦争。国連の制止を振り切った開戦時、あの米国マスコミの熱狂は一体何だったのか。次いで、「アラブの春」で、北アフリカ、西アジアをぐちゃぐちゃにした。その続きとして、れっきとした独立国シリアへの白昼堂々たる内戦工作。
 イラクとシリア、そして「アラブの春」・・・現在イスラム国がのさばっている土地ばかりじゃないか!
 西欧社会を大騒ぎさせている難民問題も、こうして、これらの土地から生まれたのである。

 これらをトータルとしてみれば、第二次世界大戦にも匹敵する大混乱だろう。数々の通貨危機、通貨戦争から「100年に1度の危機」リーマンショックへ、すべて、21世紀にさしかかって起こったことばかりだ。

コメント (18)
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