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習近平の政治思想形成・柴田 哲雄 (著)を読んで  らくせき・愛知自民を落とそう

2016年06月29日 11時08分54秒 | Weblog
日本のなかでは余り問題にはされなかった首脳会談の尖閣列島の問題。
それについて、安倍外交の失敗という、こんな文章を見つけました。
 
11月10日に行われた安倍晋三首相と中国の習近平(シー・チンピン)国家主席との会談に先立って、
7日に日中両国の合意文書が発表された。
注目すべき点はそのなかに「双方は、尖閣諸島等東シナ海の海域において近年緊張状態が生じていることについて
異なる見解を有していると認識」しているという一文が挿入されたことである。
朝日新聞によると日本外務省幹部は「異なる見解」について、「『緊張状態が生じている』にかかっている」とし、
尖閣の領有権をめぐるものではないと説明しており、「日本の立場が後退したとか損なわれたとかは一切ない」と
強調したとのことである。しかしそれは少々苦しい弁明のように聞こえる。
 
尖閣諸島めぐり「譲歩」
 
中国国営メディアは「中日両国は初めて釣魚島問題をめぐって『異なる主張』が存在していると『明文化』して示した」
と報道している。さらにはニューヨーク・タイムズ( ≪ウェブサイト版≫ )でさえ、
中国の識者の言葉を引用しながらではあるが、「異なる見解」が尖閣諸島にかかっていると、
とらえて「日本による重大な譲歩を含んでいる」と指摘している。
 
日本側の意図がどうであれ、中国側や海外メディアに「譲歩」と受け取られるような余地のある文書に合意した時点で、
日本は中国に対して「外交敗北」を喫したと言わざるを得ないだろう。
 
では、なぜ民主党政権を「外交敗北」と盛んに批判していた安倍首相が、皮肉にも民主党政権よりもさらに手ひどい
「外交敗北」を喫したのだろうか。その要因は色々考えられるだろうが、筆者は安倍政権が真剣に韓国との関係改善を
図ってこなかったことをその一つとして挙げたい。
 
崩れた勢力均衡
 
近年、中国が日本に対して強硬なアプローチをとってきたのは、東アジアにおける勢力均衡が崩れたからであるが、
勢力均衡が崩れたのは、中国の国力が急速に増大したためばかりではない。
中国・ロシア・北朝鮮 対 日本・米国・韓国という3対3の均衡が、特に韓国の朴槿恵(パク・クネ)政権による
中国への接近によって、少なくとも対日関係に関しては4対2とも言い得る不均衡な状況に至ったためでもあるだろう。
 
さらに習近平政権は「新型大国関係」という名の下で対米協調関係の構築にも腐心しており、日本の孤立化を図ろうとしてきた。
安倍首相は好むと好まざるとにかかわらず、中国に対して「譲歩」するよりほか選択肢がなかったと言えるだろう。
 
もっとも、安倍政権が東アジアにおける日本にとって不利な状況を打破するために様々な外交努力を行ってきたのも事実である。
ロシアや北朝鮮との関係を打開しようとしたり、中国の台頭を警戒する東南アジア諸国、インド、オーストラリアなどと
緊密に連携しようとしたりしてきたのはその一例である。しかしロシアや北朝鮮との間には北方領土問題や拉致問題があるために、
その接近にはおのずと限界がある。
東アジア域外の国々と緊密な連携を図ったとしても、東アジアにおける勢力均衡の回復に直接結び付くわけではない。
 
対韓関係の改善を
 
ここはやはり米国政府が再三勧告してきたように、韓国との関係を改善し、日米韓の結束を再び強めて、
3対3の均衡を回復すべきではないだろうか。
 
では、対韓関係改善の鍵とは何だろうか。朴政権は日韓関係の改善の前提として、再三にわたって「従軍慰安婦」問題に対する
日本側の誠実な対応を求めてきた。しかしながら昨今の河野洋平官房長官談話(1993年)に対する検証や、
朝鮮半島における慰安婦の強制連行を証言した記事を取り消した朝日新聞への過度な批判などに見られるように、
「従軍慰安婦」問題に対する安倍政権と自民党の対応は、朴政権の要求に応えているものとはとうてい言い難い。
 
政府と与党は韓国との関係改善のために、日本国内で激化する一方のナショナリズムや排外主義を抑制して、
「従軍慰安婦」問題やヘイトスピーチ問題などの諸懸案に早急かつ全力で取り組むべきであろう。
 
韓国に対する「譲歩」の方が中国に対するそれよりもはるかにコストは低いはずである。「従軍慰安婦」問題に関する「譲歩」が、
たとえ日本の「名誉」を傷付けるものであるとしても、領土という国家の主権の根幹部分に関わる「譲歩」に比べれば、
はるかに日本へのダメージは小さいだろう。
傷付いた日本の「名誉」は将来的に挽回(ばんかい)され得るかもしれないが、ひとたび失われた領土が戻ってくる可能性は
ほとんどないからである。
 
政府と与党は「譲歩」する相手を間違えてはならない。

(このあと、慰安婦問題はアメリカの後押しもあり、一応の政治的決着はついています。)
 

柴田さんは愛知学院大学の先生。こんな自己紹介をされています。
 
私は主として第二次世界大戦時の中国の親日政権である汪精衛(または汪兆銘)南京政府について、
フランスの親独政権であるヴィシー政府との比較をもからめて、研究しております。
目下、汪政権下の「大東亜戦争博覧会」について調べています。
また現代中国政治に関する研究も行なっており、あくまでも学術的な観点からポスト共産党の行方をウォッチングしています
     
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随筆 「二度目の延命」    文科系

2016年06月29日 00時31分53秒 | 文芸作品

  指折り数えてみれば、二〇〇九年から七年間、前立腺癌の血液内マーカーを測ってきた。十二年には生体検査。と言っても、部分麻酔で局部に太い針を一〇本も突き刺して細胞を取るほぼ手術とあって、入院も二日。この検査結果は真っ白だったが、間もなくマーカー測定間隔が六ヶ月から三ヶ月に変わって行った。その数値の成長変化も相当厳しくなってきたこの四月初め、二度目の針生体検査をやった。結果は、針十本の内三本が黒、こんな診断が出た。「リンパ節・内臓・骨などへの転移も器外への浸潤もない、限局癌。がん細胞の悪性度は軽度が一本、中度が二本で、総合中リスク」。

 さて、これで僕は自分の命を二度救われたことになる。一度目が慢性心房細動が起こってすぐに手術を二度。「カテーテルアブレーション」という「成功すれば根治療法」と言われる通りの結果になった。一昔前なら心臓が破れたりして死者も多かった手術である。かといって外って置けば、心筋梗塞とか脳卒中の原因になるのが、心房細動。ワーファリンなどの薬を用いて、梗塞や脳卒中を防ぐ道はあっても、次第に薬が強くなったりして、命を縮めることには変わりないと、それが慢性心房細動というもの。僕の場合根治したからこそ、手術ブランク三年の後にはランニングも復活させて、もう三年。それで、最速1時間に10・3キロほど走れる身体に戻ったのだから、正に根治療法。医学の進歩には驚嘆するばかりだ。

 さて、癌というと僕等は驚くが、この間ずっと僕の生活は変わらない。最近ちょっと工夫を重ねて成果が出たギターレッスンは好調だし、癌の薬を飲み始めてからも相変わらず一時間九キロ前後は走っているし、ほどほどにと言われたワインも普通に晩酌している。医者の許可も取って全てが普通なのである。いや、半年後から陽子線治療という方針も決まった今は、天国だろう。生検の結果が出るまで十日間は頭に漬け物石が乗っているような抑圧感があったのだから。

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