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益川敏英さんの著書から  文科系

2016年12月10日 07時37分07秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 益川敏英さんの本「科学者は戦争で何をしたか」(集英社新書)を拾い読みしました。ある箇所を引用して、皆さんに広めたい。このブログで常に問題になってきた重要思考、発想法が何点もこの箇所に入っていたから、思い立ったことです。
 なお、このノーベル賞物理学者は、知る人ぞ知る、このブログがその姉妹ブログとして発足した「(名古屋市)昭和区九条の会(ブログ)」に極めて縁の深い方。昭和区、鶴舞公園の傍で育ち、昭和区内の名古屋市立向陽高校から、名古屋大学大学院物理学科を出られたんです。子どものころから読書が好きでいろんな種類の本を読むために図書館通いをしたと述べておられるから、鶴舞図書館の常連お子様だったなどと想像するのです。また同時に、九条科学者の会の呼びかけ人も引き受けられているお方だからまた、ここと縁が深いというわけです。

『私は、後二〇〇年経ったら戦争はなくなるとあちこちで発信しています。仲間内からは、「また始まった。何を寝ぼけたこと言ってんだ」と笑われることもしばしばです。あるいは、「益川、その頃はお前が生きていないから、今何言っても大丈夫だと思ってんだろう」と、どやされたこともあります。
 確かに二〇〇年後は生きていませんが、私はこの持論をかなり本気で信じています。今、多くの人々は直近のことばかりを話題にしますが、一〇〇年、二〇〇年のスパンで世界のことを考えてみてください。今、見えている世界ではなく、そのずっと先を考えてみる。それは、普遍の法則や本質を見抜くことを本懐としている科学者にとって必要欠くべからざる視点です。
 しかし本来、科学者だけでなく、誰にとってもこのような長期的視野で物事を考えることが重要なのです。
 科学者も含め、政治家も国民も、目の前の課題に振り回されて、対症療法しかできなくなっています。それではなかなか人類全体のことが見えません。
 人間の寿命よりも遙かに長いスパンで考察してみると、いろんなことが見えてきます。そのスパンで見ると、人類の未来はそう悲観したものじゃない。我々の社会が確実に進歩してきているのが分かります。』

 益川さんはこう述べた上で、この「進歩」の内容をかなり長く述べていきます。
 世界大戦のようなことがなくなったということ。植民地が例外的になって、大国による暴力的な収奪が減ったこと。一応、8時間労働が実現したこと。オバマ大統領実現が示すように、人種差別が減ったこと。これらの人類「進歩」を挙げた上で、益川さんはこう結論を結んでいます。
『このように世界は、ある局面において、「後退」を見せることもありますが、それでも、少しずつ前進してきた歴史があります。
 つまり、一〇〇年単位で見れば、人類はつまずきながらも、おおむね正しい方向に進んでいると言えるのではないでしょうか。』
(以上のうち『』の引用は、全て一六九~一七二ページから取りました)

 上のお話の中には、このブログで主張されてきたのと同じ発想、思考、事項が多く含まれていると、ここをずっと読まれてきた方はすぐにお分かりになるはずです。
『戦争はなくなる』
『一〇〇年、二〇〇年のスパンで世界のことを・・・』
『(科学者だけでなく)誰にとってもこのような長期的視野で物事を考えることが重要』
『一〇〇年単位で見れば、人類は・・おおむね正しい方向に・・・』
 このように世界を見て、世界大戦(が無くなったこと)、植民地、8時間労働制度、人種差別などに人類の前進を見ている事もここと同じですよね。
 

 そう。この金融グローバリゼーション時代の下では特に、科学者だけではなく、日本を大事にする誰もが、こう発想していく必要があると益川さんとともに言いたいものです。「(日本だけでなく)世界を」、「長いスパン、一〇〇年単位で見る」、「(日本人だけでなく)人類を」、「人類はつまずきながらも前へ進んできた・・・こんな点で」。
コメント (7)
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