九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

もう少しリバプールの試合を分析してからゲーゲンプレスを語った方がいいよ 1970

2018年05月09日 20時05分54秒 | Weblog
あまりに内容が偏りすぎだから。
当代きってのゲーゲンプレス専門チームはプレミアのリバプール。このチームはCLでマンチェスターシティを撃破したのは記憶に新しい。その勝因もゲーゲンプレスにある。プレミアリーグでもリバプールはマンチェスターシティを苦しめるゲームを展開する。

しかし笑、リーグ戦で中位から下位のチームを相手にすると、あ~ら不思議、シティ戦とは比較にならない程お粗末な内容の試合を繰り広げる。
これは何故かと分析していくとゲーゲンプレスって戦術は特定の戦術相手には有効だが、それほど広く有効な戦術とは言えなくなるんだよな。
シティやブラジルのような相手には有効だよ。

しかし、相手が○○○○○○○の戦術を採るチームには機能しない。○の部分はサッカー好きなら考えよう。
考え方だろうが何だろうが同じこと。

昔から現在に至るまで、サッカーはひとつの戦術が流行れば当然それに対抗する戦術が出てくる。だからゲーゲンプレスに関しても同じこと。この戦術を採用しなければ強くなれないなんてことは無い。寧ろひとつの戦術に固執すると痛い目に合うのがサッカーの世界。
特に試合の多いクラブチームの場合はフィジカルに負担の大きいゲーゲンプレスを採用する場合は、余程選手層が厚くないとシーズン終盤の大事な時期にチームがガタガタになる。Jリーグのような選手層が薄いところは尚更そうなるだろう。

まあ、もう少し今のリバプールの試合をよく見て好ゲームとそうでないゲームの分析をちゃんとやってから語った方がいいね。
コメント (24)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

改めて、ゲーゲンプレス  文科系

2018年05月09日 12時26分57秒 | スポーツ
 2010年過ぎからしばらく世界を席巻したドイツ・ドルトムント発祥のゲーゲンプレスを、改めて解説してみたい。この戦略の内容、発想が分からなければ、現代サッカーは理解できないとさえ愚考するからだ。ブラジルW杯も、ACLなどで観られるここ数年の日本の弱点も、ハリルの「モダン・サッカー」などなども、何も理解できないとさえ。ちなみに、ブラジルW杯のブラジルが、優勝したドイツに大敗したが、このゲームこそまさにゲーゲンプレスの威力だと観た。まるでフィールドの身方側半分を守るかのような、ドイツゴールキーパー、ノイアーの大活躍を目に留めている方々も多いはずだ。またこの大会のドイツと最もきわどい接戦を演じたアルジェリアの監督がハリルなのであって、ハリルは現代サッカーの最前線にいる監督なのである。

 さて、ゲーゲンプレスとは何か。特に、その形だけではなく、その原点である発想を重視して、以下を展開してみたい。

1 まず言葉の意味だが、ゲーゲンプレスとは英語にすれば「カウンター・プレス」。ボクシングのカウンターパンチを思い出して頂きたい。相手がパンチを出した瞬間に自分もパンチを合わせて、その威力を倍増させる打撃のことだ。相手が自ボールを奪って攻撃的な前掛かり陣形になった瞬間に、こちらも前へ出て(コンパクト)プレスを掛けて敵ボールを強奪するやり方、陣形。これがゲーゲンプレスなのである。この戦略の形よりも以下のような意味、発想こそ、大事である。

2 この戦法の発明者であるユルゲン・クロップは、この戦略の意味をこう解説してきた。
『敵が身方ボールを奪って前掛かりになった瞬間こそ、身方の前に詰めるコンパクト・ゾーン・プレスによってこのボールを奪い返せるならば、ゲーム中最大の得点チャンスになる。この瞬間の敵陣が最も守備としては無防備になっていて、前に人数がそろっている身方がそのままゴールになだれ込めるからである』

3 ここでなお、コンパクト・プレスとかゾーン・プレスとかの理解も必要になってくる。
 これは、1990年ごろイタリアはACミランが世界を席巻した戦略なのだが、こういうものだ。身方のディフェンスラインを上げて前陣は下がり目と縦に詰めた空間に身方選手を密集させることによって、敵ボールを奪い取り易くする戦術である。その都度のその空間をゾーンと言い、そこに味方選手が密集するからコンパクトと言う。そして、その狙い、発想は、こんな所である。よく敵ボールを奪うことによってキープ率で敵を圧倒して、相手を味方ゴール前に来させず、身方が攻めっぱなしになるという戦い方にする。よく走って、オフサイドトラップなど一糸乱れずプレーすることが強く要求される。

4 さて、こういう戦い方を理解するには、サッカーにおける「攻守のバランス」の理解が不可欠になる。普通は、攻撃に偏れば失点が増えるし、守備に偏れば得点が減るのがサッカーだが、ゾーンプレスもゲーゲンプレスも攻守を分けず一体とした戦略と言える。ある守備をそのまま攻撃に転化させる戦法、守りがそのまま得点法になると、そういった発想なのである。「良い守備からこそ、得点が生まれる」とよく語られるのも、こういう戦い方、発想を指している。

5 さて、このゲーゲンプレスがブラジルW杯など世界サッカー界を一変させた。出来るだけ前に詰める守備でどんなやり方でも良いから敵ボールを強引に奪い取り、そのまま敵ゴールに雪崩れ込んでいくようなカウンター光景がどんどん増えてきた。そして当然のことながら「こういう戦法に合う選手」が、重視されるようになる。前陣でも「プレスに走り、潰せる選手」、「カウンターが得意な選手」。中盤では「潰しはもちろん、前への推進力もある選手」。そして、守備に回っては前後を問わず「相手の強引なボール奪取にも抵抗力が強い選手」。

6 こういう流れからこそ、代表候補選手もプレスと潰し重視の流れに乗って行った。
 FWでは、躍進の岡崎と、停滞の宇佐美という対照。
 中盤で相変わらず重用されてきた長谷部のドイツ強豪チームにおけるキャプテン級の活躍は、1対1に負けず、こういう流れへの理解力、何よりも守備組織力があるからだ。ちなみに、長谷部のような選手を1対1だけで観ていては、その現代的力量は到底理解出来ないだろう。彼が対面する相手ボールが上手くさばかれたように見えても、そのボールの行った先で身方ボールになり易い状況もよく起こるのである。
 また、原口のように、前の方で独力でボールを奪い、そのまま得点を狙う方法、機会を探り続ける執念を見せる選手もどんどん生まれてくる理屈である。これらすべて、ゲーゲンプレスの発想が理解できなければ見えてこないもののはずだ。 
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする