表題のことに関わって、2つの拙コメントを再掲したい。まず、「躍進・広島から学ぶ」というコメントを1つ。次いで、この間討論した自分なりの了解事項を1つ。
【 今年の広島 (文科系)2018-05-09 19:01:56
今年の広島は、得点も多いけど、それよりも1ゲーム当たりの失点が、0・5以下である。こういう躍進の原因のひとつに、明らかゲーゲンプレス(的発想)の取り入れがある。以下は、城福監督の言葉だが、
『例えば、トランジションの速さというのは高いレベルのベーシックなんだけれど、敵陣でボールを奪われて、ボール周辺の選手がプレスやスペースを埋める方法を間違えて、全員が自陣に50メートル帰る羽目になったシーンを映像で見せる。逆に、奪われた選手の切り替えやディフェンスラインの事前の押し上げによって奪い返して、ショートカウンターを繰り出したシーンも見せる。それで、「どちらがチームにとって有益だと思う? ここで3秒頑張ったり、事前に準備をしておくことで、帰陣に使っていたエネルギーを攻撃に使おうよ」と』
この全体がゲーゲンプレスの考え方だが、中でもここが重要だと愚考した。
『ここで3秒頑張ったり、事前に準備をしておくことで、帰陣に使っていたエネルギーを攻撃に使おうよ』】
【 仕方ないね・・・ (文科系)2018-05-11 02:30:30
仕方ないから、この討論から僕なりに明らかになったと思われる今の世界サッカーの事実、真実を書いておくよ。
①ゲーゲンプレス(的発想)は、きちんと取り入れることが出来れば、さほどでもないチームで得点を急増させるやり方である。
②リトリート・カウンター狙いのチームに対して失点も多少増えるかも知れないが、繋いでくる強豪に対して比較優位になるやり方でもある。
③ゲーゲンプレスに必要な「フィジカル」は、以下のものであって、日本人に欠けているわけではない。ダッシュを繰り返すことを含めて、走り続けられる力。1対1でボールを奪い合う技術、アジリティ。なおこの奪い合いには、身体の大きさ、筋肉量はさほど関係ない。(以下略)】
W杯での日本は弱者である。バルサ流繋ぎで勝とうなどは、10年早いどころの騒ぎではない。日本程度の繋ぎ技術では、逆にゲーゲンプレス的相手に良いようにされてしまうはずだ。そんなことはもう、ブラジル大会で白日の下に晒されたもの。ザックの「サイドから、縦に速く」という言葉を最も聞き入れず、中央突破など繋ぎに拘って「優勝」とほらを吹いていた本田などは、繋ぎ無力さ加減に「僕のサッカー基準が全く打ちのめされたことが辛い。もう一度、根本から考え直さないと・・・」と顔面蒼白の反省をしていたはずだ。そんな所からも、我が代表が繋ぎに拘るのは愚かだ。西野は、ハリル流を受け継ぐべきである。ゲーゲンプレス的戦い方を引き継いで欲しい。
なお、これについて岡崎が語ったことも付け加えておきたい。
『ハリル流を例えば、こうやることもありと観てきた。65分は守って、最後の25分でハリル流をやると。こういうことさえも、ハリルは否定していないと僕は観てきたね』
またもう一つ、次の傍証も挙げておきたい。
直近のACLで、日本勢としては約10年ぶりに、浦和が優勝した。つまり、日本が10年間ここで勝てなくなっていた事態を、浦和がやっと昔に戻してくれたのである。ここの守備の要・槙野が、ハリルの指導に対して凄く感謝していたことを、今ここで強調しておきたい。このACL浦和にしても、強豪・上海上港に一昨日勝った鹿島にしても、ACLで勝つ日本勢はとにかくもう、死にものぐるいで闘っている。ボールを奪い、あるいは奪われぬための闘争において。これが弱いJリーグとは全く違った戦いをしなければ勝てないのである。それほどに、世界のボールの奪い合いは凄まじくなっている。よい時に、よい所で、敵ボールを奪う個人的・組織的力をそのまま得点法にするゲーゲンプレス的戦い方の世界的広がりということだと愚考してきたものだ。