石油が超高値になったから、初の備蓄放出? それも世界協調して? それでも値下げ効果は不透明? この手の記事を読むといつも思うのが、世界の石油価格は独占禁止法違反だということ。それも、極めて手前勝手な悪辣政治によって作り出された違反だ、と。このことを、どのマスコミも書かないのだなーという義憤もまた、僕はいつもいつも感じ続けて来た。
現に、アメリカの「政治」によって勝手に超高値にされているではないか。そのことをマスコミはなぜ書かないのだろう、と。
世界原油埋蔵量1位のベネズエラの原油はどうなっている? 同4位のイランの原油は? と考えてみるだけですぐに分かるのだが、アメリカによるこの両国への「経済制裁」こそ、この超高値の最も根本的な原因とさえ言える。このことをなぜ日本のマスコミは報じないのか。この報道姿勢はそもそも一体どういうことなのだ? 大げさに言えば、原油の値段によって物価が左右されるようなわが国は、この問題の政治的解決こそ経済の生命線と言えるはずなのに、日本では政治家も経済人も、マスコミ界も一体何を考えているのかと言いたい。こう考えてみれば誰でも分かることだが、日本の石油の値段は国際政治力によって決まるのである。日本の国際的政治力が近視眼であり、無能を通り越しているから、他国の良いようにされるのである。そのしわ寄せは全部、庶民に降りかかってくる。
ちなみに、アメリカが現在世界一の産油国になったとかは、シェールガス原価に「国際的目途」がついたから。と言っても、まだまだその値は高くって、ベネズエラ、イランが自由に販売できたら世界価格は一挙に下がって、シェールは採算が合わなくなるはずだ。「シェールを売るために、国際価格を上げるためのベネズエラ制裁?」と言いたくなる。
かくして僕は感嘆する。アメリカの「政治的イノベーション」は、凄いもんだ! それに比べて日本の国際政治力、国際政治的イノベーションは下の下。だからこそ、購買力平価の一人当たりGDPは、下がって来るばかり、今や33位。日本政治家の国際政治力がない分、日本国民にしわ寄せが来ている。