【NHKワクチン被害者遺族放送問題#2】:「私たちはNHKを許さない」コロナワクチン死を訴える気持ちを踏みにじった遺族が明かす「取材の全容」
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【NHKワクチン被害者遺族放送問題#2】: 「私たちはNHKを許さない」コロナワクチン死を訴える気持ちを踏みにじった遺族が明かす「取材の全容」
NHKが番組内でコロナ禍を振り返る映像に、コロナワクチン被害者遺族らから抗議が集まっている問題。なぜこうした事態に発展したのか――。
前半記事『なぜニュースウォッチ9は「ワクチン死」に触れなかったのか――遺族の決死の告白を踏みにじった「NHKの粗暴」【NHKワクチン被害者遺族放送問題#1】』から続けて紹介する。
◆NHKからの依頼メールの全文公開
事の発端は、コロナワクチン被害者遺族会「つなぐ会」のホームページの問い合わせフォームを通して、NHKのX氏から取材の依頼が来たことだった。NHKサイドに佐藤さんら放送に登場した3人の遺族を紹介した、同会代表の鵜川和久氏に話を聞いた。
送られたメールには次のように書かれていた。
『先般から各社報道していますように、(新型コロナが※編集部注)5類移行となり、社会には明るい兆しが見えているようにも受け止められていますが、その実、非常に強い危機感を個人的に覚えずにいられません。
あった事をなかったようにされ忘れられていくのではないか、数えきれない嘆きの声が埋もれているのではないか。そして我々の報道の姿勢としてもこのままで良いのか。
歴史的にも非常に重要な意味を帯びるタイミングが現在であるとすら考えるのですが自分ではなかなか答えに辿りつけず、それでも番組でもどうにか取り上げて提起したい狙いから、厚労省や自治体にも取材をすすめていたところ、鵜川さまの活動に辿り着くことができました。
求めは長年活動されてきた鵜川さまのご意見をぜひ賜われないか、そしてご遺族の声を後年に残すことができないか、取材のご相談であります』

丁寧で熱い志を秘めた文面に好感を持った鵜川氏は、以後、X氏と複数回やり取りを重ねた。
◆3人のワクチン副反応死遺族に取材
「遺族をつなぎ、遺族の証言を残し、風化させないことを目的にしていることを彼は訴えていました。やり取りの中では『鵜川様との協議の通り、初手はワクチンの戒めを問うというより、コロナ禍を忘れさせないためのメッセージを帯びた放送を目指します。(編集部注:ワクチン死については)効果的に出すタイミングを綿密に測りつつ、鵜川様にもご意見を賜り、継続的に皆様に報います』と言っていました。
NHK側は、最初から私たちがワクチン接種後に副反応との因果関係が疑われる症状で肉親を亡くした遺族たちの会であること、活動内容を理解したうえで連絡をしてきているということです。『ワクチン遺族の会だということは知りませんでした』では通用しません」(鵜川氏)
取材は5月13日、京都府内で行われた。前述のX氏のほか、若いカメラマンと照明の3人が東京からやってきた。3人の遺族への取材は一人20~30分、計1時間ほど。故人の写真や思い出の品を持参し、生前のエピソードを明かした。そしてワクチン接種後に何が起きたのか、当時の状況、無念さ、悔しさ、そして接種した後悔について、ときおり声を詰まらせながら説明していた。

しかし、冒頭でも説明したように放送された映像では遺族らの意図に反し、「ワクチンについて訴えた場面」が使われることはなかった。
「X氏は取材時、『(ワクチン関連死)遺族のことは伝えなければならない』と涙を流しながら、遺族の声に耳を傾けてくれました。それなのにあの放送では、コロナ感染によって亡くなったようにしか見えない内容でした。肉親が『ワクチン接種後に亡くなった』という根幹部分が切り取られていたのです。彼のあの涙はいったい何だったのでしょうか」(前同)
◆放送後には感想を求める電話が
放送終了、「なんだこの放送は……」と呆然としている鵜川氏の元に、X氏から番組の感想を求める電話がかかってきたという。鵜川氏は当然、抗議する。
「これワクチン遺族ではなく、コロナ感染死の遺族、ということになっていませんか?」
そう伝えるとX氏の声色が変わった。
「『あ、やべっ』と、言う感じでしたね。そこで事態の大きさに気が付いた様子でした」
X氏は「局に持ち帰り検討する」と伝え、その後、彼の上司が謝罪の電話をしてきたという。そして翌16日、同番組の最後に田中正良キャスターが「コロナウイルスに感染して亡くなったと受け取られるように伝え、ワクチンが原因で亡くなったというご遺族の訴えを伝えていませんでした」とし、映像について謝罪した。
謝罪さえすればすべてが終わるとNHKは踏んだのだろうか。だが、遺族の怒りはおさまらない。
「なぜこうした編集がされていたか、その経緯については説明がありませんでした。今後のNHK側の動きによってはBPO(放送倫理・番組向上機構)への提言含めてしかるべき措置を検討していくことになります」(前出の鵜川氏)
番組の放送時間の都合はあるにせよ、なぜNHKは「ワクチン死遺族」に取材し、入念に話を聞いておきながら、「コロナ死」という広い括りでその死に触れたのか。
そこにはNHKの内部事情が関係しているとみられる。
後半記事『なぜNHKは「ワクチン死遺族の悲痛な声」を報じなかったのか…証言で浮かび上がった深層【NHKワクチン被害者遺族放送問題#3】』では内情に詳しい関係者が明かす。
元稿:現代ビジネス 主要ニュース メディアと教養 【話題・NHK「ニュースウォッチ9」・コロナワクチン接種後に「副反応との因果関係が疑われる症状」で肉親を亡くした遺族たちの告白・担当:週刊現代編集部】 2023年05月26日 09:04:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。