路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【日銀】:あるぞ追加値上げ…「次のタイミング」は7月か? 悩める植田総裁の“胸の内”

2024-03-29 07:05:10 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

【日銀】:あるぞ追加値上げ…「次のタイミング」は7月か? 悩める植田総裁の“胸の内”

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【日銀】:あるぞ追加値上げ…「次のタイミング」は7月か? 悩める植田総裁の“胸の内”

 日銀がマイナス金利を解除して「利上げ」したのに1ドル=151円台の円安に進んでしまった。想定外の事態になり、物価高加速で家計を圧迫する懸念が強まっている。

<picture>物価高抑制のために「次の利上げ」を…(参院財政金融委員会での植田和男日銀総裁)/(C)日刊ゲンダイ</picture>

 物価高抑制のために「次の利上げ」を…(参院財政金融委員会での植田和男日銀総裁)/(C)日刊ゲンダイ

 そんな中、日銀の植田総裁は21日、参院財政金融委員会に出席。19日にマイナス金利解除に踏み切ったことについて、自民党議員から「物価安定目標の達成を見極める前に正常化を焦ってはいないか」などと問われた。これに対し植田総裁は、政策転換のタイミングが遅れた場合に「物価が2%の上昇率できちんと止まるかどうか、はっきりしない。アップサイド(上昇方向)のリスクも上がってくることを考え、判断した」と説明した。

 ■11月の大統領選までに

 「利上げが4月ではなく3月だったのは、日銀が11月の米大統領選を意識しているからのようです。大統領選の結果次第で状況が不安定になる前に、次の追加利上げを実施したいと考えている。次回4月の金融政策決定会合は25、26日ですから、4月では遅い。3月なら11月まで半年以上の期間があります。次は短期金利の誘導目標である政策金利を、現状の0~0.1%から0.25%へ引き上げることになるでしょう」(金融ジャーナリスト・森岡英樹氏)

  日銀の政策変更後、円相場が一気に2円も円安方向に進んだのには、「次の利上げ」を求める市場の催促相場の意味合いもあるという。投機的な動きも絡む急激な円安に、21日は鈴木財務相も「高い緊張感を持って注視したい」と牽制していた。

 日銀は物価高抑制のために、追加利上げで早めに動かざるを得なくなるのではないか。

 「21日の国会での植田総裁の答弁でわかるように、日銀はインフレ対策が後手に回っているという意識をかなり持っていますよ」と言うのは経済評論家の斎藤満氏だ。さらにこう続ける。

 「中央銀行は本来、インフレを未然に抑えなきゃいけない。学者の植田総裁はよくわかっていると思います。日銀は本音ではもっと早いタイミングで利上げしたかった。もっとも、植田総裁が『緩和的な金融環境を継続』と言ってしまったこともあり、次の利上げは緩やかなタイミングにならざるを得ない。四半期に1度なら許容範囲。次の利上げは7月と、日銀は考えているでしょう。順調に行けば、年内12月に、もう一度利上げして0.5%まで戻したいのではないか」

 利上げでも円安基調を受け、東証は21日、4日につけた史上最高値を更新した。植田総裁には悩ましい日々が続く。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース マネー 【トピックス】  2024年03月22日  13:50:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【風知草】:財務官の「幸福」探し=山田孝男

2024-02-19 02:05:20 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

【風知草】:財務官の「幸福」探し=山田孝男

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【風知草】:財務官の「幸福」探し=山田孝男

  「日本のGDP(国内総生産)世界4位へ後退」報道のさなか、豊かさの新しい指標の研究者でもある神田真人財務官(59)に、新指標のミソを聞いた。

<picture><source srcset="https://cdn.mainichi.jp/vol1/2024/02/19/20240219ddm001010113000p/9.webp?1" type="image/webp" />絵・五十嵐晃</picture>
絵・五十嵐晃

 「社会の豊かさを見る上で大事なことの一つは公平さですね。ビル・ゲイツ独りもうかって、残りは貧乏なら政治は乱れ、社会は不安定になるでしょ?」

 「もう一つ。土地や水の質などの自然環境や、社会で共有されている公共的な価値は守る。未来の世代を危機に追いやるような社会は豊かとは言えない」、残り1142文字(全文1353文字)

 ※この記事は有料記事です。「ご登録日から1カ月間は99円」 いますぐ登録して、続きをお読み下さい。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【風知草】  2024年02月19日  02:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:財政収支の悪化 野放図予算に終止符を

2024-01-24 08:04:50 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

【社説①】:財政収支の悪化 野放図予算に終止符を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:財政収支の悪化 野放図予算に終止符を

 国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)を巡り、やや高めの経済成長を実現しても2025年度の黒字化達成は困難との見通しを政府が示した。財政悪化の原因は支出のたがが緩みきっていることに尽きる。

 若い世代の将来への不安を取り除くためにも、野放図な予算編成に終止符を打たねばならない。
 
 PBは、政策に使う経費を国債を発行せず、税収などで賄えるか否かを示す指標だ。
 
 
 18年に当時の安倍晋三政権が25年度のPB黒字化目標を掲げたが、政府は23~25年度の国内総生産(GDP)の伸びを1・3~1・6%増と想定し、25年度は1兆1千億円の赤字になると見込んだ=グラフ。
 
 アベノミクスは機動的な財政出動を掲げ、予算は歯止めなき膨張を続けた。日銀による銀行経由の国債引き受けなど大規模な金融緩和の継続も後押しし、財源を国債に依存するいびつな膨張型予算が常態化しているのが現状だ。
 
 さらにコロナ禍や物価高対策で補正予算の編成が相次ぎ、支出圧力に拍車がかかり、国と地方を合わせた長期債務残高は21年度でGDPの2倍を超える約1200兆円にまで積み上がった。
 
 PB黒字化には、政府・与党内にまん延する放漫財政姿勢を根本から改める必要がある。
 
 しかし、24年度予算案や23年度補正予算でも「規模ありき」の姿勢は変わらず、黒字化目標の実現に向けた意欲は感じられない。
 
 能登半島地震の被災地支援や、いつ起きるか分からない災害のリスクとも向き合う必要があり、予算確保は避けて通れない。
 
 深刻化する少子高齢化対策や、社会保障に必要な予算も年々膨れ上がっている。25年度のPB赤字を1兆1千億円にとどめることも難しいのではないか。
 
 将来起こり得る課題に備え、財政を健全化することは、若い世代に対する義務にほかならない。利払い負担が増える国債頼みの財政運営はもはや限界だ。持続的な経済成長による税収増と歳出削減の両立に向け、経済政策の抜本的な見直しが必要だ。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年01月24日  08:04:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:年のはじめに考える アベノミクスとの別れ

2024-01-06 07:26:50 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

【社説①】:年のはじめに考える アベノミクスとの別れ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:年のはじめに考える アベノミクスとの別れ

 昨年12月、外国為替市場の円相場が動きました。7日の参院財政金融委員会で、日銀の植田和男総裁=写真=が「年末から来年にかけて一段とチャレンジングな状況になる」と発言したためです。

 「チャレンジング」の意味を、投資家たちは「日銀が大規模な金融緩和から本格的な脱出を図るサイン」と受け取り、金利上昇を見込んで円買いに走ったのです。発言直後、円の対ドル相場は一時5円以上値上がりしました。

 ところが日銀は同月の金融政策決定会合で金融政策を修正しませんでした。しかも植田氏は会見で「チャレンジング」の意味について「気を引き締めて職務に取り組む意思を示した」と弁明し、金融市場の解釈を否定したのです。
 
 ただ、金融政策を知り尽くす植田氏が「チャレンジング」という言葉を使えば、市場が大きく反応することを予測できないはずがない。利上げに踏み出そうと検討したが、時期尚早と判断して見送った、と見るのが自然です。
 
 大規模な金融緩和を柱の一つとする「アベノミクス」との決別は日銀に今、課せられている最大の使命ですが、極めて難しいのも事実です。植田発言の迷走もその困難さを反映したものでしょう。
 
 決別が困難な理由は、政権が依然、金融緩和の継続を望んでいるからにほかなりません。
 
 日銀は金融機関経由で国債を買い入れることを中心に金融緩和政策を続けています。国債を発行すれば中央銀行である日銀が引き受けてくれる図式です。財源の心配なく大盤振る舞いをすることができ、政権にとって、こんな都合の良い政策はありません。

 ◆「富」はしたたり落ちず

 その結果、野放図な歳出が横行し、新型コロナ禍以降に相次いだ補正編成も含めて、予算規模は止めどない膨張を続けています。
 
 日銀総裁は国会の同意を受けて内閣が任命します。閣僚とは違うものの、時の政権が金融緩和を望めば、その意向を無視することはできない構造なのです。
 
 アベノミクス後に上昇や膨張が目立った経済指標は、平均株価と企業の内部留保でした。
 
 リーマン・ショックの影響で2008年10月に7000円を割り込むまで落ち込んだ平均株価は、昨年11月には一時3万3800円台まで上昇し、バブル経済崩壊後の最高値を付けました。
 
 企業がため込んだ内部留保は22年度まで11年連続で過去最高を更新し、23年度も500兆円を大きく超える天文学的な水準で推移しています。
 
 いずれも12年末に始まったアベノミクスの「第一の矢」である「大胆な金融政策」によって流れ出た膨大な資金と、それに伴う円安が引き起こした現象です。
 
 アベノミクスでは当初、大企業や富裕な投資家らが潤った後、資金が国全体にしたたり落ち、景気の好循環が起きるという「トリクルダウン」のシナリオが描かれていましたが、現実は違いました。一部の大企業は資金の流れをせき止める一方、富裕層だけが株高による投資でもうけたのです。
 
 厚生労働省が毎月勤労統計調査で公表している「実質賃金」が注目されています。実際に受け取った「名目賃金」から、物価変動の影響を差し引いて算出した指標で働く人が給与で買えるモノやサービスの量を示します。
 
 実質賃金は昨年10月まで19カ月連続で前年同月比マイナス。賃上げが物価高に追いつかず、働く人の苦しい生活実態が、統計上はっきりと読み取れます。
 
 インフレなら「物価の番人」である日銀の出番ですが、金融緩和の常態化により、円安に効果的な対策が取れず、物価高騰に拍車がかかる状態が続いています。

 ◆「街の灯」が放つ光弱く

 植田氏は、アベノミクスというモンスター級の「火中の栗」を拾い、膨大なデータを丹念に分析しつつ、金融政策の最適解を懸命に探しているはずです。
 
 コロナ禍は収束傾向にあり、繁華街に活気が戻ったといわれますが、以前と比べて飲食店などの店じまいは早く「街の灯」が放つ光も「弱々しい」と感じます。
 
 暮らしはデータ以上に痛めつけられ、スーパーでは値札を比べて少しでも安い食料品を買い求める人々の姿が見られます。
 
 植田氏に聞きたいのです。街を歩いていますか、自分で買い物をしていますか、と。もししていないのなら、街に出てほしい。そうすれば、データに表れない消費の実態を感じることができ、金融政策にも必ず役立つはずです。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年01月06日  07:26:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【ぎろんの森】:アベノミクスの後始末

2023-12-16 07:45:00 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

【ぎろんの森】:アベノミクスの後始末

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ぎろんの森】:アベノミクスの後始末

 日銀が金融政策決定会合で大規模金融緩和策の再修正を決めました。物価上昇要因である円安の抑制を意識した措置ですが、市場では微修正と受け止められ、歯止め効果は薄かったようです。

 東京新聞は1日社説「金融政策再修正 物価抑制には力足りぬ」で「物価高を封じ込めるには、力不足と指摘せざるを得ない」と訴えました。
 
 現在の物価高は、ウクライナ紛争で原油などのエネルギー価格がそもそも高騰していることに加え、円安が進み、エネルギーや原材料、食品、物品などの輸入価格が上昇していることが原因です。
 
 では、その円安はなぜ起こっているのか。主な要因はインフレ対策で急速な利上げを進めてきた米国と、低金利政策を続ける日本との金利差にあります。つまり日本の金利を上げなければ円安に歯止めは掛かりません。
 
 日本経済が多くを輸入に頼る現状を考えれば、金利を上げて円安に歯止めを掛けることが物価対策になるのです。
 
 ただ、金利を上げることの「副作用」もあります。住宅ローン金利や企業向けの貸出金利が上昇し、景気の悪化や株価の低迷を招く恐れがあります。最も懸念されるのは、国債の利払いが増えることでしょう。
 
 日本の国債残高は2023年度末には1068兆円に上ります。金利が上がれば国債の利払いが増え、財政がさらに悪化しかねません。日銀は金利変動が及ぼすさまざまな影響を考慮し、金融政策を決定しているのでしょう。
 
 とはいえ、日銀が「異次元の金融緩和」で円安に誘導し続けたのは故安倍晋三元首相が主導した経済政策「アベノミクス」の一環です。同政策の柱の一つは国債頼みの「機動的な財政政策」でした。
 
 アベノミクスは一部に恩恵をもたらしたかもしれませんが、金利を上げたくても上げられない日本経済はアベノミクスの後遺症に悩まされ、その後始末をしていると言っても過言ではありません。
 
 東京新聞は現在の経済政策はもちろん、過去の政策からも目を背けず、検証し続けたいと考えています。 (と)

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【ぎろん森】  2023年11月04日  07:47:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳・11.11】:自民も立民も財務省支配に変わりはない

2023-11-22 07:40:00 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

【政界地獄耳・11.11】:自民も立民も財務省支配に変わりはない

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・11.11】:自民も立民も財務省支配に変わりはない 

 ★あれだけ財務省言いなりに事を進めてきた首相・岸田文雄が最後は減税方針すら揺さぶられ解散封じに追い込まれた。8日の衆院財務金融委員会で財務相・鈴木俊一に税収増は「政策的経費や国債の償還に既に充てられてきた」ので原資はないとし、自民党税調会長・宮沢洋一も「『還元』といっても税収は全部使ったうえで国債を発行している。それは還元ではない」と、はしごを外した。無論、財務省は岸田降ろしの責任を取るわけでもなく、どこかで岸田を浮揚させるプランを出して岸田延命には手を貸すだろうが、当面の財務省メンツは保てた。

 ★一方、立憲民主党は21年衆院選と22年参院選で「5%への時限的な消費減税」を中長期的な経済政策に掲げていたが、10日発表の最新版から消費税減税が消えた。これには理由がある。1つは連合会長・芳野友子からの「このままでは、職場に支援のお願いをしていくことは非常に難しい」「共産党から支援を受けた候補者は推薦できない」との攻勢だ。これが国民民主党幹事長・榛葉賀津也の9月8日の会見のように「お世話になっている連合さんといえども党運営や考え方について『ああしろ、こうしろ』という問題ではない。党の方向性を決めるのは我々です」「駆け引きをしながら、どう政策立案していくか。政治は“生き物”だ。特定の政党を引っ張るために国民民主党は政治をやっていない。“政治ゲーム”じゃなく本気で政治をやる。これからも真っ向から向き合って、その都度、仲間と相談して結論を出していく」と言えれば立派だが、立憲代表・泉健太は「十分に理解し、党内でも認識を共有する」と反発なく受け入れる。

 ★つまりこの消費税減税を政策から外せば共産党との連携にひびが入ることを念頭に、立憲内の元首相・野田佳彦や国対委員長・安住淳ら政権時の財務相経験者ら財務省派が外させたのかもしれない。自民立憲財務省支配に変わりはない。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2023年11月11日  08:04:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【財務省】:「税制所管官庁としてあってはならない」、職員も税金滞納で副大臣辞任の神田憲次氏に批判

2023-11-14 00:27:30 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

【財務省】:「税制所管官庁としてあってはならない」、職員も税金滞納で副大臣辞任の神田憲次氏に批判

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【財務省】:「税制所管官庁としてあってはならない」、職員も税金滞納で副大臣辞任の神田憲次氏に批判

 税金滞納問題で財務副大臣を13日辞任した神田憲次氏に対し、財務省内では職員から「税の大切さを訴えても説得力がなくなる」「税制を所管する官庁として、あってはならないこと」などと批判の声が上がった。

9月、首相官邸で行われた副大臣との記念撮影で、岸田首相(前列左)らと写真に納まる神田憲次衆院議員(後列右から2人目)(共同)

 

 財務省にとって、税制の企画立案は予算編成と並ぶ主要な業務だ。特に、防衛増税などの議論を進めたイメージをはね返すかのように岸田文雄首相が表明した所得税と住民税の減税策もあり、税への注目度が高まっている。財務省幹部は「副大臣が滞納問題でここまで騒ぎになったら、続投は厳しかった」と話した。

 政府は物価高対応などの経済対策を裏付ける2023年度補正予算案を20日に臨時国会に提出し、月内の成立を目指す。国会審議の直前に起きた副大臣の辞任騒動に、財務省中堅は「辞任しなければ、補正予算案を人質に取られ、審議が進まない恐れがあった」と複雑な思いを語った。(共同)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・政局・岸田政権・過去の税金滞納を認めた神田憲次財務副大臣(60)=衆院愛知5区=】  2023年11月13日  20:31:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【岸田政権】:「原資なしという言葉使っていない」鈴木俊一財務相が反論 SNSのトレンドワード化に戸惑い

2023-11-10 00:15:20 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

【岸田政権】:「原資なしという言葉使っていない」鈴木俊一財務相が反論 SNSのトレンドワード化に戸惑い

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【岸田政権】:「原資なしという言葉使っていない」鈴木俊一財務相が反論 SNSのトレンドワード化に戸惑い 

 鈴木俊一財務相は9日の参院財政金融委員会で、8日の国会答弁で岸田文雄首相が打ち出した定額減税に関し、過去の税収増分は政策的経費などで使用済みだと認めたことについて「『原資がありません』という言葉は使っていない」と答弁した。

参院財政金融委で答弁する神田憲次財務副大臣(右端)。左手前は鈴木財務相(共同)

 

 鈴木氏の8日の衆院財務金融委員会での答弁をめぐり、「原資なし」がインターネット上のトレンドワードになったが、これに反論した形だ。

 立憲民主党の柴慎一議員に「ネットでは『原資なし』がトレンドワード化している。真意が伝わっているのか、総理がこれまで言ってきたことと違うという声が上がっている」と指摘された鈴木氏は「昨日の委員会の発言で、私は原資がありませんという言葉は使っていません」と反論。

 「(2年間で)見込みの税収から伸びた部分は予算や補正予算で、すでに政策的に、国債の償還に充てられているということを述べた。今回の措置は財源論ではなく、この間に伸びた3・5兆円をどのような形で、国民の皆さま方に還元するのかということを述べたつもりだ」と真意を説明した。

 柴氏は「原資なしとはおっしゃっていない」と理解を示しつつ「『還元』との表現が正しいのか。国民に誤解を生む表現ではないか」と指摘。「税の増収分を勝手に使ったわけではないが、税の増収分を還元するとして、あたかも自由に使える臨時収入があったかのような発言になるのではないか」として「お父さんが臨時収入があったから子どもたちを喜ばせようと家族を焼き肉店に連れていったが、そのお金は借金をしていたということなのでは。子どもたちは家にお金がないことを分かっており、別のことに使ってほしいからあまり喜んでいないということが、今の国民の評価につながっているのではないか」と例え話を披露しながら、「還元」という表現の分かりにくさを指摘した。

 これに対し、鈴木氏は「増収分に見合う形をどういう形で国民の皆さまにお返しするかが出発点。さまざまなところで『還元』という言葉を使っており、今すぐ使わないということは考えていない」と述べた。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・政局・岸田政権・財務省】  2023年11月09日  12:47:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【ぎろんの森】:アベノミクスの後始末

2023-11-04 07:48:30 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

【ぎろんの森】:アベノミクスの後始末

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ぎろんの森】:アベノミクスの後始末

 日銀が金融政策決定会合で大規模金融緩和策の再修正を決めました。物価上昇要因である円安の抑制を意識した措置ですが、市場では微修正と受け止められ、歯止め効果は薄かったようです。

 東京新聞は1日社説「金融政策再修正 物価抑制には力足りぬ」で「物価高を封じ込めるには、力不足と指摘せざるを得ない」と訴えました。
 
 現在の物価高は、ウクライナ紛争で原油などのエネルギー価格がそもそも高騰していることに加え、円安が進み、エネルギーや原材料、食品、物品などの輸入価格が上昇していることが原因です。
 
 では、その円安はなぜ起こっているのか。主な要因はインフレ対策で急速な利上げを進めてきた米国と、低金利政策を続ける日本との金利差にあります。つまり日本の金利を上げなければ円安に歯止めは掛かりません。
 
 日本経済が多くを輸入に頼る現状を考えれば、金利を上げて円安に歯止めを掛けることが物価対策になるのです。
 
 ただ、金利を上げることの「副作用」もあります。住宅ローン金利や企業向けの貸出金利が上昇し、景気の悪化や株価の低迷を招く恐れがあります。最も懸念されるのは、国債の利払いが増えることでしょう。
 
 日本の国債残高は2023年度末には1068兆円に上ります。金利が上がれば国債の利払いが増え、財政がさらに悪化しかねません。日銀は金利変動が及ぼすさまざまな影響を考慮し、金融政策を決定しているのでしょう。
 
 とはいえ、日銀が「異次元の金融緩和」で円安に誘導し続けたのは故安倍晋三元首相が主導した経済政策「アベノミクス」の一環です。同政策の柱の一つは国債頼みの「機動的な財政政策」でした。
 
 アベノミクスは一部に恩恵をもたらしたかもしれませんが、金利を上げたくても上げられない日本経済はアベノミクスの後遺症に悩まされ、その後始末をしていると言っても過言ではありません。
 
 東京新聞は現在の経済政策はもちろん、過去の政策からも目を背けず、検証し続けたいと考えています。 (と)

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【ぎろんの森】  2023年11月04日  07:4700  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:金融政策再修正 物価抑制には力足りぬ

2023-11-04 07:11:50 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

【社説①】:金融政策再修正 物価抑制には力足りぬ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:金融政策再修正 物価抑制には力足りぬ 

 日銀が金融政策決定会合で大規模金融緩和策の再修正を決めた。物価上昇に拍車をかけ続ける円安の抑制を意識した措置だが、修正の規模は小幅にとどまる。物価高を封じ込めるには、力不足と指摘せざるを得ない。
 
 会合では、長期金利が1%を一定程度超えても容認することを決定した。7月の会合では、上限としていた0・5%を「めど」に変え、1%まで認める措置を取っており、今年2回目の金融引き締めに踏み切った形となる。
 
 ただ、引き締めといっても円安を抑える効果があるか否かは不透明だ。
 
 激しいインフレが続く米国では連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを継続するとの観測があり、その規模やペースも日銀の政策修正をはるかに上回る。今回程度の修正では日米の金利差は縮まらず、金利の高いドル買いがさらに進むことも想定できる。
 
 食料品の値上がりや電気・ガス料金、ガソリン代の高止まりは常態化し、家計は細る一方だ。暮らしを守るには、これ以上の円安は許されない。
 
 日米の金利差縮小に向けた金融政策の修正は「物価の番人」である日銀の責務とも言える。日銀は緩和策の修正を模索し続けることになるだろう。
 
 日銀は31日公表の「経済・物価情勢の展望」で、2023年度の消費者物価指数の上昇見通しを前年度比2・8%(7月時点2・5%)、24年度も2・8%(同1・9%)に引き上げた。消費現場の実感からはかけ離れた数字だが、日銀が物価問題に危機意識を強めていることは確認できた。
 
 長期金利の上昇は、企業の設備投資意欲の減退や住宅ローン金利の引き上げにつながる可能性も否定できないが、現在の円安は、こうした負の側面を覆い尽くすほどの水準の物価高となって、私たちの暮らしを痛め続けている。
 
 国際通貨基金(IMF)は日本の国内総生産(GDP)が23年ドイツに抜かれ4位に落ちるとの見通しを出した。アベノミクスを起点とした緩和策が過度な通貨安を引き起こし、その影響は国の衰退さえ招いたことも指摘したい。
 
 長期金利上昇は国債の利払い増加にもつながる。アベノミクス以来の国債頼みの膨張予算も金融政策変更の足かせになっていると、政府・与党は胸に刻むべきだ。 

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年11月01日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【深層探訪】:本格回復へ軌道徐々に 進む価格転嫁、中国景気に懸念も―日銀短観

2023-10-08 00:06:40 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

【深層探訪】:本格回復へ軌道徐々に 進む価格転嫁、中国景気に懸念も―日銀短観

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【深層探訪】:本格回復へ軌道徐々に 進む価格転嫁、中国景気に懸念も―日銀短観

 日銀が2日発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、大企業を中心に、経済がコロナ禍から徐々に本格回復に向かう軌道が示された。原材料高など物価上昇圧力は続くものの、価格転嫁が進み、企業の収益環境は改善。部品供給不足に悩まされた製造業では、生産正常化の動きも見られる。一方、中国の景気減速など外部環境への懸念は根強く、回復に水を差す可能性も拭えない。

【図解】仕入れ価格DIと販売価格DIの差推移

【図解】仕入れ価格DIと販売価格DIの差推移

 

 ◇底打ちの兆し

 大企業の業況判断指数(DI)の中で、前回(6月)8期ぶりにプラス転換した自動車は、今回さらに10ポイント上昇してプラス15となった。半導体不足による生産制約に苦しんできたが、「供給不足の解消は見えつつある」(ホンダ)と底打ちの兆しが出ている。収益面でも「販売単価が改善し、極めて高いレベル。為替(の円安)の追い風もある」(マツダ)という。

 原材料など仕入れ価格の上昇は根強いが、「利害関係者との協調を図りながら、値上げで対応してきた」(帝人)と、販売価格への転嫁の動きが広がる。仕入れ価格判断DIと販売価格判断DIの差は大企業製造業で16と、前回(18)より縮小。22年3月(34)から縮小が続いており、価格転嫁が進んでいる傾向が見て取れる。

 ただ、販売価格への上乗せが長引けば、個人消費には逆風となって跳ね返る。「(価格転嫁は)一定程度の浸透が図れたが、個人消費の減速を含めて需要減の行方が懸念される」(日本製紙)といった声は少なくない。日本チェーンストア協会は「これから生活者のお財布のひももきつくなる」と指摘し、賃金上昇を上回るペースでの物価高騰が個人消費を冷え込ませるリスクを危惧する。

 ◇楽観できず

 景況感の改善に貢献した宿泊関連では、「インバウンド(訪日客)は回復が顕著」(旅行大手)との声が聞かれ、「国内旅行も最近は2~3カ月先の先行受注が回復してきている」(同)。コロナ禍前にインバウンド消費のけん引役だった中国人観光客も「基調として伸びていくのは間違いない」(日本百貨店協会)とみられている。

 ただ、サービス業では人手不足が深刻化しており、需要を取り逃がす恐れも出ている。雇用人材判断DIは中小企業非製造業でマイナス44と、過去最低水準となった。

 さらに、中国経済の減速を懸念する声も多い。日本工作機械工業会の稲葉善治会長(ファナック会長)は「推進力に乏しく、期待されたゼロコロナ政策解除のメリットが実感されにくい」と指摘。深刻化する不動産不況についても「いまだ回復のめどが立っていない。楽観できない」(日本鉄鋼連盟)と厳しい見通しが目立つ。

 元稿:時事通信社 JIJI.com 社説・解説・論説・コラム・連載 【深層探訪】  2023年10月02日  17:42:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【日本の解き方】:「あまりにも悪者に…」元大蔵次官が「安倍回顧録」に反論 財務省の「省益追求」の正体、増税を主張し資産売却を渋る天下り体質

2023-09-16 23:52:50 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

【日本の解き方】:「あまりにも悪者に…」元大蔵次官が「安倍回顧録」に反論 財務省の「省益追求」の正体、増税を主張し資産売却を渋る天下り体質

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【日本の解き方】:「あまりにも悪者に…」元大蔵次官が「安倍回顧録」に反論 財務省の「省益追求」の正体、増税を主張し資産売却を渋る天下り体質

 「10年に1人の大物大蔵次官」といわれた齋藤次郎氏の「最初で最後」というインタビュー記事が月刊「文芸春秋」に掲載された。

 『安倍晋三回顧録』を読んで、あまりに財務省が悪者に扱われていることに我慢ならなかったようだ。そこに書かれていることは単純で、債務を減らそうと一生懸命やっているのに、安倍さんから「省益」を追求し政権をも倒そうとしていると言われ て、財務官僚は困っているということだ。

『安倍晋三回顧録』

 しかし、筆者から見れば、齋藤氏ほど財務省の志向を体現している人はいない。その意味で、最もわかりやすい人が出てきたといえる。

 筆者は、大蔵官僚時代の1990年代前半に政府の貸借対照表(バランスシート=BS)を作っている。それは政府の金融活動ともいえる財政投融資が危機的状況だったからだ。

 政府の財政状況を見るには、BSの借金残高だけでは不十分で、左側の資産も考慮し、具体的には資産を控除したネット借金残高で見なければいけない。これはファイナンス論・会計論のイロハのイである。しかし、当時の大蔵省は資産を対外的に明らかにすることには恐ろしく消極的で、筆者はある幹部から「BSを口外するな」と厳命を受けた。それが事実上解けたのは小泉純一郎政権になってからだった。

 小泉政権では、筆者は郵政民営化準備室・総務大臣補佐官として郵政民営化法の企画立案に携わった。一方、齋藤氏は、当時、民主党の小沢一郎氏と深い関係だったので、民営化阻止・国営化の立場だった。その後、自公から民主党への政権交代があり、郵政民営化法は改正され、事実上の国営化になった。そこで、齋藤氏は日本郵政社長となった。

 これは、財政の見方と大いに関係している。というのは、筆者のようにBSで借金とともに資産を考えると、借金は返済しなければいけないが、その財源として資産売却になる。しかし、齋藤氏のように借金だけに着目すると、増税で借金返済となる。

 一般論として言えば、資産の中には、天下り先の「米びつ」である出資金や貸付金が多く含まれている。増税は資産が温存されるので、官僚にとって好都合だ。逆にいえば、借金は返済せざるを得ないから、資産売却となれば天下りもできなくなる。民営化は資産売却の典型例なので、官僚が民営化を否定するのは、天下りを維持したいためであることがしばしばだ。

 安倍さんが、財務省が「省益」を追求しているというのは、例えば借金返済のために増税を主張するが、一方で、資産売却を渋り、天下りに拘泥することを言っている。

 ちなみに、齋藤氏は民主党政権が終わると、自分は退任し、次の社長には再び財務省出身者が就任したが、安倍政権に見つかり短期間で退任した。

 もちろん、増税することで財務官僚の差配するカネが増えるのも財務省の「省益」だ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授 高橋洋一)

 元稿:夕刊フジ ZaKazak 主要ニュース 政治・国際 【政治ニュース・連載・「日本の解き方」】  2023年04月18日  06:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【日本銀行】:「政府の子会社」意識から脱却せよ 金利上限「引き上げ」なのに「緩和維持」の矛盾

2023-08-15 06:28:50 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

【日本銀行】:「政府の子会社」意識から脱却せよ 金利上限「引き上げ」なのに「緩和維持」の矛盾

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【日本銀行】:「政府の子会社」意識から脱却せよ 金利上限「引き上げ」なのに「緩和維持」の矛盾

 日銀が不可思議な説明を繰り出している。先月下旬の金融政策決定会合で、異次元緩和策の柱である「イールドカーブ・コントロール(YCC)」の修正を決定。長期金利の上限を「0.5%程度」から1.0%に引き上げました。

<picture>植田日銀が不可思議な説明(C)共同通信社</picture>

   植田日銀が不可思議な説明(C)共同通信社

 金利の上限を大幅に引き上げたわけですが、植田総裁は異次元緩和策からの正常化を否定し「YCCの持続性を高める動きだ」と説明。金利の上限を上げたのに「金融緩和を維持する」というのは、おかしな理屈です。

 そんなつじつまの合わない説明をせざるを得ないくらい、日銀は追い込まれているということでしょう。現状、物価は高騰し、賃金も上がってきています。欧米は金利上昇が一服しつつありますが、また上昇局面が訪れる可能性もある。すると、欧米との金利差から、輸入物価高騰の原因である円安を招きかねない。端的に言って、今は緩和策を続ける理由がない状況です。日銀が金利の目標水準を上げながら「緩和を継続する」と苦しい説明をするのは、緩和策終了を印象付けてしまえば国債の利回り上昇を招き、政府が財政不安に陥りかねないからでしょう。

 そもそも、安倍政権時の黒田日銀のもとで始まった異次元緩和とは、物価目標を掲げていたものの、実態は政府発行の国債を日銀が引き受ける「財政ファイナンス」だった。植田総裁は本音では「今どき、こんな緩和策を続けている場合じゃない」と考えていると思います。それでも不可思議な説明をせざるを得ないのは、黒田日銀時代に理屈に合わない「財政ファイナンス」を始めてしまった結果です。

 理屈に合わないことをやるからこうなるわけで、「ざまあみろ」と言いたくなるけれど、打撃を受けるのは国民ですから、そうも言ってはいられない。この際、日銀にはこれまでの政策を猛省してもらい、次の危機には思い切って「もう理屈に合わないことはやめます」「だから政府も覚悟してください」と、中央銀行らしい気概を示してもらいたいものです。

 しかし、いまの日銀からはそうした気骨は感じられず、態度はムニュムニュとしたもの。今は亡き「アホノミクス」の大将である安倍元首相は、かつて公然と「日銀は政府の子会社」と言い放っていた。そういうスタンスの政府に対し、日銀は「その通りでございます」という態度を貫いているのです。

 その関係は、アホノミクスを丸パクリし「アホダノミクス」を続ける岸田政権になっても変わっていません。岸田首相も「財政ファイナンス」してもらわないと困ると考えているのは明らかです。大軍拡予算を組み、その一部を建設国債で賄う。バラマキにしか見えない異次元の少子化対策だって財源が曖昧な状態です。そんな中での国債の利払い負担増は、どうしても避けたいということなのでしょう。

 岸田氏には、安倍氏のように「日銀は子会社だ」と言い放つ勇気はないのかもしれませんが、両者のスタンスは全く同じ。日銀を“打ち出の小づち”扱いするなど、決して許されません。植田日銀にも、金融政策の総括責任者としての義務をキチンと果たしてもらいたい。

浜矩子
著者のコラム一覧
 ■浜矩子 同志社大学教授

 1952年、東京生まれ。一橋大経済学部卒業後、三菱総研に入社し英国駐在員事務所長、主席研究員を経て、2002年から現職。「2015年日本経済景気大失速の年になる!」(東洋経済新報社、共著)、「国民なき経済成長」(角川新書)など著書多数。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース マネー 【トピックスニュース・日本銀行・金融政策】  2023年08月12日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【経済ニュースの核心】:日銀が金融政策に続き株価操作を修正か…1300円続落でもETF買いに動かず

2023-08-15 06:28:40 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

【経済ニュースの核心】:日銀が金融政策に続き株価操作を修正か…1300円続落でもETF買いに動かず

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【経済ニュースの核心】:日銀が金融政策に続き株価操作を修正か…1300円続落でもETF買いに動かず

 先週3日、日経平均株価は2日続落で約1300円も下落、4日は小反発にとどまった。機関投資家が米国債格下げによる投資リスクを警戒し、売り注文が広がったためだ。

<picture>植田和男日銀総裁の発言に注目(C)共同通信社</picture>

  植田和男日銀総裁の発言に注目(C)共同通信社

 加えて、日銀の金融政策の修正による長期金利の上昇を警戒する動きも出ていたようだ。従来なら、このような株価急落時には、日銀がインデックスETF(以下ETF)を買い付けて、株価を下支えしただろう。

 日銀は2010年12月以降、株式市場に“介入”。ETFで日経平均株価の採用銘柄などの浮動株を買い付けて、株式需給を改善していた。

 しかし、今月3日は日銀のETF買い付けがなかった。日銀は10年12月から開始した異次元緩和のETF購入策を変更したのだろうか。

 証券会社のストラテジストは「織り込みは進んだ。売りが一巡すれば買い戻しが入る」といつもの「万年強気」のポジショントーク。これには呆れる。

 ■株価の暴落も

 日銀は、金利政策に続いて、“株価操作”も修正を行うのだろうか。足元、日経平均株価が33年ぶりに高値更新と好景気のように報じられているが、日銀のETF買い付けのない33年前の日経平均株価とは株式需給が全く異なり、売買高の盛り上がりもない高値更新である。

 また、日経平均株価に採用されている225銘柄は33年前とは様変わりし、見方によっては、いまの日経平均株価は株価が上がりやすい値がさ株の塊と化している。日銀の金融政策が正常化に向けた「出口戦略」で、保有ETFの売却をにおわせただけで、株価は暴落するだろう。

 景気先行指標としての株価指数は歪められ、いまは景気実態に合わないような株高だろう。だから、生活が物価高で苦しい庶民には「なぜ33年ぶりの株高なのか」わからない。生活実態とは違和感があろう。

 8月に日銀の金融政策決定会合はないが、多額の有価証券を保有する民間金融機関は9月中間決算期を控えて、株価暴落など市場の混乱は好ましくない。日銀自身も財務諸表の健全性などの見地から、混乱は回避させなければならない構図でもある。

 ■日本株のアクティブ投信の設定は19年以来

 植田日銀総裁は8月24~26日の米国ジャクソンホール経済シンポジウムで、どのような発言をするのだろうか。

 アセットマネジメントOneは、年内に日本株のアクティブ投信を複数投入する。バブル崩壊後の33年ぶりの高値にある日本株は注目されており、パフォーマンスも期待できるとみているという。日本株のアクティブ投信の設定は19年以来である。

 金融庁が4月に出した「資産運用業高度化プログレスレポート」でも、日本ではパッシブ運用の割合が高く、アクティブ運用の拡大余地が大きいと指摘している。

 この背景には、日銀が保有ETFを売却しないという想定があるだろう。8月はバカンスで株式市場の参加者が減少する。

 暴落は起きるのか。「閑散に売りなし」との相場格言が試されよう。

中西文行
著者のコラム一覧
 ■中西文行 「ロータス投資研究所」代表

 法政大学卒業後、岡三証券入社。システム開発部などを経て、岡三経済研究所チャーチスト、企業アナリスト業務に従事。岡三インターナショナル出向。東京大学先端技術研究所社会人聴講生、インド政府ITプロジェクト委員。SMBCフレンド証券投資情報部長を経て13年に独立。現在は「ロータス投資研究所

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース マネー 【トピックスニュース・日本銀行・金融政策】  2023年08月11日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:骨太の方針 財政も「正常化」すべき時期だ

2023-06-17 05:00:55 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

【社説①】:骨太の方針 財政も「正常化」すべき時期だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:骨太の方針 財政も「正常化」すべき時期だ

 コロナ禍への対応で、日本の財政状況は急激に悪化した。政府はその実態を直視し、財政の健全化に向けた具体策を国民に明示するべきだ。 

 政府は「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」を閣議決定した。新型コロナウイルス対策で財政支出が膨張したことを踏まえ、「歳出構造を平時に戻していく」と明記した。

 コロナ禍を受け、2020年度以降、大型の補正予算が相次いで組まれた。国債などによる国の借金の残高は3年間で150兆円以上増え、22年度末に約1270兆円に達した。国内総生産(GDP)の2倍以上となる。

 もともと先進国で最悪の水準にあった日本の財政が、さらに深刻化したことは明らかだ。国民の将来不安が高まりかねない。

 経済活動の正常化に伴い、財政支出の規模をコロナ禍前の状態に戻していくのは当然である。

 今秋にも補正予算案の編成が想定されており、物価高を理由に、再び与党から多額の財政出動を求める圧力が強まる可能性がある。政府は、骨太の方針の記述を着実に実行しなければならない。

 財政を「平時に戻す」だけでは不十分だ。政府は「これまでの財政健全化目標に取り組む」と盛り込んだが、国と地方の基礎的財政収支(PB)を黒字化する目標年次である「25年度」は、昨年に続き具体的に記述しなかった。

 目標自体は堅持したとするものの、それをどう達成するのかは示していない。一方、24年度に経済と財政の改革の進み具合を点検するとしている。改革の具体策についても議論する必要がある。

 個別分野では、少子化対策を「最も有効な未来への投資」と目玉に位置づけたが、その財源は結論を先送りした。重点施策とするからには、財源確保も不可欠のはずだ。このままでは、安易な借金頼みとなる懸念が拭えない。

 岸田首相が掲げる「新しい資本主義」に関連する項目では、学び直しによる労働者の能力向上や、成長分野への労働力の移動を支援し、「構造的な賃上げ」に導いていくことを打ち出した。

 また、国内での投資を増やす施策として、半導体やバイオなどの分野で、大規模な工場や研究拠点の設置を促すとしている。

 狙いは理解できるが、今回の骨太の方針も、各省庁の施策や目標を寄せ集めた印象が強く、実現への方法論が見えにくい。首相が描く国の将来像が、国民に伝わるような内容にしてもらいたい。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年06月17日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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