路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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《社説②・12.16》:中国の景気下支え策 回復の処方箋になるのか

2024-12-17 02:05:40 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、国家の個人等の権利を抑圧統治】

《社説②・12.16》:中国の景気下支え策 回復の処方箋になるのか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②・12.16》:中国の景気下支え策 回復の処方箋になるのか

 元稿:毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月16日  02:02:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【台湾】:国際社会でどう生き残る…外交関係12か国のみ、減少の一途

2024-12-15 05:00:20 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、国家の個人等の権利を抑圧統治】

【台湾】:国際社会でどう生き残る…外交関係12か国のみ、減少の一途

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【台湾】:国際社会でどう生き残る…外交関係12か国のみ、減少の一途

 台湾と外交関係がある国が、中国による断交工作によって12か国に減っている。台湾は国際社会でどう生き残ろうとしているのか。

 ■「寝だめ」できない、中高生は夜型で早朝の勉強は効率悪い…睡眠の「新常識」

 ◆国連追放時は56か国も 減少の一途

 1971年の国連総会の決議で中国に代表権が認められ、台湾が追放された際は、外交関係を持つ国は56あった。日本や米国が72年と79年にそれぞれ断交した後は減少の一途をたどった。

 外交関係が途絶えれば、大使館など出先機関は閉鎖し、公用車と動産も売却する。台湾外交部(外務省)関係者によると太平洋 島嶼とうしょ 国のナウルと1月に断交した際は外交官の引き揚げまでに時間がなく、わずか1日で機密文書を処分した。

 デメリットは数多い。

 まず、代弁者が減ることで国際機関への参加が遠のく。

 台湾はアジア太平洋経済協力会議(APEC)や世界貿易機関(WTO)など45の国際組織に加盟しているものの、国連や世界保健機関(WHO)、民間機の定期運航や国際基準などを定める国際民間航空機関(ICAO)には未加盟だ。

  頼清徳ライチンドォー 総統が「台湾は国際組織から排除されるべきではない」と訴えるが、外交関係を持つ国が減れば国連の一般討論演説などで台湾の参加に支持を表明する声が少なくなる。

 ◆中南米全て断交なら 総統訪米に支障

 総統の行動範囲も狭まる。

 12か国のうち7か国は、米国が共産主義の拡大を阻止するために経済援助などを行ってきた中南米に集中している。

 12か国のうち7か国は、米国が共産主義の拡大を阻止するために経済援助などを行ってきた中南米に集中している。

 中南米の全ての国と断交すれば、台湾の総統や副総統が中南米への外遊時に慣習として米国で飛行機を乗り換えることもできなくなり、公務で米国の土を踏む貴重な機会を失いかねない。総統らが米国で議員らと親交を深める姿を発信できれば、米台関係の強固さを世界に伝えられる。中国へのけん制にもなる。訪米の機会を失うことは「総統が台湾に閉じ込められる」(台湾メディア)ことにつながる。

 今も外交関係を維持する国は、なぜ巨大な経済市場を持つ中国ではなく台湾を選ぶのか。

 民主主義や人権保護といった価値観を共有する以外に、台湾からの細やかな支援がある。

 中国は、援助を条件に台湾との断交を迫る。国の主権にかかわる問題に露骨に干渉する。しかも、中国は社会基盤の整備の約束を履行しないこともある。

 台湾は教育や農水産業、公衆衛生、女性の起業支援の分野で協力を深める。堅実な取り組みは人材育成に貢献でき、信頼関係も深まる。

 カリブ海の島国ハイチ当局者は「発展に重要な分野で台湾の専門知識を学び、技術や資源の交流を通じて双方に有益な結果をもたらすことを期待する」と話す。

 ◆議員外交に活路

 台湾が日米との関係を強化するカギとなるのが議員外交だ。

 中国からの圧力にもかかわらず、近年、多くの議員が訪台を重ね、政府に代わって台湾海峡の平和と安定について支持を表明し、連帯を示している。

 ただ、訪問する側の国は中国にも神経を使う。

 2022年8月にナンシー・ペロシ米下院議長(当時)が現職の下院議長として25年ぶりに訪台した際は、ペロシ氏を乗せた専用機は事前の歴訪先のマレーシアから台湾に最短で向かうルートを避け、3時間ほど飛行時間が長い7時間以上をかけ、フィリピンの東方を 迂回うかい した。

 米国の対応に不満を示していた中国と、南シナ海上空で軍事的な衝突が起こることを避けるためで、航空機の位置情報を公開するウェブサイトでは、世界中で計292万人が視聴する飛行ショーとなった。

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 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 国際 【アジア・中国・台湾】  2024年12月15日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【記者コラム・等身大の中国】:親子引き裂く教育差別 中国・出稼ぎ世帯の苦境

2024-12-14 05:15:40 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、国家の個人等の権利を抑圧統治】

【記者コラム・等身大の中国】:親子引き裂く教育差別 中国・出稼ぎ世帯の苦境 河津啓介・中国総局長

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【記者コラム・等身大の中国】:親子引き裂く教育差別 中国・出稼ぎ世帯の苦境 河津啓介・中国総局長 

 中国は都市と農村の格差が大きい。しかも、都市に移り住んでも、農村出身者であることが「身分」のようにつきまとう。

 「農民工」と呼ばれる出稼ぎの非正規労働者とその家族は、同じ街で暮らす都市出身者に劣る待遇を強いられる。そんな理不尽な社会構造が、何気ない都会の日常から垣間見えることがある。

<picture><source srcset="https://cdn.mainichi.jp/vol1/2024/12/12/20241212pol00m010011000p/8.webp?1" type="image/webp" />北京市内の小学校の正門前で子どもたちの下校時間を待つ保護者たち=2024年12月5日、河津啓介撮影</picture>
 
北京市内の小学校の正門前で子どもたちの下校時間を待つ保護者たち=2024年12月5日、河津啓介撮影

 中国の都市部では、保護者が登下校時に小学生を送迎するのが一般的だ。ある日の午後、北京市内の小学校に足を運ぶと、正門前で親や祖父母が下校時間になるのを待ち構えていた。校舎を出た児童たちが親の姿を見つけると、笑顔で駆け寄り抱きついていた。

 そんな心温まる光景は、都会で働く農民工の多くには望むべくもない「特権」と言える。農村にいる我が子と会えるのは、年に1度の春節(旧正月)の時ぐらいだ。

 ◆都市と農村に戸籍の壁

 出稼ぎ世帯の子どもの7割近くが父親や母親と離ればなれに暮らすというデータがある。支援団体「北京三知」のまとめによると、2020年時点の出稼ぎ世帯の児童数は1億3800万人。そのうち両親または父母の一方と同居していない人数は9409万に上る。その大半が農村に残された「留守児童」(6693万人)とされる。

 親子のだんらんが奪われる原因は、1958年に導入された戸籍制度にある。都市の人口過密や農地の荒廃を防ぐため、農村から都市への移住が厳しく制限された。今も北京市のような大都市ほど、出稼ぎ世帯が医療や教育など公共サービスを受けたり、都市部の戸籍を取得したりするのに大きな困難が伴う。

 農村に戸籍がある出稼ぎ世帯の子女が、都市部で公立小中学校に入る際は、親の公的社会保険の納付状況、居住年数や持ち家の有無、学歴などが問われる。高校や大学の受験にも高いハードルがある。

 安定した職や住居を持つホワイトカラーと異なり、建設作業員や配達員のような非正規労働に従事する農民工が、これらの要件を満たすのは極めて難しい。やむなく子どもを農村の実家や親類に預けるしかなくなってしまう。

 ◆終わらぬ留守児童の悲劇

 痛ましいのは、農村に取り残された留守児童が性的虐待のような事件の被害者になったり、保護者の目が届かずに事故で死傷…

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 元稿:毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 政治プレミアム 【記者コラム・等身大の中国】  2024年12月14日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【中国】:軍艦など過去最大100隻近く展開 事実上の演習開始 台湾側分析

2024-12-10 21:57:30 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、国家の個人等の権利を抑圧統治】

【中国】:軍艦など過去最大100隻近く展開 事実上の演習開始 台湾側分析

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中国】:軍艦など過去最大100隻近く展開 事実上の演習開始 台湾側分析 

 【台北=西見由章】中国が過去最大規模となる計100隻近くの軍艦と中国海警局の船を第1列島線(九州沖-沖縄―台湾―フィリピン)周辺に展開していることが10日、台湾当局者の話で分かった。台湾の国防部(国防省に相当)は10日の記者会見で、中国軍が事実上、海上演習を開始したとの見方を示した。演習の目的は台湾封鎖の構えによる威圧にとどまらず、第1列島線周辺で米軍などの軍事力を排除する「領域拒否」が狙いだと指摘した。

 台湾当局者によると、中国が展開しているのは軍艦60隻以上と海警船約30隻など。台湾や日本の南西諸島周辺、東シナ海、南シナ海で活動している。中国軍で対台湾作戦を担う東部戦区に加え、北部戦区や南部戦区に所属する軍艦が確認されたという。

 国防部は9日、中国軍が台湾対岸の福建省や浙江省の東側空域に航空機が許可なく進入するのを禁止する「保留区」を11日まで7カ所設定したことを明らかにした。何らかの演習や訓練を行う可能性を示すものだ。中国軍が10月と5月に実施した演習と比べると、今回は台湾を取り巻くような演習区域は設定されていない。

 元稿:産経新聞社 主要ニュース 国際 【アジア・中国・台湾】  2024年12月10日  21:57:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【主張②・12.06】:中国の無差別殺傷 問われているのは体制だ

2024-12-08 05:03:20 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、国家の個人等の権利を抑圧統治】

【主張②・12.06】:中国の無差別殺傷 問われているのは体制だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張②・12.06】:中国の無差別殺傷 問われているのは体制だ 

 中国で無差別殺傷事件が頻発している。

 背景には、深刻な不況や厳しい言論統制に伴う社会の閉塞(へいそく)感があるといわれる。習近平指導部が、この状況に適切に対応しない限り、悲惨な事件は今後も起きかねない。

車が暴走し多数の人をはねた現場付近を警戒する治安当局の車両=中国広東省珠海市(共同)

 広東省では11月11日、暴走した車が通行人を次々にはね、35人が死亡した。16日には江蘇省の専門学校内で元在校生が刃物を振り回し、8人が犠牲になった。19日には、湖南省の小学校前で車が児童の列に突っ込み、多くの児童らが、病院に搬送された。6月には江蘇省で日本人母子らが刃物を持った男に襲われ、9月には広東省で日本人男児が刺殺された。

 ほかにも刃物や車を凶器とした殺傷事件が、中国各地で報告されている。異常な事態だ。

 中国のSNSでは、失業や就職難などの苦境に陥った人々が自暴自棄になり、「社会への報復」として起こしたとみる書き込みが相次いでいる。

 習氏は、社会の安定を全力で守るよう求める「重要指示」を出した。これを受けて、失業者など「所得や社会的地位の低い人」らを洗い出す作業が始まった。「危険人物」として監視するためだ。

 だが、このような手立てで封じ込められるとは思えない。問われているのは中国共産党の体制そのものである。

 中国には、共産党政権の支配を免れた本当の意味での労働組合は存在しない。言論の自由も、選挙を通じて為政者を交代させる仕組みもない。党や政府とそれに連なる特権階級の利益を優先し、国民の権利や利益を大幅に制限してきたことへの不満が増大し、悲惨な事件を招いているのではないか。

 習指導部が講じるべきは、監視強化ではなく、問題を抱えた人への支援体制を作ることだ。医療や年金制度の拡充、民間の労働組合の設立など社会のセーフティーネットを築くべきだ。巨大な軍事費を計上して軍拡や台湾を威嚇するよりも、国民のために富を用いるときではないのか。言論の自由や政治の民主化も進めなければならない。

 中国外務省は自国を「世界で最も安全な国」と称してきた。11月30日から日本人への短期滞在ビザ免除を再開したが、治安を乱す根本原因を改めなければ、外国人が安心して訪問できる国になるのは難しい。

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【主張】  2024年12月06日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・12.07】:日中世論調査 偽情報が対日観悪化させたか

2024-12-07 05:02:00 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、国家の個人等の権利を抑圧統治】

【社説①・12.07】:日中世論調査 偽情報が対日観悪化させたか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・12.07】:日中世論調査 偽情報が対日観悪化させたか

 中国のSNS上には、事実とかけ離れた反日的な投稿があふれている。そうした状況が、中国人の日本に対する印象を劇的に悪化させた背景にあるのではないか。

 日中の国民意識を探る第20回日中共同世論調査(実施=言論NPO、中国国際伝播集団)の結果が発表された。

 中国側で日本の印象が「良くない」と答えた人は87・7%で、前年から24・8ポイントも増えた。日本政府が尖閣諸島を国有化した翌年の2013年に次ぐ高さである。

 日本側で中国の印象が「良くない」と答えた人は89%で、前年から大きな変化はなかった。この1年で、日中両国が決定的に対立するような局面はなかったにもかかわらず、中国側の対日観だけが大きく悪化したことになる。

 中国側で日中関係が「重要ではない」と答えた人も前年比40・5ポイント増の59・6%に上り、過去最高となった。日本側では67・1%が「重要」と回答している。

 対日感情の悪化ぶりには驚くほかない。要因は様々あるのだろうが、中国の反日教育や近年の対日強硬姿勢に加え、日本に関する誤った情報がインターネットを通じて広く拡散し、影響を増幅させている可能性は否定できない。

 日中関係の発展を阻害する問題では、中国側は「東京電力福島第一原子力発電所の処理水海洋放出」が約36%で最多だった。中国政府は処理水を「核汚染水」と呼び、統制下にあるメディアを動員して危険性を 煽 あお ってきた。

 中国では、日本に関する情報を中国のニュースメディアで入手する人が多く、うち半数以上は携帯機器から得ていた。中国のSNSは当局が監視し、共産党体制に批判的な投稿は削除される。

 だが、日本への中傷は、不満のはけ口として黙認される場合が多い。中国にある日本人学校は「スパイ養成拠点だ」などとする偽情報も後を絶たない。中国各地で日本人襲撃事件が起きていることに関連があるとすれば、深刻だ。

 日中間の人的交流がコロナ禍後も完全には復活しない中、両国でネット情報への依存度が高まり、極端な言説によって協力が妨げられる事態は好ましくない。

 中国は最近、日本産水産物の輸入を段階的に再開することで日本と合意し、日本人への短期訪中ビザ免除措置も再開した。対日関係を安定させたいのだろう。

 そうであれば、日本を 貶 おとし める発信は慎み、邦人拘束など日中間の懸案の解決に取り組むべきだ。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月07日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【中国】:自治区の業界ユニクロに反発 ■新疆綿の使用再開を期待

2024-12-05 16:15:30 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、国家の個人等の権利を抑圧統治】

【中国:自治区の業界ユニクロに反発 ■新疆綿の使用再開を期待

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中国】:自治区の業界ユニクロに反発 ■新疆綿の使用再開を期待

 【北京共同】中国の新疆ウイグル自治区綿花協会は5日、カジュアル衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が英BBC放送のインタビューに新疆産綿花を「使っていない」と答えたことについて「決して受け入れられない」とする声明を発表した。新疆綿の使用再開を期待するとも述べた。

 BBCは先月28日、柳井氏が強制労働が疑われている新疆綿を「使っていない」と答えたと報じた。

 これに対して同自治区綿花協会は「地元住民に就業機会を与え、多くの家庭が貧困から抜け出すことができた」と強調。「強制労働という根拠なき理由で新疆綿をボイコットすることは決して容認しない」と指摘した。

 元稿:京都新聞社 主要ニュース 全国・国際ニュース 【社会・企業・産業・中国の新疆ウイグル自治区綿花協会・カジュアル衣料品店「ユニクロ」】  2024年12月05日  16:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①・12.01》:中国で続く無差別襲撃 統制強化では再発防げぬ

2024-12-03 02:03:50 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、国家の個人等の権利を抑圧統治】

《社説①・12.01》:中国で続く無差別襲撃 統制強化では再発防げぬ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①・12.01》:中国で続く無差別襲撃 統制強化では再発防げぬ

 中国の学校や公共施設で無差別襲撃事件が相次いでいる。再発防止への取り組みが求められる。

 11月に起きた三つの事件は衝撃を与えた。広東省珠海市のスポーツ施設で暴走車にはねられた35人が死亡した。江蘇省無錫市の専門学校に元学生が押し入り、刃物で切りつけられた8人が犠牲となった。湖南省常徳市の小学校前では児童らに車が突っ込んだ。

35人が死亡する事件のあったスポーツ施設を封鎖する警察官ら=中国広東省珠海市で2024年11月11日午後10時38分、岡崎英遠撮影

 一連の犯行は中国で「社会への報復」と指摘されている。経済成長から取り残された人や問題を抱えた人が孤立を深め、行き場を失った怒りが噴出したとの見方だ。

 高成長の時代には共産党の一党支配や貧富の格差に対する不満は覆い隠されてきた。景気低迷が長引く中、若者の雇用不安や貧困の問題などが深刻化している。

 中国指導部は危機感を募らせている。珠海の事件後、習近平国家主席は「生命の安全と社会の安定を確保するために全力を尽くすべきだ」と関係部門に指示した。 

 これを受け、広東省では地域の行政組織が、投資に失敗した人や失業者、心の問題を抱えている人など8種類の「失った人」を把握し、地方政府に報告することになったと香港紙が伝えた。

 情報統制の強化も目に付く。事件現場の様子を撮影した動画がネット上に投稿されると削除され、主要メディアは当局の断片的な発表内容を伝えるに過ぎない。

 しかし、締め付けを厳しくすれば、社会の閉塞(へいそく)感が強まる。孤立する人も増えてしまう。「国家の安全」を最優先する習指導部は、これまでもデジタル技術を駆使した情報統制や監視強化を実施してきたが、事件を防ぐことはできなかった。

 背景を検証してこそ、問題の根本的な解決につながるはずだ。正確な情報が共有されなければ社会不安が広がりかねない。

 中国は外国から投資や観光客を呼び込むため、短期滞在ビザを免除する対象国を増やしている。日本からの渡航拡大への期待もある。だが、今のような治安状況が続けば交流が萎縮する恐れがある。

 経済対策に力を入れるとともに、格差の是正や社会保障制度の整備に正面から取り組む。それこそが「安全と安定」への道であると習指導部は認識すべきだ。

 元稿:毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月01日  02:03:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②・11.19】:日中首脳会談 共通利益拡大の一歩に

2024-12-01 07:35:20 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、国家の個人等の権利を抑圧統治】

【社説②・11.19】:日中首脳会談 共通利益拡大の一歩に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②・11.19】:日中首脳会談 共通利益拡大の一歩に 

 石破茂首相は15日(日本時間16日)、訪問先の南米ペルーの首都リマで中国の習近平国家主席と初の首脳会談に臨んだ。「戦略的互恵関係」の推進では一致したものの、尖閣諸島を含む東シナ海情勢や、アステラス製薬の社員ら日本人の拘束問題については習主席から前向きな発言はなかった。だが、首相は「非常にかみ合った意見交換ができた」と語っており、首脳同士を含む日中間の対話を積み重ね、課題と懸案を一つずつ減らしていく第一歩としてほしい。
 
 「戦略的互恵関係」は、大局的で未来志向の関係構築を目指すもので、冷え込んでいた日中関係の改善を模索する中、2006年に当時の両国首脳が確認した。以後の関係停滞で棚上げ状態となっていたが、岸田文雄前首相が昨年11月の習主席との会談で再び進めることで一致していた。
 
 今回、その推進を再確認したのを受け、日中は共通利益拡大の道を探り、着実に関係を安定させることが重要だ。
 
 日中両政府は既に9月、東京電力福島第1原発の処理水放出を受けた中国の水産物禁輸を緩和することで合意しているが、両首脳が合意の着実な実施を確認したのは一つの成果だ。再開時期は明言しなかったというが、主席自身が合意実施に言及した事実は重い。
 
 また、会談では、広東省深圳で起きた日本人学校の児童刺殺事件などについて、習氏が「日本人を含む在中国の外国人の安全を確保する」と述べた。治安悪化を防ぐのは当然だが、事件についての情報公開が不十分なのは問題だ。引き続き説明を求めたい。
 
 安保面では、不安解消の糸口は見えなかった。首相は尖閣諸島を含む東シナ海情勢や、中国軍の活動活発化について「極めて憂慮している」と伝え、台湾海峡の平和と安定の重要性を指摘したが、習主席から緊張緩和に向けた前向きな発言はなかった。
 
 1972年の日中国交正常化に尽力した当時の日本の首相は田中角栄氏。正常化と、それに伴う平和友好条約を貫く精神は「不戦の誓い」である。若手政治家時代に田中氏の薫陶を受けた首相には、日中最大の共通利益が「不戦」であることを胸に刻んでほしい。
 
 ただ、両国の国際社会における地位も当時とは様変わりしている。どう関係を紡いでいくか、手腕に注目したい。
 
 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月19日  07:35:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【主張①・12.01】:中国総領事の投稿 日本の選挙に干渉するな

2024-12-01 05:01:50 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、国家の個人等の権利を抑圧統治】

【主張①・12.01】:中国総領事の投稿 日本の選挙に干渉するな

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張①・12.01】:中国総領事の投稿 日本の選挙に干渉するな 

 中国の薛剣駐大阪総領事が、先の衆院選期間中、自身のX(旧ツイッター)で、れいわ新選組の山本太郎代表の演説動画を引用する形でれいわへの投票を呼び掛けた。

 外交官が赴任先の外国の選挙期間中に特定政党への投票を促す動画を投稿するのは内政干渉そのものだ。外交官は接受国の国内問題に介入しない義務を有すると定めたウィーン条約に違反している。

中国駐大阪総領事の薛剣氏

 選挙とはその国の民主主義の基本である。外国が干渉していいものではない。共産党が独裁を敷く中国の外交官はそれも分からないのか。中国政府は薛総領事を更迭してもらいたい。

 今回の干渉を問題視した松原仁・元拉致問題担当相の質問主意書に対し、石破茂内閣は答弁書で薛総領事の投稿を「極めて不適切」とした。外交ルートを通じて申し入れ、削除を実現したとしているが、接受国の国内問題に介入しない義務に違反するかについては「一概にお答えすることは困難」とするにとどめた。

 これはおかしい。石破内閣は日本国民の権利を守るつもりがないのだろうか。更迭されないなら、「ペルソナ・ノン・グラータ」(好ましからざる人物)として追放しなければならない事案である。

 問題の投稿は投開票日2日前の10月25日だった。引用した山本代表の動画は「全国どこからでも、比例代表の投票用紙にはれいわとお書きください」と呼びかけていた。薛総領事はこの投稿に「世界のどの国も一緒だけど、政治が一旦歪(ゆが)んだら、国がおかしくなって壊れ、特権階層を除く一般人が貧乏(と)なり、とうとう地獄いきなんだ」と書き込んだ。 

 薛総領事は最近のXで「反中専門紙産経新聞と某反中政治屋が結託してでっち上げたこの汚い反中記事に抗議する!」「幾らなんでもこの私の口から『衆院選比例は「れいわ」とお書きください』という言葉が出るはずはない」などと反論した。

これは苦しい言い訳だ。「お書きください」と直接記さなくても読み手が影響を受けることは十分あり得る内容で、潔く謝罪したほうがよい。

一方、れいわには迷惑な投稿だったかもしれない。ただし、れいわが中国にはっきり抗議していないのは解せない話だ。

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【主張】  2024年12月01日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【中国】:深圳の男児刺殺で拘束中の男を殺人容疑で正式逮捕…職探し難航で不満、注目集めようと日本人を狙ったか

2024-11-30 05:00:15 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、国家の個人等の権利を抑圧統治】

【中国】:深圳の男児刺殺で拘束中の男を殺人容疑で正式逮捕…職探し難航で不満、注目集めようと日本人を狙ったか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中国】:深圳の男児刺殺で拘束中の男を殺人容疑で正式逮捕…職探し難航で不満、注目集めようと日本人を狙ったか 

 中国広東省深圳市で9月、日本人学校に登校中だった男子児童(10)が中国人の40歳代の男に刺殺された事件で、中国の警察当局が、拘束されていた容疑者の中国人の男を殺人容疑で正式に逮捕していたことが分かった。複数の日中関係筋が明らかにした。今後、起訴に向けて司法手続きが進む見通しだ。

日本人学校の校門に献花する中国人女性(9月20日)
日本人学校の校門に献花する中国人女性(9月20日)

 中国側は、日本政府が説明を求める具体的な犯行動機や事件の背景を公表していない。しかし、事情を知る中国当局者に近い関係者によると、男は職探しが難航して社会に不満を持ち、注目を集めようと日本人を狙ったとの情報がある。

 事件が起きた9月18日は、満州事変の発端となった「柳条湖事件」(1931年)の発生日で、反日感情が高まりやすかったとの指摘がある。日中関係筋によれば、香港を含めて中国国内に12ある日本人学校は、旧日本軍による南京事件(1937年)から87年となる12月13日に休校かオンライン授業へと切り替えることを決めた。

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 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 国際 【アジア・中国・中国広東省深圳市で9月、日本人学校に登校中だった男子児童(10)が中国人の40歳代の男に刺殺された事件】  2024年11月30日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②・11.27】:中国無差別殺傷 不安を増幅させる情報統制

2024-11-27 05:00:40 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、国家の個人等の権利を抑圧統治】

【社説②・11.27】:中国無差別殺傷 不安を増幅させる情報統制

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②・11.27】:中国無差別殺傷 不安を増幅させる情報統制

 中国各地で子どもや歩行者らを標的にした殺傷事件が相次いでいる。中国社会でいったい何が起きているのか。 

 無差別殺傷事件は、11月だけで3件発生したことが明らかになっている。

 広東省珠海では11日、男が車を暴走させ、35人が死亡した。16日には江蘇省無錫の専門学校で元学生の男が刃物を振るい、8人が亡くなった。湖南省常徳では19日、小学校前で車が児童らをはね、負傷者が出た。

 6月に江蘇省蘇州で日本人母子らが刃物で襲われ、9月には広東省深圳で日本人男児が刺殺される事件もあった。日本人が狙われたかどうかなど詳細な動機はいまだ明らかにされていない。

 いずれも、子どもなどの弱者や無防備な群衆が無差別に襲われている。凶悪犯罪がこれほど頻発するのは尋常ではない。

 中国のSNS上では、一連の犯行は「社会への報復」だとする指摘が出ている。景気低迷を背景に、失業や就職難などに苦しむ人が増え、一部が自暴自棄となって犯行に及んだとの見方である。

 一方、政府は多くのケースで動機を示さず、当局の統制を受ける中国メディアは事件の詳細を伝えていない。市民が投稿したSNSの動画も削除されている。

 犯罪の根底には今の中国社会への不満があるとの見方が広がり、共産党指導部への信頼が揺らぐことを恐れているのではないか。

 中国の習近平政権が危機感を強めているのは間違いない。習国家主席は珠海での事件直後、「リスクの予防に力を入れ、過激な事件の発生を防がなければならない」と、異例の重要指示を出した。

 これを受け、一部地域では、投資に失敗した人や失業者、生活に失望した人らの洗い出しが始まったという。犯罪予備軍として監視するとみられる。

 だが、これまでのようにデジタル技術を駆使して監視や情報統制を強化しても、社会に 閉塞 へいそく 感を広げるだけで、根本的な解決にはつながらないだろう。

 再発防止や治安の回復には、問題や不満を抱えた人をサポートする仕組みや、医療・年金制度の拡充など、社会の安全網を整えることが欠かせない。

 日本人を含む外国人の間では、これでは安心して中国に行けないという懸念が高まっている。対中ビジネスや人的交流に悪影響を及ぼしかねない。せっかく再開を決めた日本人への短期訪中ビザ免除措置を無駄にしてはならない。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                         

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月27日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①・11.26》:台湾有事の対応 住民の安全考えているか

2024-11-26 09:31:50 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、国家の個人等の権利を抑圧統治】

《社説①・11.26》:台湾有事の対応 住民の安全考えているか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①・11.26》:台湾有事の対応 住民の安全考えているか 

 住民に犠牲が出ることをいとわないのか。

 自衛隊と米軍が台湾有事を想定し、初めて策定中の共同作戦計画である。有事の切迫度が高まった初期段階で鹿児島県から沖縄県の南西諸島とフィリピンに、米軍がミサイル部隊を展開させる方針であることが分かった。

 南西諸島には、高機動ロケット砲システム「ハイマース」などを保有する米海兵隊の連隊が有人島に臨時拠点を設ける計画だ。自衛隊は弾薬や燃料の提供などの後方支援を担う。

 フィリピンには、宇宙やサイバー空間、電磁波に対処する米陸軍の多領域任務部隊のミサイル部隊を置くという。

 南西諸島とフィリピンを結ぶ「第1列島線」に沿ってミサイル網を設け、2方向から中国艦艇などの展開を阻止する構想だ。

 専門家の見方だと、台湾有事の初動段階では米軍の艦艇部隊や航空部隊が中国軍のミサイル攻撃を受けないように射程圏外にいったん引くと想定され、南西諸島やフィリピンに配置された部隊が作戦を担うという。

 これらの部隊に対する中国の攻撃は当然、想定されるだろう。

 中国公表の2024年度の国防予算は日本の4倍を超えている。極超音速兵器の開発や新型ステルス戦闘機の導入も進めており、空母も近く3隻態勢になる。

 攻撃された場合、島が「戦域化」し、部隊だけでなく住民に大きな犠牲が出る懸念は拭えない。

 南西諸島を戦場にしてはならない。フィリピンで部隊配置が想定されるルソン島の州知事も「(米中の)戦争に巻き込まれるのを望んでいない」としている。生命、財産に危険が及ぶ住民や国民への説明を欠いたまま、共同作戦計画を進めることは看過できない。

 日本はこれまでも、中国の海洋進出を背景に南西諸島の防衛力を強化する「南西シフト」を進めてきた。16年以降、与那国、奄美、宮古などに陸自駐屯地を開設し、陸自は離党防衛専門部隊の師団格上げ計画も進めている。

 フィリピンとの「準同盟化」も進んでおり、7月には自衛隊とフィリピン軍の相互往来を容易にする「円滑化協定」も結ばれた。集団的自衛権行使の範囲がなし崩し的に拡大する懸念がある。

 必要なのは有事を防ぐ努力だ。対話が十分に行われないまま、包囲網の強化を続けると、中国をかえって刺激し対立の激化を招きかねない。平和外交とどう整合するのか。政府に説明を求める。

 元稿:信濃毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月26日  09:31:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説②・11.24》:中国の凶悪事件 締め付けで再発は防げぬ

2024-11-24 09:31:50 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、国家の個人等の権利を抑圧統治】

《社説②・11.24》:中国の凶悪事件 締め付けで再発は防げぬ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②・11.24》:中国の凶悪事件 締め付けで再発は防げぬ 

 中国で市民を無差別に殺傷する事件が相次いでいる。

 景気低迷で生活苦や閉塞(へいそく)感が強まり、不満の矛先を向けたとの見方が広がっている。

 習近平指導部は統制の強化で封じ込める姿勢だが、底流にある社会のひずみを直視しなければ、根本的な解決は遠いだろう。

 今月、広東省珠海市の体育施設で男が車を暴走させ、35人が死亡し43人が負傷した。数日後には江蘇省無錫市の専門学校で男が刃物で25人を殺傷。湖南省常徳市では男が小学校前の人混みに車で突っ込み、児童らが負傷した。

 6月には江蘇省蘇州市でスクールバスを待っていた日本人母子が襲撃され、広東省深〓(土ヘンに川)市では9月に登校中の日本人男児が刺殺される事件も起きている。

 珠海市の事件は離婚後の財産分与への不満が動機と当局が発表したが、日本人が被害に遭った事件を含めて多くは動機を明かしていない。「偶発的な個別事案」と矮小(わいしょう)化し、事件を招いた背景に向き合う姿勢は見えない。

 中国は市場原理の導入と外資受け入れで高成長を実現し、共産党一党支配への不満を抑えてきた。国内総生産(GDP)総額は2010年に日本を抜き、米国に次ぐ世界2位となった。

 近年は不動産不況によって景気減速が著しい。経済的に困窮する人は増えているが、社会保障などの安全網は脆弱(ぜいじゃく)とされる。一方で習指導部は「国家の安全」を最重視し、言論統制やスパイ摘発といった締め付けを強めている。

 一連の事件は中国で「社会への報復」と受け止められた。これに対して当局は、社会を脅かすと見なした住民の監視を強める。報道やSNSの投稿も規制した。事件の背景は掘り下げられず、社会が教訓を得る機会は乏しい。

 締め付けを強めているのは、習指導部に批判が向くことを避けるためだろう。力による強権的な手法にしか、活路を見いだせなくなっている。個人を包み込み、低迷する経済を立て直さなければ、不満は解消できない。

 米大統領に返り咲くトランプ氏は「米国第一主義」を掲げ、中国製品には高関税を課すと主張する。中国経済に深刻な打撃を与えかねない。

 習氏は今月、アジア太平洋経済協力会議(APEC)、20カ国・地域(G20)の首脳会議で「単独主義や保護主義に反対すべきだ」と繰り返した。トランプ氏を警戒する他国の賛同を求める姿に中国の内憂外患がうかがえる。

 元稿:信濃毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月24日  09:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①・11.22》:香港民主派実刑 圧殺に抗する声広げたい

2024-11-24 09:31:35 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、国家の個人等の権利を抑圧統治】

《社説①・11.22》:香港民主派実刑 圧殺に抗する声広げたい

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①・11.22》:香港民主派実刑 圧殺に抗する声広げたい 

 選挙で議席を増やそうとする活動が、政府を転覆する企てとして処断される―。民主化運動が息の根を止められるさまを見せつけられるようである。

 香港の高等法院(高裁)が、民主派の活動家ら45人に禁錮4年2月から10年の判決を言い渡した。2020年の立法会(議会)選挙に向け、予備選を実施したことが国家安全維持法に違反するとして一斉に逮捕されていた。

 予備選は、民主派の候補者が競合して支持者の票を食い合わないよう、候補を絞り込む目的だった。判決は、立法院の過半数を得て予算案を否決し、香港政府の行政長官を辞職に追い込むことを画策したと認定し、政府転覆の共謀にあたると結論づけた。

 香港大の元准教授で、予備選を企画、運営した戴耀廷氏が首謀者と見なされ、最も重い禁錮10年を言い渡されている。学生らの運動の先頭に立ってきた活動家の黄之鋒氏は4年8月だ。

 起訴事実を争った被告は重い量刑になったという。ネットメディア「立場新聞」の元記者、何桂藍氏は禁錮7年とされた。訴追した検察と裁判所が一体と化し、盾つく者には容赦しないと言わんばかりの強権を振るった形だ。

 国安法に関する裁判は、行政長官が指名した裁判官が審理にあたる。およそ公正な裁判にはなり得ない。行政府の統制の下、司法の独立は根元から崩れ、香港の自治と自由は支えをなくした。

 国安法は、中国の中央政府が香港の頭ごなしに制定した強力な治安法だ。国家の分裂や政府の転覆を図る行為、外国勢力との結託を禁じる。19年に大きなうねりとなった街頭での抗議活動は、強大な力によって封じられた。

 民主活動家らの多くが逮捕、収監されたほか、体制を批判してきた報道機関も既に壊滅に近い状態に陥っている。国安法を補完する国家安全条例によって言論の統制は一段と強まり、香港は物言えぬ社会に変わり果てた。

 立法会と行政長官の選挙制度も改変され、民主派の排除が徹底された。英国からの返還にあたって約束された「一国二制度」は、内実を失っている。状況は厳しさを増すばかりだ。

 であればこそ、国際社会は香港に関心を向け続け、中国政府に厳しい姿勢で向き合う必要がある。国安法による弾圧を逃れて、日本を含め各国に散らばった民主派の活動家らは、諦めずに声を上げ続けている。連帯し、支える動きをさらに広げたい。

 元稿:信濃毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月22日  09:31:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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