【東北新社の接待問題】:元総務相として、父として…「ズブズブの関係」に菅首相の影
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【東北新社の接待問題】:元総務相として、父として…「ズブズブの関係」に菅首相の影
![](https://static.tokyo-np.co.jp/image/article/size1/1/0/3/1/1031927efbb6195ac224e40d930cb20f_1.jpg)
◆1人2万円超の会食も多く
◆長男への問い合わせ拒否
◆衛星放送の更新時期に集中
元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・疑惑・菅義偉首相の長男らによる総務省幹部の接待問題】 2021年02月23日 06:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【東北新社の接待問題】:元総務相として、父として…「ズブズブの関係」に菅首相の影
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【東北新社の接待問題】:元総務相として、父として…「ズブズブの関係」に菅首相の影
元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・疑惑・菅義偉首相の長男らによる総務省幹部の接待問題】 2021年02月23日 06:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【総務省】:菅首相長男の接待官僚は計13人に 一夜で1人7万4000円超も ■武田総務相「行政、歪められてない」
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【総務省】:菅首相長男の接待官僚は計13人に 一夜で1人7万4000円超も ■武田総務相「行政、歪められてない」
菅義偉首相の長男・正剛氏が勤める放送事業会社「東北新社」による接待問題で、総務省は22日、既に判明している幹部4人に加え、職員8人も接待を受けていたと公表した。これとは別に、山田真貴子内閣広報官が総務審議官時代に接待を受けていたことも明らかにした。計13人の接待回数は、2016年7月から昨年12月にかけて延べ39回。放送事業の許認可権を持つ同省に対し、東北新社側が接待攻勢を行っていた実態がより明白になった。(井上峻輔、上野実輝彦)
22日、衆院予算委に臨む菅首相(右)と麻生財務相
元稿:東京新聞社 主要ニュース 政治 【政局・疑惑・菅義偉首相の長男らによる総務省幹部の接待問題】 2021年02月22日 21:40:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【総務省】:山田真貴子広報官も倫理法違反 1人7万円超の高額接待
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【総務省】:山田真貴子広報官も倫理法違反 1人7万円超の高額接待
山田真貴子・内閣広報官
【総務省】:菅首相長男から接待の山田真貴子内閣広報官 数々の女性初、輝かしい経歴
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【総務省】:菅首相長男から接待の山田真貴子内閣広報官 数々の女性初、輝かしい経歴
菅義偉首相の長男・正剛氏が勤める放送事業会社「東北新社」による総務省幹部の接待問題で、正剛氏らの接待を受けていた山田真貴子内閣広報官(60)は、首相の記者会見時に進行役を務めている。
菅首相の記者会見を仕切る山田真貴子内閣広報官=首相官邸で
元稿:東京新聞社 主要ニュース 政治 【政局・疑惑・菅義偉首相の長男らによる総務省幹部の接待問題】 2021年02月22日 19:32:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【総務省】:幹部ら11人処分へ 接待問題、規程違反で懲戒
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【総務省】:幹部ら11人処分へ 接待問題、規程違反で懲戒
菅義偉首相の長男が勤める放送事業会社「東北新社」による接待問題で、総務省は22日、接待を受けた13人のうち11人を懲戒処分などとする方針を固めた。24日に人事院に報告する。同社による接待延べ39件のうち、首相長男は半数超の21件に参加していたことも判明。放送行政を所管する担当部署幹部との会食が大半を占め、事業の許認可を巡る接待攻勢の一端が浮き彫りとなった。
総務省の入る中央合同庁舎2号館=東京・霞が関
衆院予算委で答弁する菅首相=22日午後
元稿:東京新聞社 主要ニュース 政治 【政局・疑惑・菅義偉首相の長男らによる総務省幹部の接待問題】 2021年02月22日 18:34:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【総務省】:山田内閣広報官も接待受ける 菅首相の長男らから
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【総務省】:山田内閣広報官も接待受ける 菅首相の長男らから
総務省は、山田真貴子内閣広報官が総務審議官を務めていた当時の2019年11月に菅首相の長男らから接待を受けていたと明らかにした。「利害関係者に該当していた可能性が高い」とした。(共同通信)
元稿:東京新聞社 主要ニュース 政治 【政局・疑惑・菅義偉首相の長男らによる総務省幹部の接待問題】 2021年02月22日 12:29:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【主張】:天皇誕生日 令和の「行幸」国民の力に
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張】:天皇誕生日 令和の「行幸」国民の力に
天皇陛下は61歳の誕生日を迎えられた。令和の時代を国民とともに歩まれる陛下に心よりお祝いを申し上げたい。
新型コロナウイルス感染防止のため、誕生日の一般参賀は2年連続で中止となったが、陛下は先立つ記者会見で、広く国民に寄り添う思いを語られた。
61歳の誕生日を前に天皇陛下が臨まれた記者会見は、会場内の人を減らすなど感染防止対策を凝らして行われた=19日午後、赤坂御所(代表撮影)
コロナ禍に関し、命を落とした人々を悼み、医療関係者や困難な状況にある人々を支援する関係者の尽力に感謝の気持ちを話された。そして「忍耐強く乗り越える先に、明るい将来が開けることを心待ちにしております」と述べられた。国民も心を一つに取り組みを新たにしたい。
陛下は、まもなく発生10年を迎える東日本大震災の被災地にも思いを寄せられた。そうしたお言葉、お気持ちに力づけられる人々は少なくないだろう。
コロナ禍で皇室の活動が制限される中、皇室活動の基本に言及され、「国民の幸せを常に願って、国民と苦楽を共にすることだと思います」と述べられた。
それを実践される姿は、昭和天皇から上皇陛下へと引き継がれ、今上陛下が間近で学ばれてきた皇室の伝統である。
陛下は、そうした歴史、伝統を踏まえ、時代や社会の変化に応じた行動の大切さも話された。
コロナ禍にあって天皇陛下がお出かけになる行幸(ぎょうこう)の機会など、国民と触れ合う場はたしかに限られている。会見でも、触れ合うことが難しい状況を残念に思うお気持ちを率直に語られた。
そうした中で、天皇、皇后両陛下が、コロナ対応にあたる病院とお住まいをオンラインで結び、医療関係者をねぎらうなど、交流・活動を工夫されている。
元日には、ビデオメッセージを発表し、国民を案じる気持ちを込められた。
延期された新年の歌会始の儀を例にしても国民が楽しみにしている伝統の行事は多い。宮内庁は皇室と国民の交流を深めるため、さらに知恵を絞ってほしい。
天皇陛下が数多くの宮中祭祀(さいし)を通し、日本と国民の安寧や豊穣(ほうじょう)を祈られていることにも、一層の理解を深めたい。
天皇が国民のために祈り、国民は天皇に限りない敬意と感謝の念を抱いてきた。それが日本の国柄であり、皇位が安定して続いていくことは国民の願いである。
元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【主張】 2021年02月23日 05:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【主張】:総務省接待問題 混乱招いた愚を猛省せよ
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張】:総務省接待問題 混乱招いた愚を猛省せよ
速やかな謝罪の機会を逸し、答弁の二転三転がさらなる疑念を招く。政府の危機管理は誤りだらけだ。「森友学園」などの問題で国会を混乱させた反省もみられない。
国会には新型コロナウイルス対策をはじめとする課題が山積している。いたずらに混乱を長引かせる愚を、これ以上繰り返してはならない。
総務省幹部らが、放送事業会社「東北新社」に勤める菅義偉首相の長男から接待を受けた問題で、同省は計13人の職員が接待を受け、うち11人について国家公務員倫理規程上の「利害関係者からの接待」に該当するか、その可能性が高いと認定した。
菅首相は衆院予算委員会で「長男が関係し、結果として公務員が倫理規程に違反する行為をしたことについては心からおわび申し上げる」と陳謝した。
接待の事実も、長男が利害関係者に当たることも最初から明白だった。もっと早期に謝罪すべきだった。事態を混乱させたのは「長男と私は別人格」と国会で述べた菅首相の強弁である。
菅首相が総務相時代に長男を秘書官に起用した。長男はその後、東北新社に勤務し、総務省が許認可権を持つ衛星放送事業に関わる役職に就いた。首相は官房長官時代も含め、一貫して総務省に強い影響力があり、「別人格」の反論には説得力がなかった。
長男と会食した総務省の秋本芳徳情報流通行政局長は、衛星放送の話題について「記憶はない」と繰り返していた。だが、「文春オンライン」が会話時の音声データを公開すると、一転してこれを認めた。
秋本氏らは20日付で官房付に異動した。事実上の更迭だが武田良太総務相は「(接待問題と)人事異動は全く関係ない」と述べ、加藤勝信官房長官も「適材適所の配置として行われた」と強調した。誰も信用しない。
新証拠に転変する役人の答弁や到底信じ難い閣僚の発言が、国民の間に不信感を広げていく。
武田総務相は調査結果の公表前も後も、「放送行政がゆがめられたということは全くない」と答弁し、撤回も拒否した。
贈収賄罪など刑事事件に発展する可能性もある事案である。事実関係の説明が二転三転しながら、結果のみの全否定は通るまい。調査は不十分だ。
元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【主張】 2021年02月23日 05:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【菅日誌】:2月22日(月)
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【菅日誌】:2月22日(月)
【午前】7時1分、東京・赤坂の衆院議員宿舎発。4分、官邸着。9分から43分、坂井学官房副長官。8時46分、官邸発。47分、国会着。51分、衆院第1委員室入る。53分から54分、麻生太郎副総理兼財務相。56分、衆院予算委員会開会。
【午後】0時7分、衆院予算委休憩。8分、同室出る。10分、国会発。12分、官邸着。52分、官邸発。54分、国会着。56分、衆院第1委員室入る。1時、衆院予算委再開。5時7分、衆院予算委散会。8分、同室出る。10分、自民党総裁室入る。12分から25分、同党役員会。26分、同室出る。27分、国会発。29分、衆院第2議員会館着。40分、同所発。43分、官邸着。6時14分から24分、山崎重孝内閣府事務次官。7時4分、官邸発。6分、衆院第2議員会館着。35分、同所発。39分、同議員宿舎着。
元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政策・菅日誌】 2021年02月23日 05:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【政治デスクノート】:補選、都議選は本当に次期衆院選の行方を占うか
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政治デスクノート】:補選、都議選は本当に次期衆院選の行方を占うか
与野党が、次期衆院選の前哨戦と位置づける4月の衆参補欠選挙と参院再選挙、そして7月の東京都議選。4月の衆参補選などは菅義偉(すが・よしひで)政権発足後、初の国政選挙であり、都議選は国政の評価が結果に反映される試金石となっている。衆院議員の任期は10月21日で次期衆院選は今秋までに必ず行われるだけに、勢いをつけるためにも与野党ともに落とせない選挙となる。
「選挙とは関係ないのではないか。あくまでも組織委の話として対処するのが重要だ」。自民党の世耕弘成参院幹事長は12日の記者会見で、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(当時)が女性蔑視ともとれる発言の責任をとって辞任したことが4月の衆参補選や衆院選に影響するかどうかを問われ、こう答えた。
森氏の辞任に関しては、野党が厳しい世論を追い風に森氏の早期辞任を求めていたのとは対照的に、政府・与党が進退に言及することはなく、「後手に回った」との印象を残していたからだ。
ただ、森氏の辞任問題に加え、菅首相の長男による総務省幹部接待問題や与党議員らによる「夜の銀座」深夜会食問題と、政権にマイナスイメージとなる不祥事なども続いている。
元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・政治デスクノート】 2021年02月23日 01:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【皇室】:天皇陛下、誕生日ご会見全文
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【皇室】:天皇陛下、誕生日ご会見全文
天皇陛下のお誕生日に際して行われた記者会見の全文は以下の通り。
◆コロナ禍のご活動
--新型コロナウイルスの感染拡大により、皇室の活動も制限され、天皇陛下が多くの国民と交流される機会が減りました。国民との直接のふれあいが難しい中、陛下は皇后さまとご進講を重ね、オンライン行幸啓を始めたほか、元日には国民に向けたビデオメッセージも公表されました。感染症の影響が長期化する中で、コロナ禍の天皇や皇室の在り方、今後のご活動の方針について、どのようにお考えでしょうか。新しい取り組みについてのご感想とともにお聞かせください
「日本の歴史の中では、天変地異や疫病の蔓(まん)延など困難な時期が幾度もありました。これまでの歴代天皇の御事蹟(せき)をたどれば、天変地異等が続く不安定な世を鎮めたいとの思いを込めて奈良の大仏を作られた聖武天皇、疫病の収束を願って般若心経(はんにゃしんぎょう)を書写された平安時代の嵯峨天皇に始まり、戦国時代の後奈良天皇、正親町天皇など歴代の天皇はその時代時代にあって、国民に寄り添うべく、思いを受け継ぎ、自らができることを成すよう努めてこられました」
「その精神は現代にも通じるものがあると思います。皇室の在り方や活動の基本は、国民の幸せを常に願って、国民と苦楽を共にすることだと思います。そして、時代の移り変わりや社会の変化に応じて、状況に対応した務めを考え、行動していくことが大切であり、その時代の皇室の役割であると考えております」
「国民を思い、国民に寄り添う点で、災害で被災された方々、障害者や高齢者、あるいは社会や人々のために尽くしてこられている方々にも心を寄せ、ねぎらい、励ましていくことはとても大切なことです。それは、私と雅子二人の自然な気持ちであるとともに、皇室としての大事な務めであるとも思います。この1年は、コロナ禍(か)に翻弄されてきました。愛する方を失った御家族や御友人のお悲しみはいかばかりであったことでしょう。心から哀悼の意を表します。また、コロナ禍(か)の閉塞感からでしょうか、自ら命を絶つ人が増えていることも極めて痛ましいことで、皆で何とか防がなくてはなりません。その一方で、強い使命感を持って医療に取り組んできた方々や保健所などで現場の対応に当たってきた関係者を始め、高齢者や障害者など、社会的に弱い立場にある人々を支えてきた関係者や、子供食堂のような、困難な状況に置かれた子供たちを支援してきた関係者など、多くの方々からお話を伺う機会を得、皆さんの有り難い尽力に思いをより深く致しました。このような方々に対し、国民の間で感謝の念を広く共有することができた1年となりました」
「このところ、新規感染者の数は、幸いにして全国的に減少傾向に転じているようです。また、新型コロナウイルスワクチンの接種も始まりました。今しばらく、国民の皆さんが痛みを分かち合い、協力し合いながら、コロナ禍(か)を忍耐強く乗り越える先に、明るい将来が開けることを心待ちにしております」
「同時に、現在の状況を見ると、新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの国民の皆さんと直接触れ合うことが極めて難しくなっていることを、私たち二人も残念に思っております」
「このような状況の中で、人々とのつながりを築き、国民の皆さんの力になるために、私たちに何ができるかを考え、宮内庁とも相談して、オンラインでの交流の可能性が検討されました。昨年8月には『新型コロナウイルス感染症大流行下の水防災に関する国際オンライン会議』にお誘いを頂いて、オンラインで聴講し、会議後に、参加者の方々ともオンラインでお話ししてみたところ、臨場感があり、人と人とのつながりを肌で感じることができました。そこで、その後、更に検討を重ね、昨年秋以降、オンラインで日本赤十字社の医療現場、高齢者や障害者の仕事や活動の場、そして、今年に入ってからは、昨年7月の豪雨災害の被災市町村を訪問し、それぞれ、関係者の皆さんとお話をすることができました」
「このオンライン訪問には、感染症対策としての利点以外にも、同時に複数の場所にいる人々に会うことや、中山間地域など通常では訪問が難しい場所でも訪問できるという利点があることを実感いたしました」
「この1年は公務に様々な制約が生じ、例えば、新年の一般参賀を行うことも難しい状態でしたが、代わりに、ビデオメッセージで国民の皆さんに私たちの気持ちをお話しすることができたことも含め、オンラインによる活動に新たな可能性を見いだせたことは、大きな発見と言えます」
「地方を訪問する際の駅頭や沿道も含めて、現地で多くの方々と同じ体験を共有し、その土地、その土地の雰囲気を肌で感じるなど、実際の訪問でなければ成し得ない部分はあるものの、感染が収束しない現状では、オンラインは有効な手段と考えられます。オンラインには、オンラインなりの課題もあるでしょうが、引き続き、状況に応じた形で活用していきたいと思います」
◆ご家族について
--ご家族についてお尋ねします。皇后さまは療養が続く中でも、この1年多くの活動をされましたが、体調や様子について陛下はどのようにご覧になっていますか。愛子さまは今年で20歳になり、成年皇族の一員となられます。入学した学習院大学に通学できない中でのお過ごしようや父親としての向き合い方、将来の活動や結婚についてのお考えをお聞かせください。陛下は平成期、上皇さまと秋篠宮さまと定期的にお話する機会がありましたが、直接顔を合わせられない中でどのようにコミュニケーションをとられていますか
「雅子は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による活動への制約などから、体調を整えにくくなっている面はありますが、種々の工夫や努力を重ねながら、幸いにして、昨年も諸行事や諸儀式を滞りなく務めることができました。特に、昨年の5月から6月にかけては初めての養蚕に取り組んだほか、11月には立皇嗣宣明の儀・朝見の儀を無事に終え、また、新年のビデオメッセージでは、一緒に国民の皆さんに御挨拶ができたことを良かったと思っております」
「ただ、雅子はいまだ快復の途上にあり、体調には波があり、大きな行事の後には、疲れがしばらく残る傾向があります。これからも、無理をせずにできることを一つ一つ着実に積み重ねていってほしいと思います。また、雅子は私の日々の活動を支えてくれる大切な存在であるとともに、公私にわたり良き相談相手となってくれております。私も、今後ともできる限り雅子の力になり、支えていきたいと思っています」
「国民の皆さんには、これまで雅子に温かく心を寄せていただいていることに、改めて感謝の気持ちをお伝えするとともに、引き続き雅子の快復を温かく見守っていただければ有り難く思います」
「昨年の4月から大学生になった愛子は、新型コロナウイルス感染症の影響により、オンラインでの授業が続いておりますが、昨年秋に初めて大学に登校した際に『大学では新しい知識を得たときに感じられる喜びを大切にしながら、様々なことに取り組んでいければと思っています』と語っていたように、大学での勉強に意欲的に取り組んでいることを私と雅子もうれしく思い、また、少し頼もしくなったように感じております。オンラインでの授業では、課題もかなり多く、愛子もその一つ一つに一生懸命に取り組んでおり、大変そうですが、授業を準備される先生方の御苦労も大きいものと思いました。私たちも、愛子がオンラインで授業を受けているのをそばで見る機会もありましたが、私たち自身も、新たな知見を得ることができたり、何か学生時代に戻ったような気持ちになりました。今後、どのような状況の大学生活になるかは分かりませんが、愛子には、有意義な学生生活を送ってもらいたいと願っております」
「愛子は、普段時間のあるときには、屋外で運動も少ししたりしていますが、家の中で過ごす時間も長いので、私たち家族3人で楽しく団欒(らん)する時間を大切にしてくれています。また、早いもので今年の12月で成人を迎えます。愛子が誕生した時の会見でも申しましたが、孟子の言葉を参考にした『敬宮』『愛子』という名前には、人を敬い、人を愛してほしいという、私たちの願いが込められています。それは20年経(た)つ今でも変わっておりません。今後、成年皇族として公務に当たっていくことになりますが、感謝と思いやりの気持ちを持って、一つ一つの務めを大切に果たしていってもらいたいと思います」
「そして、いろいろな方からたくさんのことを学び、自らの考えを深めていき、また、今まで以上に、様々な経験を積み重ねながら視野を広げていってほしいと願っています。その過程で、将来のことも含め、私たちで相談に乗れることは、できる限りしてあげたいと思います」
「上皇陛下や秋篠宮と直接会う機会が減っていることは残念ですが、上皇陛下や秋篠宮とは適宜連絡を取るようにしております。ただし、詳細については、回答を控えたいと思います」
「上皇陛下、上皇后陛下には、新型コロナウイルス感染症の感染拡大にお心を痛められつつ、日々を送っておられることと拝察いたします。どうか御無理をなさらず、お身体を大切に、末永くお健やかにお過ごしいただきますよう心よりお祈り申し上げます」
--秋篠宮さまの立皇嗣の礼が終わりました。陛下のご感想をお教えください。長女眞子さまは、小室圭さんとの結婚についてのお気持ちを公表した文書で「天皇皇后両陛下が私の気持ちを尊重して静かにお見守りくださっていることに、深く感謝申し上げております」と記されました。秋篠宮さまは結婚を認める考えを示されましたが、陛下はどのようにお考えですか。お二人の結婚に関して国民の間で様々な意見があることについて、どのように捉えていらっしゃいますか
「延期されていた立皇嗣の礼関連の主要な諸行事が滞りなく終了したことに安堵(ど)しています。その立皇嗣宣明の儀において、秋篠宮は、『皇嗣としての責務に深く思いを致し、務めを果たしてまいりたく存じます』と述べたことを心強く聞きました」
「秋篠宮には、皇嗣として、その職務もますます重いものとなっていきますが、秋篠宮妃共々、身体に気を付けながら、務めを果たしていってもらいたいと思います」
「眞子内親王の結婚については、国民の間で様々な意見があることは私も承知しております。このことについては、眞子内親王が、御両親とよく話し合い、秋篠宮が言ったように、多くの人が納得し喜んでくれる状況になることを願っております」
--現在、皇位継承は男性に限られていますが、長い歴史の中では女性が天皇になった事例もありました。一方、ヨーロッパの王室では近年、性別に関係なく長子を優先して継承する動きが広がっています。皇室の歴史や伝統と世界的に進むジェンダー平等や女性の活躍推進の動きについて、陛下はどのようにお考えでしょうか
「御質問において言及されたようなヨーロッパの王室などにおける状況はよく承知しています。しかし、昨年も申し上げたとおり、制度に関わる事項について、私から言及することは控えたいと思います」
◆1年を振り返り
--この1年を振り返って印象に残った出来事についてお聞かせ下さい。間もなく東日本大震災から10年になります。陛下はこれまで皇后さまと被災地をたびたび訪問し、被災者に心を寄せてこられましたが、被災地の人々や復興への思いもあわせてお聞かせ下さい
「この1年は、新型コロナウイルス感染症が猛威を振るいました。新年のビデオメッセージでも述べたとおり、私も雅子も、この感染症がなかなか収束しない状況を憂慮しております」
「また、この感染症の感染拡大の影響により、特に、多くの可能性を持つ若い人々が苦境に陥っていることや、女性や若者の自殺や家庭内暴力・児童虐待などが増加していることなども危惧しております」
「他方、この苦難に直面しての我が国の国民の忍耐力や強靱(じん)さに感銘を受けるとともに、この1年でとても多くの『感謝』の気持ちを感じたことも印象に残ったこととして挙げられます」
「医療従事者の皆さんが、新型コロナウイルス感染症が流行し始めてからというもの、自らの感染の脅威にさらされながらも、強い使命感を持って、最前線で、昼夜を問わず、患者さんの命を救うために尽力いただいていることに心から感謝いたします」
「また、保健所の方々など、患者を適切に医療現場につなぐべく、努力をしている方たちにも心からの感謝の気持ちを伝えたいと思います」
「この1年、新型コロナウイルス感染症の様々な影響に苦しんでいる方々の思いや置かれている状況をより深く理解し、寄り添えればとの気持ちから、様々な分野の専門家や現場で対応に当たられている方々から、雅子と共にお話を伺ってきました」
「高齢者や障害者、あるいは生活困窮者や生活困窮世帯の子供たちなどの現状について理解を深めるとともに、たくさんの方が、社会的に弱い立場にいる人々を支え、その命と暮らしを守るために力を尽くしていることを大変有り難く思いました。そのような方々が、自らも感染症による負担や苦労を強いられる中で、なおも大勢の他者のために尽くす姿に大変感心いたしました」
「また、教育現場では、多くの学校行事が中止とならざるを得ない中、小学6年生たちが、自らプロジェクトチームを立ち上げ、様々な演出を凝らして思い出に残るイベントを作り上げた話や、地域で子供たちの学びを支えるボランティアが増え、例えばボランティアの皆さんが教室の消毒作業に協力してくれた話などを伺い、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって様々な制約が課される中、子供たちのたくましさや人々の優しさを今まで以上に感じる話を聞くことができました」
「長引く感染症の流行への対策を継続することは努力を要します。自らのできる範囲で感染の拡大防止に努める多くの皆さんに感謝いたします。親族・友人など親しい人との直接的な接触を避け、暮らしの隅々に注意を払う生活にはストレスを感じる方も多いと思います。皆さんお一人お一人が、人知れず続けている努力を多といたします」
「英国で、歩行器の補助を必要としながらも、新型コロナウイルス感染症に対応する医療従事者を支援するため、100歳の誕生日までに自宅の庭を歩いて100往復する活動により多額の寄付金を集め『キャプテン・トム』の愛称で知られるようになったトム・ムーアさんの行動とムーアさんへの爵位授与、そして、今月、ムーアさんが新型コロナウイルス感染症で残念ながら亡くなった際に、多くの人がその死を悼み、功績を讃(たた)えて拍手を送ったことも深く印象に残りました。尽力する医療従事者を、自分のできる精一杯の努力で支援しようとする人を、更に無数の人々が優しく包むように応援する姿に感銘を受けました。ムーアさんは、生前『明日はきっと好(よ)い日になる』との言葉を残しています。今は確かに困難な日々を送らざるを得ませんが、一人一人が自分にできる感染防止対策を根気強く続けることで『明日は好(よ)い日になる』と私も信じ、そうなることを願わずにはいられません」
「新型コロナウイルス感染症について、日本国内への影響を中心に述べてきましたが、昨年強い印象を受けたのは、この感染症が全世界的な広がりを持つものになっているということです」
「先日、私は雅子と共に『国連水と衛生に関する諮問委員会(UNSGAB)』満了5周年のオンライン国際会議に参加しましたが、その場でも感染対策としての水の重要性が話題になりました。感染拡大防止対策として、我が国では、いわゆる三密回避、マスク着用と並んで手洗いが当然のこととして行われていますが、世界には、手洗いに適した衛生的な水が満足に得られない地域もあります」
「また、世界では、特に発展途上国を中心に、新型コロナウイルス感染症以外でも、結核、マラリア、HIV/エイズ、エボラ出血熱など、様々な感染症が非常に多くの人命を奪っています。これらの感染症を克服するには、一国のみの努力では不十分であり、国際的な協力が不可欠であることを改めて認識させられています」
「昨年は新型コロナウイルス感染症に加え、自然災害もありました。7月には、豪雨により、熊本県を中心に、多くの尊い命を失われたことが痛ましい記憶として刻み込まれています。気候変動由来と見られる自然災害の巨大化・広域化が懸念されます」
「昨年は戦後75年でした。節目の年を迎え、戦争の悲惨さと平和の尊さを今後とも心に刻んでおかなければならないとの思いを新たにいたしました。また、先の大戦で世界で唯一の被爆地となった広島、長崎には永く心を寄せていきたいと思います」
「明るい話題としては、昨年12月に、小惑星探査機はやぶさ2が、長期にわたる壮大なミッションの第一部をやり遂げたことにより、人々に夢をもたらしたという快挙がありました。はやぶさ2が持ち帰った成果がどのような発見につながるのか、私のみならず多くの人々が期待していると思います」
「東日本大震災からもう10年が経(た)とうとしていますが、この震災が2万人を超える死者・行方不明者をもたらし、各地に甚大な被害を及ぼしたことは、今思い出しても胸が痛みます」
「震災直後、岩手・宮城・福島各県へのお見舞いや首都圏に避難されてきた方々のお見舞いをさせていただき、その後も、雅子と一緒に被災地を何度か訪問して復興状況を見てまいりましたが、被災地ではまだ様々な問題が残っているように思います」
「確かにインフラ面では再建が日々進んでいますが、御家族など親しい方が亡くなられた方々、避難を余儀なくされ、家族や友達が離散してしまったり、生活環境が一変してしまった方々のことを考えると、震災からの傷がまだ癒えていないというような気がいたします」
「つい最近の、今月13日には、マグニチュード7を超える地震が福島県沖においてありました。被災された皆様に心からお見舞いをお伝えいたします。報道では、10年前を思い出したとの声も多く聞かれました。未曽有の災害がもたらした被害の大きさが改めて思い起こされるとともに、東日本大震災については、過去のこととしてではなく、現在も続いていることとして考える必要があることを改めて感じました」
「私も雅子も、今後とも被災地の方々の言葉に耳を傾け、被災された方々の力に少しでもなれるよう、被災地に永く心を寄せていきたいと思っています。そしてまた、機会があれば、10年を超す歳月を経た被災地を訪れてみたいと願っております」
--眞子様と小室さんの結婚の問題について、陛下は「多くの人が納得し喜んでくれる状況になることを願います」というふうに述べられました。そのためには何が必要とお考えになりますでしょうか
「この件に関しましては、先ほど申し上げたこと以上のことは、今はお答えは差し控えさせていただきたいと思います」
--2問目の質問で愛子様の現在の御様子についてお伺いいたしましたが、愛子様の将来の御結婚については、陛下はどのようにお考えでしょうか
「愛子は先ほども申しましたとおり、大学生活も始まったばかりですので、今後ともいろいろなことを学びながら、自分としての視野を広めていくことになると思います。私もその過程でいろいろなことを恐らく相談に乗ることと思いますので、結婚のことも含めて、いろいろ将来のことも話し合う機会というものがあるかと思います」
--一番最初の、新型コロナに関する質問の関連なんですけれども、昨秋以降、オンラインの活動を陛下も始められていましたが、それに至るまでですね、なかなか国民との直接の交流ができないという状況がずっと続いた中で、陛下自身ですね、もどかしい思いだったり、早く国民に会いに行きたいというかですね、そういったですね、危機感だったりですね、そういった思いを抱いたことはございましたでしょうか
「現在の新型コロナウイルス感染症の感染状況では、三密を避ける、つまり人と人との交流というものが閉ざされてしまって、言ってみれば本当に日常生活が大きく変わったというふうに感じます。その中で、本当に一人一人が大変な御苦労をされていた現状では、やはり皆さんのことを、私も大変気になったわけですけれども、今は皆さんのところに会いに行くということ、お話をするということをしてはいけないことでありますので、国民の皆さん一人一人への思いを持ちながら、今、自分ができることはいったい何なんだろうかということを常に考えながら、日々を過ごしてきたように思います。その過程でもって、オンラインというものもいろいろ普及してきましたし、先ほどもお話ししましたように、水の関係の国際会議で実際にオンラインをやってみたところ、人と人とのつながりというものを肌で感じることができましたので、宮内庁ともいろいろ相談をしながらオンラインで、皆さんとつながっていくということを考えるに至ったわけです。ですから、オンラインはそれなりの課題というものも、先ほどお話ししたようにあると思いますけれども、これからはそういうものを使っていきたいというふうに思っております」
元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース ライフ 【皇室】 2021年02月23日 00:46:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【天皇陛下】:コロナ禍のご会見40分間、人数制限やアクリル板
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天皇陛下】:コロナ禍のご会見40分間、人数制限やアクリル板
天皇陛下が臨まれた記者会見は、新型コロナウイルスの感染防止対策を講じて約40分間にわたり行われた。
会場内は、陛下が座られる席と距離をとった上で、記者同士も離れて着席。昨年の天皇誕生日に際しての記者会見では、ご即位後初めての会見だったこともあり、海外メディアなども含めて46人が出席したが、今年は15人に限定。陪席する宮内庁職員も昨年の17人から3人まで絞り込んだ。
マスク姿で会見場に入った陛下は着席後、マスクを外して質問に答えられた。宮内庁によると、陛下は周囲に人がいる場合は常にマスクを着用するよう心がけられている。しかし、今回は国民に向けて陛下の思いや考えを届ける機会として会場内の人を減らし、陛下の前にアクリル板を置くなど対策を徹底した上で、マスクを外して会見に臨まれた。
元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース ライフ 【皇室】 2021年02月23日 00:44:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【天皇陛下記者会見】:東日本大震災10年「傷まだ癒えていない」
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天皇陛下記者会見】:東日本大震災10年「傷まだ癒えていない」
天皇陛下は記者会見で、まもなく発生から10年となる東日本大震災について、「今思い出しても胸が痛みます」と述べ、未曽有の被害に改めて思いをはせられた。陛下はこれまで、皇后さまとともに被災地にたびたび足を運んできたが、今後も「被災された方々の力に少しでもなれるよう、被災地に永く心を寄せていきたい」とした上で、10年の歳月を経た被災地を再び「訪れてみたい」との考えも明かされた。
懇談される天皇、皇后両陛下=2日午後、赤坂御所(宮内庁提供)
陛下は会見で、被災地の現状について、インフラ面での再建は進んでいるものの、「様々な問題が残っているように思います」とご指摘。家族を失ったり、避難などにより生活が一変したりした人々のこの10年をおもんぱかり、「震災からの傷がまだ癒えていない」と述べられた。
今月13日、福島、宮城両県で震度6強を観測した地震にも触れ、震災が、「過去のこととしてではなく、現在も続いていることとして考える必要がある」と語られた。
一方、会見では、ご家族の近況にも話題が及んだ。
病気療養中の皇后さまのご様子について、陛下は、「種々の工夫や努力を重ねながら、幸いにして、昨年も諸行事や諸儀式を滞りなく務めることができました」とご回想。新年のビデオメッセージでは、お二方そろって国民にあいさつができたことを「良かったと思っております」と振り返られた。
昨年、陛下の母校でもある学習院大に入学し、今年成年を迎える長女の敬宮(としのみや)愛子さまについては、大学のオンライン授業に意欲的に取り組まれるなど、「少し頼もしくなった」と笑顔を見せられた。成年皇族として公務に臨まれる際には、「感謝と思いやりの気持ちを持って、一つ一つの務めを大切に果たしていってもらいたい」と期待を込められた。
元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース ライフ 【皇室】 2021年02月23日 00:39:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【天皇陛下】:模索からご実践の1年 オンラインご活動「新たな可能性」
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天皇陛下】:模索からご実践の1年 オンラインご活動「新たな可能性」
「今、自分ができることはいったい何なんだろうか」。23日に61歳の誕生日を迎えた天皇陛下は記者会見で、新型コロナウイルス禍で国民と触れ合えない中での葛藤を明かされた。陛下はこの1年、オンラインでの地方視察など、新たな活動に取り組まれてきた。会見で、「状況に対応した務めを考え、行動していくことが大切」と、昨年に重ねて述べた陛下はお言葉通り、時代に合わせた天皇の在り方を模索し、実践に移されている。(橋本昌宗)
61歳の誕生日を前に天皇陛下が臨まれた記者会見は、会場内の人を減らすなど感染防止対策を凝らして行われた=19日午後、赤坂御所(代表撮影)
「大変でいらっしゃいましたね」。1月27日、昨年7月の豪雨で甚大な被害を受けた熊本県を、皇后さまとともにオンラインで視察した陛下は、同県人吉市で被災した塚本哲也さん(57)にこう声をかけられた。
塚本さんは経営する酒店のコロナ禍での経営状況や、被災で受験生の娘が勉強する環境に苦労したことなどを話し、陛下は終始、塚本さん一家の健康や生活を気遣われた。塚本さんは「話を聞いていただき、つらい状況にあっても、これから襟を正して頑張って生きていこうという気持ちがわいた」と振り返る。
陛下は皇后さまとともに昨年11月以降、日本赤十字社の各地の病院や、高齢者、障害者の活動を画面越しに視察し、関係者と懇談された。今年1月の熊本県に続き、2月以降、東日本大震災から10年を迎えるのに合わせて、福島、宮城、岩手の3県を視察される方向で調整が続けられている。
陛下は会見で今年1月、新年に当たって公表したビデオメッセージも念頭に「オンラインによる活動に新たな可能性を見いだせたことは、大きな発見と言えます」と手応えをにじませられた。
国民との触れ合い、特に被災者とのご懇談にオンラインを使うことについて、宮内庁内部では当初、慎重な意見が根強かった。しかし、感染症の収束は見えず、国民とのご交流が制限される事態が続いた。宮内庁によると、昨年の天皇誕生日からの1年間で、陛下が皇居以外を直接訪問されたのは国会の開会式や、創建100年を迎えた明治神宮など、東京都内の7回にとどまった。
「静かに寄り添うだけでなく、陛下の国民への思いを示されてはどうか」との声もある中、陛下は宮内庁と相談し、オンラインの活用を決断された。前例にない活動の在り方だが、国民と直接触れ合い、話を聞くことを大切にしてきた陛下は会見で、「人々とのつながりを築き、国民の皆さんの力になるために、私たちに何ができるか」を考えた結果だったことに言及されている。陛下は歴代天皇が、自然災害や感染症が続く不安定な時代を鎮めたいとの思いを持っていたことを紹介し、「その精神は現代にも通じる」との思いも明かされた。
こうした陛下のご姿勢は昨年8月15日、東京都千代田区の日本武道館で行われた全国戦没者追悼式でのお言葉からも垣間見える。
平成の時代、上皇さまは戦没者への追悼と戦災からの復興、平和への祈りの3つを主な要素として、お言葉を述べられてきた。陛下も令和元年、初めて臨んだ追悼式で、この3要素を踏襲されている。
一方、昨年のお言葉では、これまでの要素を削除したり縮小したりすることなく、コロナ禍に触れる新たな一文を加えられた。事前に周囲にも相談していたといい、慎重意見も踏まえながら挿入されたという。
陛下に近い関係者は「突然新しいことをするのではなく、上皇さまがやってこられたことを継承しながらさまざまな意見も聞き、コロナ禍という難しい事態の中で、どう国民とともに歩むのか、考え、実践されているのではないか」と話している。
元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース ライフ 【皇室】 2021年02月23日 00:30:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【動画】:天皇陛下、61歳 コロナ禍「忍耐強く乗り越え、明るい将来」願われ
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【動画】:天皇陛下、61歳 コロナ禍「忍耐強く乗り越え、明るい将来」願われ
天皇陛下は23日、61歳の誕生日を迎えられた。これに先立ち、お住まいの赤坂御所で記者会見し、新型コロナウイルス感染症の影響が続いていることについて、「国民の皆さんが痛みを分かち合い、協力し合いながら、コロナ禍(か)を忍耐強く乗り越える先に、明るい将来が開けることを心待ちにしております」との願いを示された。
感染防止のため設置されたアクリル板を前に、記者会見に臨まれる天皇陛下=19日午後、赤坂御所(代表撮影)
陛下は会見で「この1年は、コロナ禍(か)に翻弄されてきました」とご回想。感染症で亡くなった人を悼み、医療従事者や保健所職員、社会的弱者を支える関係者らに対し、「国民の間で感謝の念を広く共有することができた」と述べられた。
直接国民と交流することができない中で活用したオンラインについては、「臨場感があり、人と人とのつながりを肌で感じることができました」との感想を明かし、「引き続き、状況に応じた形で活用していきたい」と意欲を示された。
秋篠宮ご夫妻の長女、眞子さまの、延期されているご結婚をめぐる質問には、「秋篠宮が言ったように、多くの人が納得し喜んでくれる状況になることを願っております」と述べるにとどめられた。
元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース ライフ 【皇室】 2021年02月23日 00:06:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。