【政界地獄耳・08.31】:中国サイドは日本より米 日中関係に賭けた二階の寂しい訪中
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・08.31】:中国サイドは日本より米 日中関係に賭けた二階の寂しい訪中
★超党派の日中友好議連会長に自民党元幹事長・二階俊博が就任したのは昨年3月。すぐにでも訪中すると思われたが、日中交流が事実上解禁された今年の初夏になっても二階訪中は実現せず、引退目前の今となった。28日、北京の人民大会堂で中国共産党序列3位の趙楽際(ジャオ・ルォージー)全国人民代表大会常務委員長(国会議長)、駐日大使を務めた王毅(ワン・イー)外相と相次いで会談したものの、26日の中国軍情報収集機が、長崎県男女群島沖で領空侵犯したことに遺憾の意を表明、再発防止を強く求めたのに対し、2人は意図的ではなかったとあしらった。第11管区海上保安本部によれば、28日にも尖閣諸島の南小島の沖合で、中国海警局の船2隻が領海に侵入。二階のメンツは丸つぶれだ。
★中国が「汚染水」という福島第1原発の処理水の海洋放出をめぐる協議でも「進展がないと日本産水産物の禁輸の解除について見通しが立たない」と前向きな発言は何も出なかった。議連からは自民党総務会長・森山裕、党選対委員長・小渕優子、公明党副代表・北側一雄、立憲民主党幹事長・岡田克也、共産党国対委員長・穀田恵二、社民党党首・福島みずほら日中関係をリードしてきたそうそうたるメンバーが二階を囲んだが、国家主席・習近平(シー・チンピン)との会談は実現しなかった。
★無論、中国サイドも首相・岸田文雄の政権が終わる今より、次期政権との対話を重視するのは当然だが、その裏で29日、習はサリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)と会談。習は「中国と米国は2つの大国として歴史、国民、世界に責任を負わなければならない」と隣国無視を貫き、日本サイドには「台湾は中国の一部で内政問題だ。中国の国民感情を傷つける言葉だ」と議論もさせなかった台湾問題をサリバンとは議題とした。また、来年1月に退任するバイデン大統領との首脳会談の日程調整も模索。今の中国政府に日本外交など何の足しにもならない。日中関係に賭けた二階の寂しい訪中となった。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2024年08月31日 08:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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