『TCA PRESS』2019年1月号より
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/f1bd03cdcc62ccc978d8ced1e19ba97d
たまりにたまった宝塚のフリーペーパー、断捨離を始めました。お別れの前に、2019年1月号に掲載された三浦春馬さんのインタビュー記事を、あらためて全文引用します。
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「三浦春馬-俳優
初めて観た『オーシャン11』のカッコよさで、宝塚の虜になる人の気持ちが分かりました!」
🌸7歳のデビュー以来、数多くの作品で着実にキャリアを積み、若手俳優のトップを走っていらっしゃる三浦春馬さん。来年1月には、英国の演出家フィリップ・フリーンさんによる舞台『罪と罰』(ドストエフスキー原作)に主演されます。
「3年前、『地獄のオルフェウス』でフィリップの演出を受けた時、またいつか日本で一緒にやりたいねと話していたので、実現すると聞いてとても嬉しかったですね。
彼は『罪と罰』の戯曲をずっとやりたかったそうで”まるで心臓の鼓動のように私の中に生き続けていた”とまでおっしゃっているので、責任重大だなとも感じています。フィリップの作品にはワークショップがあり、自分の感情やこれまでの人生の経験を使って演じることを丁寧に教えてくださるので、またそんな稽古期間を過ごせることが純粋に嬉しいです。今は演出を受けるのが楽しみで仕方がないですね」
🌸『罪と罰』はドフトエフスキーの有名な長編小説。三浦さんが演じるのは”自分には人を殺す権利がある”と考え実行する、頭脳明晰ながら貧しい青年・ラスコリニコフ。揺れ動く心情、信仰や思想など人間の内面を深く描き出す重厚な作品です。
「彼の行動は矛盾しているように見えるかもしれませんが、自分は何者だろうと思う反面、自分なら偉業を成し遂げられるんじゃないかと自分に期待することは誰にでもあると思うんです。彼にとってはそれが人を殺める行為だったんですが、自分がやったことをどこまで肯定できていたのだろう、と考えるのがすごく面白いですね。計画を立てて殺めた質屋の老婆に対しては正義だと信じ、罪の意識がありませんが、偶然その場で鉢合わせになった老婆の妹も殺してしまい、これが彼を急速に追い詰めていく要因になります。罪の意識は、数字では表せませんが、どのくらい膨らんでいるのか、どの瞬間から、誰と出会った時から彼の中に矛盾や葛藤が生じてくるのか、フィリップとディスカッションしながら見つけていく過程が楽しみです」
🌸数多くのドラマや映画に出演されていますが、映像とは違う舞台の魅力は?
「舞台は幕が開いたら降りるまで自分の気持ちを止めずに、一連でずっと役を感じられるところがすごく魅力的ですね。役を自分の人生と重ねてみることで心の機微を感じますし、突発的に自分でも思いもよらない声の震え方が出たり、自分はこんな時に悲しみが増幅して溢れるんだと認識したり、気づきのチャンスが毎日あるんです。今回のような人を殺める役は、映像でもやったことがなくて、どんな心理が生まれるのか分からないのですが、得体のしれない何かがそこにありそうで、ワクワクする毎日になるだろうと思います」
🌸『罪と罰』の後は、4月から再演の『キンキーブーツ』にも出演されます。2016年の日本初演時、三浦さんが演じたドラッグクィーンのローラ役は観客に衝撃を与えました。
「前回、全力でやったつもりなので、それを再演できるのは本当に嬉しいです。2013年にN.Yでオリジナル版を観て、シンディローパーの楽曲が素晴らしい作品なので、宝塚のファンの方にも観てほしいですし、定期的にやっていけたらなと思います。ミュージカルになじみのない方でもこの世界に自然と入れるように、ナチュラルな芝居を目指したいですね」
🌸宝塚はご覧になったことはありますか。
「結構、折に触れて観させていただいています。初めて観たのは『オーシャンズ11』で柚希礼音さん、蘭寿とむさんの両バージョンを拝見しましたが、お二人ともカッコよくて、宝塚の虜になる方々の気持ちがめちゃくちゃ分かりました!作品としてもすごく面白かったですね。『るろうに剣心』や『1789』も観ています。最近は『ひかりふる路』を映像で拝見しました。フランク・ワイルドホーンさんの楽曲もいいし、ロベスピエール役の望海風斗さんは歌も演技も素晴らしいですよね。大階段のフィナーレなど、宝塚のショーを見ているとすごくエンターテイメント性が高い舞台だと思います。男役の方の立ち居振る舞いは勉強になります。そういえば、前に東京スカイツリーの展望台で宝塚のイベントがありましたよね。ショーアップされていて”宝塚へようこそ”みたいな(ポーズの)ポスターがすごく印象的だなと思って。僕もやってみたいなーと思いました(笑)」
-PROPLE-
1990年生まれ。茨城県出身。1997年NHK連続テレビ小説『あぐり』でデビュー。数々の作品で活躍し、映画『永遠の0』にて第38回日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞。2017年、ミュージカル『キンキーブーツ』で第24回読売演劇大賞優秀男優賞と杉村春子賞を受賞。近年の出演作にNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』、『オトナ高校』(テレビ朝日)、映画『銀魂2 掟は破るためにこそある』など多数。舞台では地球ゴージャス『星の大地に降る涙』『怪盗セブン』、劇団☆新感線『ZIPANG PUNK~五右衛門ロックⅢ』、『地獄のオルフェウス』、ミュージカル『キンキーブーツ』に出演。今後はBunkamura30周年記念シアターコクーン・オンレパートリー2019DISCOVER WORLD THEATREvol.5『罪と罰』(2019年1月9日~2月1日/Bunkamuraシアターコクーン、2月9日~17日/森ノ宮ピロティホール)に出演。また4月からミュージカル『キンキーブーツ』再演に出演予定。
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若き才能を失ってしまいましたね。応援していた方々がいろいろと納得されていない様子をみかけるたびに心が痛みます。懸命に生きた時間があったことをおぼえていたい、それしかわたしには言えません。ゆっくりと休まれますように・・・。
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/f1bd03cdcc62ccc978d8ced1e19ba97d
たまりにたまった宝塚のフリーペーパー、断捨離を始めました。お別れの前に、2019年1月号に掲載された三浦春馬さんのインタビュー記事を、あらためて全文引用します。
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「三浦春馬-俳優
初めて観た『オーシャン11』のカッコよさで、宝塚の虜になる人の気持ちが分かりました!」
🌸7歳のデビュー以来、数多くの作品で着実にキャリアを積み、若手俳優のトップを走っていらっしゃる三浦春馬さん。来年1月には、英国の演出家フィリップ・フリーンさんによる舞台『罪と罰』(ドストエフスキー原作)に主演されます。
「3年前、『地獄のオルフェウス』でフィリップの演出を受けた時、またいつか日本で一緒にやりたいねと話していたので、実現すると聞いてとても嬉しかったですね。
彼は『罪と罰』の戯曲をずっとやりたかったそうで”まるで心臓の鼓動のように私の中に生き続けていた”とまでおっしゃっているので、責任重大だなとも感じています。フィリップの作品にはワークショップがあり、自分の感情やこれまでの人生の経験を使って演じることを丁寧に教えてくださるので、またそんな稽古期間を過ごせることが純粋に嬉しいです。今は演出を受けるのが楽しみで仕方がないですね」
🌸『罪と罰』はドフトエフスキーの有名な長編小説。三浦さんが演じるのは”自分には人を殺す権利がある”と考え実行する、頭脳明晰ながら貧しい青年・ラスコリニコフ。揺れ動く心情、信仰や思想など人間の内面を深く描き出す重厚な作品です。
「彼の行動は矛盾しているように見えるかもしれませんが、自分は何者だろうと思う反面、自分なら偉業を成し遂げられるんじゃないかと自分に期待することは誰にでもあると思うんです。彼にとってはそれが人を殺める行為だったんですが、自分がやったことをどこまで肯定できていたのだろう、と考えるのがすごく面白いですね。計画を立てて殺めた質屋の老婆に対しては正義だと信じ、罪の意識がありませんが、偶然その場で鉢合わせになった老婆の妹も殺してしまい、これが彼を急速に追い詰めていく要因になります。罪の意識は、数字では表せませんが、どのくらい膨らんでいるのか、どの瞬間から、誰と出会った時から彼の中に矛盾や葛藤が生じてくるのか、フィリップとディスカッションしながら見つけていく過程が楽しみです」
🌸数多くのドラマや映画に出演されていますが、映像とは違う舞台の魅力は?
「舞台は幕が開いたら降りるまで自分の気持ちを止めずに、一連でずっと役を感じられるところがすごく魅力的ですね。役を自分の人生と重ねてみることで心の機微を感じますし、突発的に自分でも思いもよらない声の震え方が出たり、自分はこんな時に悲しみが増幅して溢れるんだと認識したり、気づきのチャンスが毎日あるんです。今回のような人を殺める役は、映像でもやったことがなくて、どんな心理が生まれるのか分からないのですが、得体のしれない何かがそこにありそうで、ワクワクする毎日になるだろうと思います」
🌸『罪と罰』の後は、4月から再演の『キンキーブーツ』にも出演されます。2016年の日本初演時、三浦さんが演じたドラッグクィーンのローラ役は観客に衝撃を与えました。
「前回、全力でやったつもりなので、それを再演できるのは本当に嬉しいです。2013年にN.Yでオリジナル版を観て、シンディローパーの楽曲が素晴らしい作品なので、宝塚のファンの方にも観てほしいですし、定期的にやっていけたらなと思います。ミュージカルになじみのない方でもこの世界に自然と入れるように、ナチュラルな芝居を目指したいですね」
🌸宝塚はご覧になったことはありますか。
「結構、折に触れて観させていただいています。初めて観たのは『オーシャンズ11』で柚希礼音さん、蘭寿とむさんの両バージョンを拝見しましたが、お二人ともカッコよくて、宝塚の虜になる方々の気持ちがめちゃくちゃ分かりました!作品としてもすごく面白かったですね。『るろうに剣心』や『1789』も観ています。最近は『ひかりふる路』を映像で拝見しました。フランク・ワイルドホーンさんの楽曲もいいし、ロベスピエール役の望海風斗さんは歌も演技も素晴らしいですよね。大階段のフィナーレなど、宝塚のショーを見ているとすごくエンターテイメント性が高い舞台だと思います。男役の方の立ち居振る舞いは勉強になります。そういえば、前に東京スカイツリーの展望台で宝塚のイベントがありましたよね。ショーアップされていて”宝塚へようこそ”みたいな(ポーズの)ポスターがすごく印象的だなと思って。僕もやってみたいなーと思いました(笑)」
-PROPLE-
1990年生まれ。茨城県出身。1997年NHK連続テレビ小説『あぐり』でデビュー。数々の作品で活躍し、映画『永遠の0』にて第38回日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞。2017年、ミュージカル『キンキーブーツ』で第24回読売演劇大賞優秀男優賞と杉村春子賞を受賞。近年の出演作にNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』、『オトナ高校』(テレビ朝日)、映画『銀魂2 掟は破るためにこそある』など多数。舞台では地球ゴージャス『星の大地に降る涙』『怪盗セブン』、劇団☆新感線『ZIPANG PUNK~五右衛門ロックⅢ』、『地獄のオルフェウス』、ミュージカル『キンキーブーツ』に出演。今後はBunkamura30周年記念シアターコクーン・オンレパートリー2019DISCOVER WORLD THEATREvol.5『罪と罰』(2019年1月9日~2月1日/Bunkamuraシアターコクーン、2月9日~17日/森ノ宮ピロティホール)に出演。また4月からミュージカル『キンキーブーツ』再演に出演予定。
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若き才能を失ってしまいましたね。応援していた方々がいろいろと納得されていない様子をみかけるたびに心が痛みます。懸命に生きた時間があったことをおぼえていたい、それしかわたしには言えません。ゆっくりと休まれますように・・・。