十字回廊の一角の柱に 日本人の落書き
つまり 森本右近太夫一房の墨書が見られる。
しかし その上からもかなり塗られていて
何が書いてあるかは 今は読み取ることはできない。
資料によれば 寛永九年(1632年)の日付と
「ここに仏四体を奉るものなり」とあり
父の菩提を弔うため また老母の後生を祈るために
仏四体を寄贈したと記されているという。
また これ以外に その周りには
有名無名の日本人たちが書いた落書きが14もあるという。
アンコールワットを見て 仏教の聖地「祇園精舎」と思い
訪れた人々の手によるもののようだ。
当時は 壮大な仏教寺院であり 日本にも知られており
右近太夫も 唐天竺の祇園精舎に来たと思ったのかもしれない。